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2014年6月21日 (土)

気になるニュース 607

 

誰にも止められないのか?・・・

引用書き起こし開始。 

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*まやかしの集団的自衛権議論 結局、憲法9条空文化 



砂川事件判決、邦人輸送の米艦防護、1972年の政府見解、そして集団安全保障…。集団的自衛権をめぐる与党の論点は、めまぐるしく変遷してきた。行使を「限定」するかのように見えるが、国民を欺く議論でしかない。どう言いつくろっても、憲法9条を空文化し、海外で戦争のできる国にすることに変わりはない。(上田千秋、荒井六貴)
 


◆砂川判決→政府見解→私案… 論拠 猫の目
 

「湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」
 

菅義偉官房長官は20日の記者会見で、これまでの政府の見解を繰り返した。
 

自民党は同日開かれた公明党との集団的自衛権の行使容認に関する与党協議で、集団安全保障に基づく国連の武力行使に参加可能とすることを提案。停戦前の機雷掃海を例として挙げ、「相手を積極的にたたきつぶす戦闘行為とは本質的に違う」と強調した。実際に武力を使うわけではないから問題はないと言いたかったようだが、一度ハードルを越えてしまえば、際限なく広がる危険性は高い。
 

こうしたまやかしのような議論やごまかしは、今回に始まったわけではない。
 

最初は今年3月。集団的自衛権の行使容認の本格的な議論が出てきた当初は自民党内にも慎重論が多く、そうした声を抑えるために利用したのが、1959年に最高裁が出した砂川事件の判決だった。
 

在日米軍の合憲性が争われたこの裁判で、最高裁は「わが国の存立を全うするために必要な自衛の措置を取ることは、国家として当然」との憲法解釈を提示。同党の高村正彦副総裁は党の会合でこの解釈を紹介し、「最高裁は個別的・集団的自衛権を区別していない。(集団的自衛権の行使は)劇的な解釈改憲ではない」などと強調した。
 

ところが、公明党から「砂川事件の判決は個別的自衛権を認めたもの。集団的自衛権を視野に入れて出されたと思っていない」(山口那津男代表)という至極当然な指摘をされると、次に持ち出したのは1972年の政府見解だった。
 

政府見解は、日本が自衛権を行使できる要件として①国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される急迫、不正の事態があること②必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと─を挙げる一方で、「わが国に対する場合に限られるのであって、集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と明確に結論付けていた。
 

しかし高村氏はここでも解釈をねじ曲げ、今月13日に発表した「武力行使の3要件」の私案では、①の「根底から覆される急迫、不正の事態」の部分を切り貼りして「覆されるおそれがあること」として、行使を可能とした。閣議決定の文案概要にも、「他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から脅かされるおそれがある場合」と記された。
 

公営党は「おそれ」という表現に「時の政権がいくらでも拡大解釈できる」と反発している。仮に「おそれ」を「事態」としたとしても、これだけ文言があいまいだと、時の政権の裁量でどんな判断も可能になってしまう。
 


◆母子イラスト…想定空虚
 

まやかしの議論をしているのは安倍首相も同じだ。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が報告書を出した515日、会見に臨んだ安倍首相は集団的自衛権を行使する例として、在留邦人が米艦艇に救助されるケースを紹介した。不安そうな表情の母子のイラストを使って国民の情に訴えかけたが、有事の際は自衛隊の輸送機や輸送艦が出動すると考えられ、米艦艇に日本人が救出されることは考えにくい。
 

政府・自民党は、集団的自衛権の行使容認などに関して検討する15事例を示していた。法人を輸送する米艦防護に加え、米国に向けわが国上空を横切る弾道ミサイルの迎撃、武力攻撃を受けている米艦の防護などが列挙された。これについての具体的な議論も、結局、うやむやになりそうな雲行きだ。
 

問題はそれだけにとどまらない。集団的自衛権を行使する際、政府は国会の承認を義務付ける。事前の議論が当然なのに、政府が「緊急の必要性がある」と判断した場合は事後でも可能にする方向で調整が進んでいる。
 

事後承認は個別的自衛権の行使で認められているが、これは、国会の承認を待っているうちに相手国の攻撃が激化して国家が重大な危機に陥ってしまう可能性があるためだ。他国の防衛のために出動する集団的自衛権にそれほどの緊急性はなく、事後承認を正当化する理由は見当たらない。
 


◆まるで「介錯」改憲   水島朝穂 早稲田大教授 

集団的自衛権の行使容認をめぐる与党の議論について、早稲田大の水島朝穂(あさほ)教授(憲法学)に聞いた。 

 

論点を次々と変えて、憲法の首を落としていくという意味で、まるで「介錯」改憲だ。
 

国民を説得するには緻密な論理が必要なのに、情緒的にしか説明できていない。象徴的なのが、安倍首相が、記者会見で示した乳児を抱く母や高齢者を描いたイラストだ。自国民の退避は原則として、自国政府が責任を持つ。米国も米国人を助けることに集中する。米国の軍艦に乗船すれば、標的にもされる。日本人の母子は有事の際に米艦船に乗ることはない。理屈の無さを攻められ、墓穴を掘っている印象だ。
 

自民党は、安倍首相が否定していたはずの国連の集団安全保障に基づく武力行使も参加可能にすべきだという提案をした。
 

もともと、集団的自衛権の行使を認めておいて、集団的安全保障に基づく武力行使を禁じるのは、整合性がなかった。安倍首相も自民党も、集団的自衛権をよく理解していなかったのではないか。
 

そもそも、日本国憲法と集団的自衛権を両立させようとするのが無理だ。
 

自民党の高村副総裁は、行使に当たり「(自衛隊員が)戦争に巻き込まれる心配はある一方で、経済的なことを含め、国民の幸福追求の権利が守られる。その比較衡量は、政治の責任者が判断すべきことだ」と発言している。つまり、行使の判断は、国民経済と自衛隊員の命をてんびんにかけるということだ。
 

経済的利益を確保するために、自衛隊員が命を失うようなやり方で、幸福を追求するようなことは憲法は認めていない。かつて国民の利益、幸福を追求するという名目で、戦争に突入した。憲法は、その反省にも立つ。日本が豊かになるため、他国の人たちを傷つけてよいのか。
 

石橋華湛山元首相は「軍備の拡張で国力を消耗するような考えは、国を滅ぼす」と警鐘を鳴らしていた。安倍首相は、安全保障環境が変わったと言うが、抑止力を強調することで、中国に軍備拡張の口実を与えている。
 

安倍首相や自民党の理屈がない議論にとらわれずに、「守るべきものは何か」という根本的な議論こそ必要だ。
 


[デスクメモ]
 
ついに正体を現したのか。自民党は集団安全保障の武力行使に自衛隊が参加可能とすることを持ち出した。これを認めれば、もはや海外での武力行使は無制限に広がる可能性がある。解釈改憲どころか9条の削除に等しいのではないか。こんなことが、まかり通れば、もはや法治国家とは言えない。(国)



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2014621日 東京新聞:特報 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014062102000144.html

 

 

 

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