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2014年9月19日 (金)

気になるニュース 677

『本当の目的は復興に見せかけた汚染ごみの運搬ルートの確保と思わざるを得ない』・・・
引用書き起こし開始。

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*福島・6号線ルポ バリケードずらり、残る高線量



福島県の浜通りを縦断する国道6号富岡町-双葉町間(14.1キロ)の通行規制が15日、解除された。全線開放は3年半ぶり。国道は除染されていても、放射線量の高い場所がまだ残る。復興に弾みがつくと期待が高まる半面、住民らの不安は続く。帰還困難区域を貫く国道を17日、車で往復した。(白名正和、沢田千秋)


◆解放されてもバリケード

午前420分、富岡町の富岡消防署前。通行規制が解除されるまで、検問所があった場所だ。

「この先、帰還困難区域」「自動二輪車 原動機付き自転車 軽車両 歩行者は通行できません」などと書かれた看板が出ている。警察官や警備員ら5人ほどが警戒に当たっていた。

周辺の空間放射線量を測定してみると、毎時0.95マイクロシーベルト。道路の真ん中は1.65、道路脇の草むらでは、3.10まで上がった。

内閣府のモニタリング調査によると、規制が解けた富岡町から双葉町までの平均空間線量は毎時3.5マイクロシーベルト。除染前は毎時5.1マイクロシーベルトで、担当者は「3割から4割低減できた」と話す。最大値は、福島第一原発近くの大熊町内の14.7マイクロシーベルトで、高い場所も残っている。

二輪車や歩行者の通行が禁止されているのは、被ばくの恐れがあるためだ。四輪車であっても駐停車はできない。政府は、窓を閉めてエアコンは内気循環にするよう呼び掛けている。

早朝のこの時間も、マイクロバスやトラック、乗用車が行き交う。バスやトラックには、福島第一原発の通行証らしい黄色い標章が付けられていた。ナンバーは、いわき、福島、水戸、仙台とさまざまだ。

北上する。脇道はバリケードなどでふさがれ、侵入できない。民家との間にも、バリケードが左右に並んでいる。

福島第一原発に近づくにつれ、社内の空間線量は234マイクロシーベルトと上がっていく。福島第一原発から西約2キロの中央台交差点付近で、6.38マイクロシーベルトに達した。

双葉町の双葉厚生病院入口交差点からは、数十メートル先に「原子力明るい未来のエネルギー」という標語の看板が見える。

この標語を小学6年の時に考案した大沼勇治さん(38)は、規制解除の当日、避難先の茨城県古河市から現場を訪れた。看板を写真に収める人々を目にし、複雑な心境になったという。

大沼さんの自宅は、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の候補地の目と鼻の先。候補地は、福島第一原発を取り囲むように、国道6号の東側に広がる。「一般車両にとっては確かに便利になった。けれど、本当の目的は復興に見せかけた汚染ごみの運搬ルートの確保と思わざるを得ない」

侵入を防ぐバリケードは沿道に約300カ所。「バリケードは、東電とともに歩んだ私の人生に付けられた✕印に見えた。そして、6号は今後、人が住める側と住めない側とに、町を分断する象徴になった」


◆便利になるが人はいない 「子や孫は通らせたくないな」

住民が心配しているのは、人の出入りが増えることによる盗難などの犯罪の増加だ。双葉、大熊、富岡を含む8町村を管轄する福島県警双葉署管内の刑法犯認知件数は、原発事故前の2010年に423件だったのが、事故後の11年は1015件に激増。住民が避難し無人となった住宅の空き巣被害が相次いだ。

このため、富岡町では44カ所に防犯カメラを設置。大熊、双葉両町も防犯カメラや自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)の設置準備を進めている。

双葉町にあるゲートまで約20分だった。そのまま南相馬市に入る。国道沿いの食堂駐車場で、まきストーブにあたっていた同市の男性(73)は、「子どもや孫は通らせたくないな。原発の近くは線量が高いから」と話した。同市のJR原ノ町駅前で喫茶店を経営する吉田至巴(よしとも)さん(75)は、「今まで南に行くことのできる道路がなく陸の孤島のようだった。これからは南北の人の交流が増えるだろう」と歓迎した。

ここでUターン。今度は南下する。

同市小高区の避難指示解除準備区域。夜間の立ち入りや宿泊が制限されている。同区で20124月から理容室を再開した加藤直さん(64)は、国道の規制解除について、「利便性は向上するだろうけど、宿泊制限も解除にならなければ、変わらない。人がいないと町は活気が出ないよ」と話す。

同区にある南相馬市ボランティア活動センター。一時帰宅する住民などから片付けやがれきの処分、農業用ビニールハウスの解体などの依頼が月100件ほどある。センター長の松本光雄さんは「やってもやっても終わらない。交通が便利になり、ボランティアに来てくれる人が増えてほしい」と期待している。

進行方向の左手に太平洋が見える。海岸の整備のためか、重機がいくつも動いている。草むらの中に、上下逆さになった乗用車が1台、放置されていた。

双葉町に再び入る。明るくなったため、早朝には分からなかった町の様子が見て取れた。国道沿いにラーメン店、ガソリンスタンド、クリーニング店、食堂などが並ぶが、いずれも人影はない。

富岡町にあった衣料品チェーン店は天井が落ち、壁やガラス窓が破れ、店内にはハンガーに服が掛けられたまま。ホームセンターも商品のコーン標識や鉄柱が、屋外の商品棚に置きっ放しになっていた。どの店も朽ち果て手付かずになっているという印象だった。

国土交通省磐城国道事務所によると、8月の平日の1日平均交通量は6400台だったが、解除後の今月16日は1万台に増えた。

富岡町のゲートを過ぎて、さらに南下する。避難指示解除準備区域で夜間の立ち入りと宿泊が制限されている楢葉町。町役場庁舎前に今年7月、町のPRと地元の復興につなげるための共同店舗「ここなら商店街」がオープンした。飲食店「おらほ亭」を経営する横田峰男さん(49)は「今までは人通りが少なく隔離されているような閉塞(へいそく)感を感じていた」と喜ぶ。

ただ、店に客としてきていた同町の宿泊業の男性(39)は、「正直、規制解除に特段の思い入れはない。楢葉に人が住むことができて、商売も軌道に乗るようにならないと、町が元気になったという実感は湧かない」と話した。

いわき市に着くまでに、原発作業員を乗せたバスを何度も見かけた。国道6号は通行できるようになったが、原発事故はまだ収束していないということを実感した。


[デスクメモ]
大沼さんは、今でも月に一、二度は双葉に帰る。「荒廃していく町を見るのはつらい」。家の手入れに汗を流す。安倍首相は、視察先の福島で復興をアピールした。中間貯蔵施設も国道も、大沼さんは住民が分断されていくように見えるという。「年取ったら、帰れるのか」。古里への思いは断ち切れない。(国)



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2014918日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014091802000140.html

 

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