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2014年10月 3日 (金)

気になるニュース 684

 

全く心配がない・・・?
引用書き起こし開始。 

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*九電「3万年前、火砕流到達」 川内原発の火山影響 論議再燃 



戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火。この事態を受け、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼動に懸念が高まっている。九電は観測強化を主張し、政府は「再稼動には影響しない」と繰り返している。だが、九電は3月、約3万年前に近隣の火山の噴火で、火砕流が川内原発の地点に及んでいたとする試算を公表している。(鈴木伸幸)
 


◆科学的根拠乏しい安全
 

今年3月、原子力規制委員会による川内原発の安全基準審査の会合で、ひとつのヤマ場があった。九電が約3万年前に鹿児島県の姶良(あいら)カルデラで起きた、大規模な「破局的噴火」に伴う火砕流が、約50キロ離れた川内原発に及んでいた可能性を初めて認めたからだ。
 

火砕流は高温の溶岩や火山灰が混然一体となり、高速で広がる。九電の再現試算結果によると、約3万年前の破局的噴火の際、その広がりは約80キロにまで及び、南九州一帯に大きな被害を与えたとみられる。
 

しかし、九電は「原発の運用期間中に(3万年前のような)巨大噴火が起こる可能性は十分に低い」「火山活動の観測を強化する」と危険性を否定。原子力規制委も、九電の判断を「妥当」と追認した。
 

だが、御嶽山の噴火後、この審査の結果を疑問視する声が高まっている。
 

政府は火消しに躍起だ。先月29日には、菅義偉官房長官がBS民放番組で「川内原発は(近隣に)火山があっても、火砕流がそこまで行かないことは明快。全く心配がない」と発言。翌30日には、衆院本会議で安倍首相も「再稼働に求められる安全性は確保されている」と表明した。
 

ただ、火砕流が川内原発に到達する可能性は本当に「低い」といえるのか。
 

鹿児島大の井村隆介准教授(火山地質学)は「そうみなす理由が分からない。『低い』というが、どの程度低いのか、科学的に説明できていない。その前が50万年前だからとしても、いまが確実に安全とはいえない」と首をひねる。
 

「観測の強化」といっても、今回の御嶽山の噴火も予知できなかった。御嶽山では先月に入り、火山性地震が増えていた。だが、噴火の予知はできず、警戒レベルは5段階で最低の「1」(平常)のままだった。
 

東大地震研究所の中田節也教授は「異変が過去の噴火前のデータと一致していたとすれば、警戒レベルを上げられたかもしれない。しかし、今回は違った。いまとなれば、火山性地震が前兆だったと指摘できるが、それは結果論にすぎない」と解説する。
 

火山の噴火は、マグマに熱せられた地下水による「水蒸気爆発」と、マグマ自体が噴き出す「マグマ噴火」に大きく分類される。
 

「御嶽山の場合は水蒸気爆発で、姶良カルデラとは別タイプ」だとして、原子力規制委の田中俊一委員長は1日の記者会見で、「相当早くから(地殻変動や地震といった)兆候が出てくるだろう」と話した。
 

だが、もし異変があっても、それが噴火の兆候かの判断は極めて難しい。中田教授は「破局的噴火については、観測データがないので判断できない。ただ、何らかの異変は感知できるだろう。つまり、とても低いレベルでの異変を基準に定めて、それが感知されるたびに運転を止めるという安全対策が考えられる。しかし、採算を考えれば、そうした判断が鈍ることは容易に想像できる」と語る。
 

福島原発事故も、採算を重視した「安全神話」によって引き起こされた。




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2014103日 東京新聞朝刊 こちら特報部:[ニュースの追跡]より 

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