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2014年7月 1日 (火)

気になるニュース 616

 

ぜひ紙面で。
引用書き起こし開始 

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【ニュースがわかるAtoZ】 高レベル放射性廃棄物の最終処分 



原子力発電所から出る核のごみは、大量の危険な放射能を含む。国は14年前に地下300メートルより深く埋めて処分することを決めたが、いまだに場所は決まらない。国は処分技術は確立できているとして、国主導で処分場選定を模索するが、10万年も安全に保管できる場所が国内にあるのだろうか。(社会部・清水祐樹)
 


◆埋設処理は?
 

核のごみ処分に関し、日本には地層の「若さ」という大きなハンディキャップがある。処分場に決まったフィンランド南西部のオルキルオトは、19億~18億年前くらいにできた硬く安定した地層にあるのに対し、日本の地層はずっと新しい。軟らかく、水を通しやすいため、深い場所でも地下水が大量に出る。地震や火山活動も活発だ。
 

北海道幌延(ほろのべ)町の地下研究施設で地下350メートルの調査坑道を取材すると、こうした課題が肌で実感される。絶えずわき出る地下水が、コンクリートの壁からしみ出し、床は水たまりだらけ。水没しないようにくみ上げる量は毎日約120トンに上る。坑道の土に触ると軟らかく湿っていた。地下水の塩分が濃く、土にも塩の結晶が含まれている。生物の死骸などが積み重なってできた堆積岩は、爆発の危険があるメタンガスが発生しやすい。
 

国の方針では、原発の使用済み核燃料から出る廃液を、溶けたガラスに混ぜて固める。このガラス固化体を金属製の容器に入れ、その外側を締め固めた粘土で覆い、地中に埋める。「地下は自然環境の影響が少なく、酸素がほとんどないので鉄の腐食も起こりにくい。地下水の流れも非常に遅いため安全」だと強調している。
 

しかし、製造直後のガラス固化体は、人が近づくと20秒で死亡するほど強い放射線を放つ。放射能が天然ウラン並みの比較的安全な水準に下がるまでに数万年はかかるとされる。長い年月の間には、地下水は粘土を通り抜けて金属容器を腐食。塩分が濃いと、腐食がさらに進む恐れもある。放射性物質が水とともに地上や海へと流出することも考えられる。
 

地震などの自然現象の予測も難しい。処分技術を研究する日本原子力研究開発機構の幹部も「想定外の事態はあり得る。超長期の安全性の証明は難しい」と認めている。
 


◆適地探しは?
 

国内には各原発のプールのほか、再処理工場(青森県六ヶ所村)のプールに大量の使用済み核燃料がある。これらを今後処理し、国内外にある分も合わせると、危険なガラス固化体は約25000本にもなる。
 

これらは何とかする必要があるが、日本では、地層問題のほか、処分場探しの主体、やり方にも問題が残る。
 

処分場は、電力会社の出向者らを中心とした原子力発電環境整備機構(NUMO=ニューモ)が探し、運営することになっている。調査を受け入れるだけでも数十億円を渡す札束”方式で、自治体に候補地の公募をしてきたが、1件も応募がない。2007年、高知県東洋町が応募したが住民らの猛反発ですぐに撤回された。
 

東京電力福島第一原発事故後に、「研究者の国会」とも呼ばれる日本学術会議が、最終処分政策を白紙に戻すことを提言した。許容できる核のごみの総量はどれくらいなのか社会的な合意を得ることや、札束の力で自治体に「イエス」と言わせる方式をやめ、核のごみを一定期間ごとに各地に保管させる方式なども提示した。
 

だが、国は従来通りの埋設処分が良いとし、NUMOの改廃を含めた政策の抜本的な見直しも見送った。処分場の候補地選びでは、公募とは逆に、国がここが適地だと示す方針に変わった。政府の中枢部からは、今年早々にも複数の自治体を指名するかのような発言も聞かれたが、今のところ動きはない。なぜここが適地といえるのか、本当に超長期の安全性が保てるのか、明示できるだけの科学的な根拠が乏しいからのようだ。
 

相変わらず「トイレなきマンション」の状況が続くなか、現政権は原発再稼働を急ぐ。今秋にも九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が第一号になりそうな雲行きだが、核のごみという次世代へのツケの問題は何も変わってはいない。
 



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2014
630日 東京新聞朝刊7面より
 

 

 

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