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2014年7月17日 (木)

気になるニュース 629

 

いのちは放射能がきらい・・・
引用書き起こし開始。 

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*川内原発の一方、放置される核のごみ 原子力「まいね」四半世紀 



九州南端の鹿児島県にある川内原発が再稼働に向けて動きだしたが、大切な問題が放置されたままだ。「核のごみ」をどうするのか。使用済み核燃料は、本州北端の青森県にある核燃料サイクル施設で再処理することになっているが、最終処分場はまだない。四半世紀の間、「核燃」にあらがってきた青森の人たちも、再稼働の動きを注視している。(白名正和、篠ケ瀬祐司)
 


◆本州北端・青森の闘い
 

「議論が不十分なまま、再稼働を急いでいる」
 

日本原燃の核燃料サイクル施設(青森県六ケ所村)に反対する市民団体「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の代表で、弁護士の浅石紘爾さん(73)はそう話した。共に、東京から遠く離れた場所にある「原子力施設」だけに、余計に気になるという。
 

1986年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起きた。その記憶が残る8810月、核燃料サイクル施設のウラン濃縮工場の建設が始まった。浅石さんたちは897月、「安全性が不十分なので動かしてはいけない」と国を相手取り、事業認可の取り消しを求めて提訴した。 

提訴直後の参院選では「反対」を訴えた候補が、村長選では「凍結」を訴えた候補が当選した。村内では反対運動が盛り上がり、低レベル放射性廃棄物埋設センターや高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、使用済み核燃料再処理工場の3施設についても、事業認可取り消しを求めて提訴していった。
 

村民約20人が加わるなど原告団に約300人が名を連ねた。1500人の支援者もいて、放射能が魚介類に与える影響について調べたりもした。
 

だが、訴訟が続く中、施設は次々と完成し、操業が始まった。すると、電源立地地域対策交付金などの「核燃マネー」で村が潤い始めた。高性能の音響設備があるコンサートホールや、高齢者が無料で使える温泉施設もつくられた。
 

村民の収入も増えた。県の統計によると、2011年度の村民1人当たりの年間所得は約1170万円で、県平均230万円の約5倍もある。
 

「『もう動いてしまったからしょうがない』と考える住民が増えた。反対運動を広げる上での影響は大きかった」と浅石さんは振り返る。
 

先月、福島第一原発事故後初めてあった村長選が、村の現状を象徴している。核燃推進派の戸田衛前副村長が、約95%の得票を得て当選した。
 

89年の提訴から今月で25年となった。高齢の原告が亡くなったこともあり、現在では、村内に住む原告は漁師の種市信雄さんら数人しかいない。支援者も約500人と3分の1に減った。 

20年以上という時間は長かった。60歳で活動を始めても80歳を超えることになる。死亡や病気で活動から離れる人が多かった」と、原告団の山田清彦事務局長(57)は説明する。
 

ただ、最初の2つの訴訟は最高裁で敗訴が確定したが、貯蔵管理センターと再処理工場については、現在も青森地裁で争っている。
 

浅石さんは「反原子力の思いは消えていない。原発の安全性を重視する大飯原発の運転差し止め判決があった。脱原発の機運は高まっている。私たちの思いがへこむことはない」と言う。山田さんも「過酷な事故が起きる恐れから、目を背けてはいけない」と訴えた。
 


◆「金曜デモ」も100回超
 

六ケ所村以外でも、青森県で、反核燃・原発を訴え続けてきた人はいる。
 

弘前市内の主婦らはチェルノブイリ原発事故があった86年、「放射能から子どもを守る母親の会」を結成した。以来、2カ月に一度、「核燃まいね」を合言葉にデモをしている。「まいね」は絶対にダメという地元の方言だ。
 

活動は28年間、途絶えたことがない。先月28日のデモの参加者は10人と多くはないが、268回目を数えた。
 

福島第一原発事故後、新たに加わる人もいて、参加メンバーの村松正江さん(65)は手応えを感じている。「車やバスの中からデモを見詰める人が増えた。横断幕を上げてあいさつすると、反応してくれる。あきらめたと思われるのは嫌。仲間とは『続けるしかないね』と話している」
 

一昨年8月からは、青森市内でも毎週金曜日、反原発・核燃を訴えるデモが続けられている。官邸前デモに呼応して始めた「あおもり金曜日行動」だ。こちらは今月4日、100回目を迎えた。50人以上が参加し、「原発いらない、再処理とめよう」と声を上げながら市内を行進した。
 

六ケ所村以外にも青森県内には、原子力関連施設が数多くある。東北電力東通原発(東通村)のほか、建設中の東京電力東通原発、電源開発の大間原発(大間町)、リサイクル燃料貯蔵の使用済み燃料中間貯蔵施設(むつ市)などだ。
 

「金曜日行動」の開始当初から携わってきた自営業の中道雅史さん(58)は「仮に国内の原発が全て止まっても、核燃サイクルが止まるまで運動を続ける」と決意を語る。
 

一昨年8月には、県内約50の団体が集まって「なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク」が発足した。これまで三村申吾県知事に対し、原子力規制委員会の審査内容の把握状況や、原子力防災計画に関する考え方などをただしてきた。
 

川内原発の動きにも注目する。代表者は9日、青森市内の原子力規制委の関連施設を訪れ、再稼働反対という「ネットワーク」の考えを伝えた。新谷進一事務局長は「川内原発の再稼動が全国の原発再稼働につながりかねないためだ」と説明する。
 

だが、原子力関連施設を容認する人が少なくないことも事実だ。最大の理由は、やはり地元に落ちる「原子力マネー」だ。
 

青森県は本年度、ウラン濃縮や使用済み燃料の貯蔵などに対する核燃料物質等取扱税(核燃料税)として約181億円を見込んでいる。法人税の約212億円に迫るほど巨額だ。
 

脱原発弁護団全国連絡会の只野靖事務局長は、原子力施設が立地する地方が、原子力マネーに依存するのは構造的な問題だと指摘する。「7080年代に過疎化の危機感を抱いた自治体が原子力施設を受け入れた。電力事業者は自治体の足元をみるような施策を進めてきた」
 

そんな状況でも屈せず、声を上げ続ける市民の取り組みに、只野氏は賛辞を贈り、自らを鼓舞する。
 

「粘り強い活動に頭が下がる。原発の運転差し止め訴訟も、世論の後押しがあれば裁判所は動く。川内原発では規制委の新基準の審査結果が出たが、あきらめずに活動を続けていきたい」
 


[デスクメモ]
 
2年前、六ケ所村に取材に出かけた。原燃PRセンターの玄関先に、日本原燃広報キャラクターのカエルの人形が立っていた。「ツカッテモ・ツカエルくん」。原発で使用したウラン燃料棒からプルトニウムを取り出し、再利用する。確かに「夢のエネルギー」だ。事故という「悪夢」さえ起きなければ。(文)



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2014717日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014071702000193.html

 

 

 

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