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2014年6月15日 (日)

気になるニュース 599

 

悠長だな・・・
引用書き起こし開始。 

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*検討していないのに、因果関係なしで「見解一致」の怪 福島県民健康調査 



「検討委員会では『いま見つかる甲状腺がんは福島原発事故の影響と考えにくい』が一致した見解」。福島県の県民健康調査の実施主体である県立医科大はそう発表してきた。ところが、検討委内部の専門部会長が「因果関係は詳しく検討していない」と異議をとなえた。最近の会合では、県医大の拙速な判断に対し、委員から批判が噴出している。結論ありきのように映った従来の流れは変わるのか。(榊原崇仁)
 



◆最近の県民健康調査検討委員会や専門部会で示された福島原発事故と甲状腺がんの因果関係に関する見解
 

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◆県民健康調査 変化の兆し
 

「検討委で議論は深くやっていない。データもない。因果関係を調べるために何が必要かというところから始めないといけない」
 

今月10日の専門部会後の記者会見で、部会長を務める日本医科大の清水一雄名誉教授はそう述べた。
 

この調査の一環で、県医大が行う子どもたちの甲状腺検査では、これまでに甲状腺がんが50人に見つかった。疑いは39人に上る。この結果をどう評価するかを考えるのが検討委員会で、内容をより詳しく議論するのが専門部会だ。
 

検討委や専門部会で県医大は従来、「いま見つかるがんは事故の影響と考えにくい」と説明してきた。
 

主な理由は、福島の被ばく線量は「健康影響が確認される100ミリシーベルト超」を下回る・甲状腺がんは非常にゆっくり育つことを考えると、いま見つかる分はかなり前にできた・チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんが増加したのは、事故発生から4年後─などだ。
 

県医大はホームページで「『事故の影響は考えにくい』は検討委員会でも検討され、一致した見解となっている」と記してきた。
 

しかし、今年に入り、検討委や部会では県医大の判断に異論が相次いでいる。さらに情報公開の不十分さにも不満が募っている。
 

福島大の清水修二特任教授は5月の検討委で「100ミリシーベルト以下は問題なし」に疑問を示した。国立がん研究センターの津金昌一郎氏も被ばく線量別にがんの発症状況を調べ、因果関係を評価すべきだと説いた。
 

被ばくのデータが乏しいという問題もある。県医大は被災者の行動記録から事故後4カ月の線量を推計しており、最大で66ミリシーベルトだった。ただ、回答率は25.9%。双葉郡医師会の井坂晶顧問は「6割ないと満足できない」と指摘する。
 

さらに県医大が推計するのは外部被ばく線量だ。甲状腺がんを引き起こすのは放射性ヨウ素による内部被ばくのため、弘前大の床次真司教授は放射性ヨウ素の線量を使うよう求めた。
 

3月の部会で「いまの検査では因果関係は評価できない」と発言した東京大の渋谷健司教授も厳しい。環境省は甲状腺がんの発生頻度の比較のため、青森、山梨、長崎の3県で甲状腺検査をした。しかし、渋谷教授は福島の対象が40万人弱に対し、3県の検査は5000人弱のため、「福島とサンプルが違い、偏っている可能性がある」と語る。 

清水部会長は「いま見つかるがんでも、小さいものは事故の影響か否か、判断が難しい」と話す。県医大はがんのサイズや転移の詳細を明かしていない。
 

部会長は今月10日の部会で、チェルノブイリ原発事故の知見についても「本当に、がんが増えたのは4年後だったのか。既成概念を持っては冷静に判断できない」と疑義をとなえた。
 

検討委は非公開の場で議論する「秘密会」が発覚したことを受け、昨年5月、委員を入れ替えた。半年後に専門部会もスタート。県医大の拙速な判断に異を唱えるのは、こうした新加入の専門家たちが中心だ。
 

検討委座長の星北斗県医師会常任理事は、検討委後の会見でほぼ毎回、因果関係について「考えにくい」と答えている。これが検討委の見解のように報道されてきたが、清水部会長は10日の会見で「星先生の個人の意見」と述べた。
 

そもそも「考えにくい」で見解を一致しようにも、十分に議論の時間が確保できていないのが現状だ。
 


◆議題に上がらず なぜ「見解一致」
 

検討委も部会も3カ月前後に1回のペースで、123時間ほど。県医大や県が検査を終えた数やがんの数などを報告するにとどまり、多くの時間が詳細確認に割かれている。
 

因果関係は議題にも上がっておらず、県医大が質問の回答時に時折「因果関係は考えにくい」と答える程度だ。こんな状況で、なぜ県医大は幻の「見解一致」まで持ち出し、「因果関係は考えにくい」という自らの見方を押し出すのか。
 

検査の当初計画をひもとくと、「現段階で放射線由来のがんが見つかるはずがない」という結論が調査前からあり、いまもそこにこだわっているようだ。
 

「こちら特報部」が情報公開した文書によると、20115月段階の計画では、甲状腺検査は14年、つまり今年から始める予定だったことが分かる。
 

6月段階の計画では、被ばくから45年後にがんが増えるというチェルノブイリ原発事故の知見を挙げつつ、「早期発見に役立てるため、14年から検査する」とある。つまり「早く見つかるにしても14年」という判断があった。 

検査の実施を前倒ししたのは、この判断を見直したからではないようだ。
 

6月段階の計画書の添付資料には「『小佐古氏』が小児甲状腺がんの検査を熱望、との記事もあり、世論は検査に動くか それならば前もって検査するか」とある。 

「小佐古氏」とは114月末に政府の対応を批判して、内閣官房参与を辞任した東京大の小佐古敏荘(としそう)教授のことだ。
 

この時期の議論をまとめた資料によると、「甲状腺検査は3年後でいいが、まったくやらないわけにもいかない」という見解が記されている。社会的に影響力のある人物の予期せぬ反応と、世論を気にして検査を早めたということが真相のように見える。
 

とはいえ「結論ありき」の姿勢は崩さない。県医大は現在に至るまで、チェルノブイリ事故を引合いに出しては「現地でがんが増えたのは4年後」「福島の方が被ばく線量は低い」と繰り返している。
 

県医大と専門家の見解の相違という事態を踏まえてか、検討委の星座長は5月の会見で「因果関係の解明は検討委の第一のミッション(使命)ではない」と述べた。一方、がんが見つかっても医療面の支援が十分ではない現状を踏まえ、「健康影響があるかもしれないと思う人に解決策を示すべきだ」と説いた。
 

被災者を支援する国際環境団体「FoE Japan」の満田夏花理事は「子どもの健康を考えれば、星氏の発言はある面では正しい」と理解を示す。
 

とはいえ、情報公開文書によると、国の担当者は事故直後、「補償は(事故とがんの)因果関係が明らかになった範囲で行うべきだ」と述べていた。逆に読めば、因果関係の議論を避ければ、補償はうやむやになりかねないことになる。
 

満田理事もこう語る。
 

「事故の責任に関する問題も健康影響と結びつく。因果関係の議論が重要であることには変わりはない」
 


[デスクメモ]
 
フクシマの真相はまだやみの中だ。初期被ばくもそうだが、吉田調書もまたしかり。解釈改憲で「国民の安全」を連呼する政権は、自衛官の命にすらほぼ言及しない。なのに国民の安全と直結する原発では、非公開の約束がどうの程度で調書の公開を拒む。要は自らの利益優先、ただのご都合主義ではないか。(牧)



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2014615日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014061502000150.html

 

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