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2014年6月25日 (水)

気になるニュース 612

 

琵琶湖は関西の水がめなのに危機感が薄い…
引用書き起こし開始。 

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*「脱原発」かすむ 滋賀県知事選 選挙戦略、争点回避 



任期満了に伴う滋賀県知事選が26日に告示される。滋賀県は原発が集中する福井県に隣接し、事故が起きれば多大な被害が予想されている。「卒原発」を掲げ、全国に発信してきた嘉田由紀子知事が引退。3新人の争いとみられているが、原発問題は今のところ大きな争点になっていない。いったい、なぜなのか。(白名正和、榊原崇仁)
 


◆原発銀座の福井県お隣なのに 「脱原発」なぜ かすむ
 

「原発が争点として不明になる恐れはある。福島第一原発事故後では、初の滋賀県知事選となる。県民にとっては大事な意思表示の場だ」。嘉田知事は24日の定例会見で、こう強調した。
 

26日告示、713日投開票の知事選には、いずれも新人で元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史(47)、元教諭の坪田五久男(いくお)(55)、元民主党議員の三日月(みかづき)大造(43)の3氏が出馬を表明している。 

嘉田知事は2006年に初当選。10年の再選時には県政史上最多の約42万票を獲得した。12年の衆院選では、計画的に原発をゼロにする「卒原発」を掲げて「日本未来の党」を結成するなど、原発反対の姿勢を貫いてきた。
 

その嘉田知事が事実上の後継指名をしたのが、三日月氏だ。三日月氏は、嘉田知事を支える地域政党「対話の会」などの支援を受ける。ただ、原発反対の考えは、計24ページの政策提案集で17ページ目に登場するだけ。政策の中で、全面的に押し出しているわけではない。その内容も「実効性のある多重の防護体制が実現しない限りは、原発の再稼動には同意できない」と、防護体制次第では再稼働を許容するようにも受け止められる。
 

推薦を受ける連合滋賀には、脱原発には否定的な関西電力労組も入っており、配慮したようにも見える。
 

民主党衆院議員だった三日月氏だが、党派色は出さない戦略だ。保守層も含めた幅広い支持を得たいという狙いがある。脱原発を掲げた細川護煕元首相が破れた東京都知事選の影響もあり、陣営には「脱原発だけでは、選挙は戦えない」という意見もある。
 

自民、公明などの推薦を受ける小鑓氏。立候補を表明した今年3月の時点では「経済発展のために安定した電力供給が必要」と、原発再稼働に前向きの立場だった。現在は政策集で「できるだけ原発依存度を下げていくのは当然のこと」と、脱原発を支持する有権者を意識したようなトーンに変わっている。原発を推進してきた経産省出身だけに、「原発推進派」というレッテル貼りを避けたいとの思いがあるようだ。
 

今月18日に行われた候補者討論会で、小鑓氏は「三日月さんと私の考えはそれほど変わらない」と発言。三日月氏が「明確に違う」と気色ばむ場面もあった。
 

はっきりと脱原発を打ち出しているのは共産の推薦を受ける坪田氏だ。「原発再稼働を許さない。福井の原発は廃炉にする」と主張している。三日月氏が国会議員時代に、原発輸出を可能にする原子力協定調印に賛成したことを批判。今月14日には、関西電力大飯原発の差し止め訴訟で勝訴した原告団長を招いた報告集会を開催して、原発反対の姿勢を印象づけている。ただ、三日月氏との間で、脱原発票が割れる懸念もある。
 


◆「大事だけど一番じゃない」
 

滋賀県は、「原発銀座」といわれるほど原発が集中している福井県と隣接している。最も近い日本原子力発電敦賀原発(敦賀市)から県境までの距離は13キロしかない。
 

ひとたび事故が起これば甚大な影響を受ける。中でも琵琶湖は、飲料水などを供給する関西の「水がめ」として重要で、汚染されれば影響は大きく広がる。
 

滋賀県は、福島第一原発事故後の119月、県独自で行った放射性物質の拡散予測を公表した。原発事故に対する危機感からの自治体としては初めての試み。福島第一原発事故と同様の事故が起きた場合、24時間の甲状腺被ばく線量が100ミリシーベルト以上の高線量地域は、原発から約40キロ圏の長浜市や高島市、琵琶湖北部まで広がるという推計になった。
 

嘉田知事がこうした結果なども踏まえて掲げてきたのが、「被害地元」という考え方だ。原発の再稼動などの同意を得る「地元」は、従来、立地県と立地市町村に限られていた。これを、被害が及ぶ可能性のある広い範囲の自治体にも認めてほしいという要求だ。
 

12年の大飯原発の再稼動問題では、政府が事前了解を得る「地元」に滋賀県を含めるよう要求。関電など電力各社に対しては、運転再開時の事前協議などを盛り込んだ立地県並みの原子力安全協定の締結を求めた。 

ただ、大飯原発をめぐっては電力不足の責任を押しつけようとする政府に押し切られ、再稼働を許してしまった。安全協定も昨年4月に結んだが、立地県並みとはいかず、トラブル時の連絡や安全確保の現地確認などを認めさせただけだ。
 

とはいえ「被害地元」に近い考え方は他県でも見られるようになった。
 

電源開発が建設中の大間原発(青森県大間町)から23キロの距離にある北海道函館市は4月、同社や国に建設中止や原子炉設置許可の無効確認を求める訴訟を起こした。「市が同意するまで建設を止めるべきだ」と訴えており、工藤寿樹市長は「危険だけ負って発言権もなく、理不尽だ」と憤った。
 

滋賀県の有権者は、どう考えるのか。
 

大津市の琵琶湖畔の木陰で休んでいた買い物帰りの男性(79)は「事故が起きれば琵琶湖が大変なことになるのは分かる。でも医療とか介護とか、他の問題もある。原発問題は大事だけど、一番じゃない」と話す。
 

クリーニング店を営む男性(77)は「原発問題は大事だとは思うが、原発に賛成か反対か、判断基準が分からない。事故が怖いから今すぐやめろ、とまでは言えない。じゃあどうすれば良いか対策が分からない」。
 

バーを経営する男性(35)は、率直に言う。「僕らは震災の影響が少なかった。事故から3年以上がたち、ちょっとした過去の出来事になっているのかもしれない」
 

脱原発を訴える市民グループ「さいなら原発びわこネットワーク」の稲村守事務局長は「原発に慎重姿勢の候補ですら新幹線駅や集団的自衛権まで手を広げて選挙戦に臨もうとしている。原発問題が薄まってしまい、私たちから見ると歯がゆい面がある」。市民団体「脱原発・滋賀☆アクション」の峯本敦子代表は「福井の原発で事故が起きたら、私たちはすぐに逃げなければならない立場だ。県民は潜在的な恐怖感を抱いているが、震災と原発事故という危険性を実感できていないのでは。原発の議論がもっと深まってほしい」と話した。
 


[デスクメモ]
 
もちろん、「脱原発」だけを争点にすべきだと言っているわけではない。景気や医療、介護などさまざまな課題があるのも分かる。だけど、原発事故から3年余で、こんなに風化してよいのか。世論調査では、今でも「脱原発」派が多数だ。それが選挙には反映されない。このジレンマを乗り越えたい。(国)



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2014625日 東京新聞:こちら特報 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062502000163.html

 

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