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2014年7月 9日 (水)

気になるニュース 623

 

いちき串木野市長って・・・
引用書き起こし開始。 

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*原発ゼロの夏 「川内」隣接市民過半数が再稼働NO 



原子力規制委員会による新規制基準の審査が終わらず、今夏の原発稼働はゼロとなった。東京電力福島第一原発の事故後の夏では初めてだ。だが、原発再稼働に向けての動きはやまない。優先審査中の九州電力川内原発(鹿児島県)をめぐっては、周辺市のいちき串木野市民の過半数が、再稼働に反対の署名をした。それでも、推進派は耳を傾けようとしない。(白名正和、上田千秋)
 


◆署名1カ月半 過半数「NO」
 

「昨夏、九電は不安をあおったが、川内原発なしで乗り切れた。今年も乗り切れるだろう。市民は電力不足よりも、原発の安全性にこそ不安を感じている」と石神斉也(まさなり)さん(81)は話す。
 

自宅のあるいちき串木野市は、川内原発が立地する薩摩川内市の南にある。原発から市境までは約5.2キロ。そして、「原発の風下に当たる」と言う。
 

鹿児島地方気象台によると、この地域では、17月は主に、南東か東南東方向に風が吹く。つまり、原発事故でいちき串木野市は被害に遭う可能性が大きい。
 

原子力規制委は3月、川内原発の優先審査を決め、危機感を覚えた石神さんらは4月に市民団体を設立し、510日から再稼働反対の署名を市民に求めた。先月24日までに集まった署名は15464人分。市の人口は29995人(5月末現在)で、約1カ月半では過半数に達した。
 

「予想以上の速さ。福島では3年以上たっても作業が進まず、故郷に帰れない。市民の多くが事故への不安を抱いていたようだ」
 

この市民の不安をよそに、原子力規制委の審査は進み、来週にも新基準適合の結果が出る見込みだ。ただ、田中俊一委員長は3月の記者会見で「基準に合っているかどうかだけの判断だ」と発言したように、「最低限の備え」を満たしたにすぎない。
 

5月に関西電力大飯原発の運転差し止めを命じた福島地裁は判決で、新規制基準は不十分だとし、「原発の安全技術および設備の脆弱(ぜいじゃく)性は継続する」とも指摘している。 

にもかかわらず、「安全のお墨付き」ととらえる向きがあり、石神さんらは警戒する。菅義偉官房長官は5月の記者会見で、「規制委が世界で最も厳しい安全基準で審査し、その結果を待って(再稼働)ということだ」と発言した。「ねじまげて解釈している。事故が起きない保証はどこにもないのに」(石神さん)
 

ただ、審査適合後も、地元の同意がなければ、再稼働はできない。石神さんらは先月、いちき串木野市民過半数の署名を田畑誠一市長に提出し、鹿児島県と九電に再稼働反対を申し入れるよう求めた。
 

だが、いちき串木野市は「地元」ではないとされる。国のエネルギー基本計画は「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と定め、川内原発なら立地自治体である鹿児島県と薩摩川内市が「地元」となる。県原子力安全対策課は「署名は報道で知っているがコメントは控える」と話した。
 

石神さんは「いちき串木野市全域が川内原発から30キロ圏内。いわば『準地元』だ。私たちの声も尊重するべきだ」と訴える。「戦時中、海軍にあこがれる軍国少年だった。空襲でおばを亡くしたが『敵を討つ』としか考えず、お国に命をささげる覚悟だった。国策にだまされたと気付いたのは終戦後だ。原発という国策に再び、だまされるわけにはいかない」
 


◆弱者の避難軽視 甘い噴火対策
 

原子力規制委の新基準に適合したとしても、川内原発には課題が多い。
 

鹿児島県の伊藤祐一郎知事は先月、病院の入院患者や福祉施設の入所者ら要援護者の避難計画について、「原発10キロ圏で十分」と発言した。1030キロ圏内は「時間をかけて空想的なものは作れるが、実際には機能しないだろう。作らない」という見解を示した。
 

県原子力安全対策課の担当者は「何も考えていないわけではない。屋内退避を徹底させるなどの措置を取る」と話すが、安全を確保できるか不透明だ。福島第一原発事故では避難計画が不十分で、多くの要援護者が症状を悪化させたり、亡くなったりしている。伊藤知事の発言は、責任の放棄とも受け取れる。
 

また、事故の際、避難対策などのため国や自治体、電力会社の関係者らが集まるオフサイトセンターの整備が遅れている。国が求める放射線測定機器や空気浄化フィルターなど整備の大半は10月に終わるというが、非常用発電機の設置は来年3月にずれ込む見通し。
 

同課の担当者は「仕様などに関して、国との調整に時間がかかった。仮に事故が起きたら電源車を用意するので問題はない」と釈明するものの、今秋に再稼働するとなると、対策が万全とは言い難いままの見切り発車ということになる。
 

これらは、原子力規制委の新規制基準には無関係ではある。だから許されるわけではないが、審査対象の中でも、おざなりの判断で見過ごされようとしている項目がある。同原発周辺にある火山が巨大噴火するリスクへの対応だ。
 

規制委は新規制基準に、各原発から160キロ圏内の火山調査を盛り込んでいる。火山灰の防護措置を講じることなどを電力会社に求め、火砕流が襲う可能性を明確に否定できない時は「立地不適」とする方針を示した。
 

ところが、九電は過去に川内原発の敷地内に火砕流が到達した可能性があることを認めながら、「モニタリングで対応できる」との姿勢を崩さず、規制委も追認している。「(巨大噴火は)数十年前から兆候が出る。その間に原発を停止させ、核燃料は安全な場所に移せばいい」といった主張を繰り返し、先月の株主総会でも、出席者の質問に、「十分に時間はある」と答えた。
 

九電は核燃料の搬出方法や貯蔵場所について何も決めていない。非科学的な主張にも、火山の専門家から異論が相次ぐ。
 

火山学者で元京都大助教授の須藤靖明氏は「噴火の兆候が分かることはあるかもしれないが、小規模で終わるか大規模噴火になるかの判断は今の予知レベルでは不可能。数十年前に兆候を察知することもできない」と主張した。泊(北海道)や玄海(佐賀県)、伊方(愛媛県)の各原発も同様のリスクがあると説く。
 

原発は火力発電などに比べて安価で、電気料金も低く抑えられる─。電力各社が従来、訴えてきたこの理屈も福島原発事故以降、通用しなくなっている。安全対策や事故処理などのコストは膨らむ一方で、九電も4月、川内と玄海両原発の安全対策費が当初の想定から1000億円増え、3000億円を超えるという見通しを明らかにした。
 

立命館大学の大島堅一教授(環境経済学)は「社会全体から見ても、原発は決して安いエネルギーではない」と訴える。「避難の費用など、国や自治体の負担も大きい。原発は電力会社の経営判断だけで動かしていいものではないのに、そうした発想がない。社会が背負うリスクを前提に考えるべきだろう」
 


[デスクメモ]
 
「原発ができる前から住むオイたちが、なんで逃げんといかんのか」。先月、いちき串木野市が避難計画の市民説明会を開いた際、こんな怒りの声が出たという。数日で自宅に戻れるなら、我慢もできるだろう。だが、「二度と戻れない可能性もある」と不都合な真実を説明して、納得できる人はいまい。(文)



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201479日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014070902000156.html

  

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