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2014年6月24日 (火)

気になるニュース 610

 

隣国での原発事故でも影響あるのか・・・
引用書き起こし開始。 

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*韓国も脱原発の機運 フェリー沈没で広がる安全不信 



韓国社会に衝撃を与えた4月のフェリー沈没事故は、事故とは関係ない分野にまで安全不信を広げている。その代表格が原発だ。老朽化原発の廃炉を求める声は急速に高まっている。日本にとっても対岸の火事ではない。韓国で原発の大事故が発生すれば、甚大な被害を受けるからだ。日韓が手を携えて脱原発を目指したいところだが、両政府とも原発推進の姿勢を崩さない。(篠ケ瀬祐司、白名正和)
 



◆老朽化原発「廃炉を」 運転トラブル・隠ぺい 後絶たず
 

今月9日、韓国東部の蔚珍(ウルチン)にあるハンウル原発(旧蔚珍原発)1号機が発電を停止した。原子炉の制御棒1本が落下したためだ。
 

韓国内で原発が故障などで止まったのは今年4件目。原発運営会社の韓国水力原子力は「放射能の漏出はない。手動で停止し、発電所の安全は維持されている」と説明するが、23日現在、運転は再開されていない。
 

韓国では416日、300人以上の死者・行方不明者を出した「セウォル号」沈没事故が発生。その直後にも、ソウルの地下鉄で衝突事故が起き、政府や運行事業者への国民の怒りが沸騰している。交通機関システムの見直しが叫ばれる中、同じく安全第一の原発に注がれる視線も厳しくなった。
 

今月2日、有識者や市民団体代表ら56人が南部・釜山郊外の古里(コリ)原発1号機の即時閉鎖を要求する宣言文を発表した。参加した市民団体「環境運動連合」の担当者は「老朽化原発の廃止を求め、これほど多くの学会元老や市民団体が集まったのは初めてだ」と驚く。
 

古里1号機は韓国で最も老朽化した原発だ。同国初の商業用原発として1978年に運転を開始した。30年の設計寿命後も10年間の延長運転中だが、201311月には、定期検査明けの運転再開直後にトラブルで運転を停止した。市民団体のまとめによれば、これまで130回もの事故を起こしている。
 

現在、韓国で運転中の原発は23基。古里1号機のほか、東部の月城(ウォルソン)原発1号機が既に設計寿命を超えた。韓国紙・ソウル新聞によれば、さらに10基が30年までに3040年の設計寿命を迎える。セウォル号が約20年前に建造された老朽船だったことも、老朽化原発への不安を増長している。
 

問題は事故や老朽化だけではない。
 

古里1号機では122月、定期点検中に全電源を喪失する大事故を起こしながらも約1カ月間、国の原子力安全委員会に報告を怠った。原発への不良部品納入問題も発覚。新型の加圧水型軽水炉で、韓国政府が「韓国型の新原発」と宣伝してきた南東部・蔚山(ウルサン)の新古里(シンコリ)原発34号機(建設中)にも、性能が劣る信号伝達用制御ケーブルが納入されていた。
 

韓国水力原子力は「古里1号機の事故の6割以上は、原発運用技術が不足していた最初の10年間に起きた。08年以降は3件だけだ」と反論するが、釜山の市民団体「エネルギー正義行動」のチョン・スヒ氏は「納得できる説明ではない」と批判する。
 

「セウォル号の事故で感じたのは、国家が市民の安全を守ってくれないということだ。古里1号機は約350万人が暮らす釜山の中心部から30キロほどしか離れていない。老朽原発閉鎖の風を起こしたい」
 


◆手を携えゼロ目指せ
 

韓国国民が不安や不信を募らせる一方で、朴槿恵(パククネ)政権は原発新増設路線を維持する。
 

今年1月に閣議決定された第2次国家エネルギー基本計画では、2035年までに、電力供給に占める原発の比率を現在の約26%から29%に引き上げる。そのまま実行すれば、出力100万から150万キロワット級の原発が57基新増設される。
 

背景には深刻な電力部不足がある。
 

119月、電力需給の急増に対応できずに供給を強制的に中断した結果、全国212万世帯が停電した。13年夏には、制御ケーブルの性能証明書ねつ造事件などを受けて6基の原発が停止。大口需要者に節電を義務付けるなどの強制措置でしのいだ。 

日本の社団法人「海外電力調査会」の中川雅之上席研究員は「安価な電気での冷暖房が多く、需要ピークが夏冬の2回くる。日本のように休眠火力発電所がほとんどなく、潜在的な予備電力も極めて小さい。原発肯定派は、二酸化炭素(CO2)排出量削減の必要性を強調している」と韓国の電力事情を解説する。
 

原発を輸出産業と位置付けている点も推進の理由だ。
 

朴大統領は519日にセウォル号沈没事故に関し、涙を見せながら国民向けの談話を発表した。直後に向かったのは「韓国型原発」の竣工(しゅんこう)式があったアラブ首長国連邦(UAE)だった。トルコへの輸出では日本と中国、カナダと受注を競い合った。

古里1号機閉鎖の宣言文に参加したソウル大の安京煥(アンギョンファン)名誉教授は「人権の根源は安全と平和だ。安全を脅かしかねない新規原発を抑制し、既存の原発は閉鎖すべきだ。原発輸出にも反対だ。(事故による)被害者が韓国人か外国人かという話だからだ」と警鐘を鳴らす。

日本も隣国の原発に無関心ではいられないはずだ。
 

韓国の原発事情に詳しい朴勝俊・関西学院大教授(環境経済学)は、古里1号機で旧ソ連・チェルノブイリ事故(1986年)並みの大事故が発生した場合、日本国内で50年以内にがんで死亡する人数を試算した。

具体的には、被ばく量とがん死者数の関係は国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき、放射性物質が秒速2メートルの風に乗って細い扇状に拡散する事態を想定。南南東の福岡市や熊本市方向に広がったときは、死者は九州地方で84千人。京都市や名古屋市、東京都方面へ拡散すれば関西、中部、関東地方で13万人が亡くなる。朴教授は「風がどう吹くかは分からないが、肝心なのは韓国で大事故が起きれば、日本にも多大な影響が出かねないことだ」と指摘する。
 

実際、韓国と距離が近い九州には、危機感を抱いている人たちが少なくない。

九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)に反対する市民団体「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表は「九州は韓国に近く、事故が起きたら影響は大きい」と心配する。だが、活動範囲を韓国にまで広げる余裕はない。「精力的に動けるメンバーは数人で、玄海の再稼働反対の声を上げるので精いっぱいだ」
 

なるほど安倍政権は原発の再稼動や輸出を推し進める。福島事故の教訓などどこ吹く風では隣国の原発に口を出せるはずもない。朴教授は「日本は脱原発にかじを切るべきだ」と訴える。
 

「福島事故が起きた時点で脱原発へと政策を転換し、外国でも二度と事故が起きないよう世界に発信すべきだった。ところが、安倍政権は全く逆方向に進んでいる」
 


[デスクメモ]
 
日本が輸出しなければならないのは原発でも武器でもない。日本のものづくりの技術は、例えば、再生可能エネルギー分野に生かされてこその国際貢献である。ソフト面では、アニメやゲームも結構だが、何と言っても憲法9条だ。集団的自衛権なんて物騒な考えを振り回せば、世界の至る所で居場所を失う。(圭)



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2014624日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062402000165.html

 

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