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2014年7月 8日 (火)

気になるニュース 622

 

信濃毎日新聞の社説は必読。共同通信加盟紙の社説はこちら。
引用書き起こし開始。 

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*集団的自衛権の閣議決定 地元紙は批判が圧倒 



安倍政権が閣議決定した解釈改憲による集団的自衛権の行使容認について、全国紙だけを読めば、賛否が互角のように見える。だが、全国を見渡せば、反対の論陣を張り、痛烈な批判を展開している地元紙がほとんどだ。読者と近い地元紙の姿勢は、国民世論を反映した結果と言えそうだ。(林啓太、篠ケ瀬祐司)
 


「地方は黙してはならない」
 

新潟日報は、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした1日付朝刊の1面で、佐藤明編集局長の署名記事を掲載した。安倍晋三首相や自民党に、地方への説明などの動きが見えないことへの異議申し立てだ。
 

全国の地方会議で解釈改憲に対し、反対や慎重な議論を求める意見書が次々と可決されている。これに、自民党の高村正彦副総裁が、「地方議会も日本人であれば慎重に勉強してほしい」と発言した。佐藤局長は、「慎重に勉強しようにも、時間も与えず決めようとしているのは誰か」「『外交や防衛に地方は口を出さなくていい』ということなのだろうか」と強く反発している。
 

米軍基地を抱える沖縄の琉球新報は、2日付で「日本が『悪魔の島』に」と題した社説を掲げた。
 

ベトナム戦争当時、米軍の爆撃機は沖縄から飛び立ち、沖縄はベトナムの人々から「悪魔の島」と呼ばれた。当時、日本は憲法の歯止めがあったから参戦せずに済んだが、今後は日本中が「悪魔の島」になるとする。「他国からすれば無数の米軍基地が集中する沖縄は標的の一番手だろう。米軍基地が集中する危険性は、これで飛躍的に高まった」
 

東北6県で発行する河北新報(仙台市)は1日付で、鈴木素雄編集局長の「民権無視の横紙破り」と題した署名記事を掲載した。
 

東京・五日市町(現あきる野市)の土蔵で見つかった明治時代の憲法私案「五日市法」は、元仙台藩士の千葉卓三郎が起草した。五日市憲法は、現憲法の人権規定に通じる先見性などが高く評価されている。そこに、憲法の改正には特別会議の招集や両議院の3分の2の議決を要するとの規定がある。「首相は解釈という『主観』を潜り込ませることによって、選手兼審判の座を射止めようとしているように見える。千葉が想定だにしていなかった禁じ手というほかない」と断じた。
 

北海道新聞は、3日付社説で、「安倍政権は『違憲状態』と言わざるを得ない」と厳しく批判した。首相が、憲法65条の「行政権は、内閣に属する」との条文を根拠に、憲法解釈について「(行政府が)適性に解釈していくことは当然だ」と述べたことについて、「憲法99条にある閣僚らの憲法尊重擁護義務を果たすことが前提だ」「首相は(内閣)法制局の意見を聞き入れるどころか『最高責任者は私だ』と一蹴した」と指摘。「憲法尊重擁護のシステムを破壊するもので、法治主義への挑戦と言える」と指弾した。
 

地域の実情に触れつつ解釈改憲への批判を掲げる地元紙もある。
 

九州全県で発行する西日本新聞(福岡市)も、安武秀明東京支社編集長の署名記事(2日付)で、「沖縄や佐世保には米軍基地が存在し、各地の自衛隊は着実に増強されている。まさに国防の最前線だ」と指摘。
 

「万一の場合、戦場で殺し殺される自衛隊員は九州に住む私たちの家族や身近な人たちかもしれない。それは決して絵空事ではない。今回の閣議決定は、そうした覚悟を強いてもいる」とした。
 

被爆地の広島に本社がある中国新聞は社説(2日付)で「被爆地からもっと声を上げたい」と訴えた。「最も心配するのは、集団的自衛権の行使が抑止力になるという安倍首相の姿勢そのものだ。いくら非核三原則を堅持し、核兵器廃絶の先頭に立つと
 

強弁したところで、米国の核抑止力に自国の安全保障を頼る姿勢は何ら変わっていない」

徳島新聞は社説(2日付)で、今は亡き地元選出の政治家に思いを巡らせた。「戦争の恐ろしさを知っていた本県選出の三木武夫元首相や後藤田正晴副総理が生きていたら、(憲法解釈の変更を)認めなかったのではないか」
 

高知新聞は、遠山仁論説委員長の署名記事(2日付)で「憲法はいうまでもなく国の最高法規であり、国務大臣や政治家らに順守義務を課している。その憲法に対し、安倍政権ほど不誠実にみえる政権は戦後あっただろうか」。神戸新聞も社説(2日付)で「歴史の重大な岐路となる問題を、政府、与党は国会で十分に審議せず、主権者の国民に問い掛ける努力もおろそかにしたまま、密室協議中心で事を運んだ。このような暴挙を許すわけにはいかない」と訴えた。
 

地元紙は、それぞれの地域で高い普及率を誇る。新聞、雑誌などの販売部数を調べる社団法人「日本ABC協会」によれば、47都道府県のうち、首都圏や関西圏などを除く37道府県で地元紙が販売部数、普及率のトップを占める。
 

「こちら特報部」が、全国の主な地元紙の社説を調べたところ、42紙中、39紙が集団的自衛権の行使容認に反対だった。
 

閣議決定に賛成の読売、産経両紙を合わせた発行部数と、批判的な朝日、毎日両紙を合わせた部数はともに計約1100万部。全国紙だけを見れば賛否は互角のように見えても、東京新聞(中日新聞)など地元紙を含めれば、反対・慎重の論調が優勢と言える。
 

専修大の藤森研教授(ジャーナリズム論)は、国民との距離の違いを指摘する。「全国紙の記者は当局の話を聞く時間が長く、いつの間にか官僚的な物の見方になってしまいがちだ。一方、地元紙の記者は相対的に読者に近いため、全体状況を客観的に見やすいのではないか」
 

共同通信社が12両日に行った緊急電話世論調査では、憲法解釈変更の閣議決定による集団的自衛権の行使容認に、54.4%が「反対」と答えている。「海外で武力行使をしないとの国是を一内閣の閣議決定で変えるやり方や、解釈改憲で憲法9条の中身を変えることに、国民はいかがなものかと思っている。地元紙はその声を反映している」とみる。藤森氏が憲法記念日前後の各紙社説を調べたところ、「護憲論」「護憲的論憲論」は2005年の約8割から、今年は約9割に増えた。
 

中部大の水野雅夫教授(メディア論)が焦点を当てるのは地元紙の成り立ちだ。「国会開設や憲法制定を求めた自由民権運動や政党新聞に起源を持つ新聞が多い。伝統的に自由を重んじ、反権力の姿勢をとっている。特に今回は憲法にかかわることだったため、より敏感に反応したのではないか」
 


[デスクメモ]
 
外交と防衛は、国の専権事項だという。だが、国のあり方を根本から変えるような政策の大転換について、地方からの意見が届かないというのは、どうしても納得できない。影響は等しく全国民が受けるのだ。永田町のその一部だけで決めていいわけがない。全国から声を上げ続けていかなければならない。(国)



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201478日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014070802000135.html

 

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