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2014年4月30日 (水)

気になるニュース 551

200人から3人に減っても反対運動を続ける・・・そんな根性が自分にあるだろうか・・・
引用書き起こし開始。

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*推進一色に変化の兆し 函館市の原発反対訴訟に揺れる大間




電源開発(Jパワー)が建設を進める大間原発の地元・青森県大間町に動揺が広がっている。津軽海峡を挟んで対岸の北海道函館市が、建設差し止め訴訟を起こしたからだ。推進の立場を維持する町民の多くは反発するが、函館とは経済的なつながりが強いだけに、町や経済界は複雑な心境ものぞかせる。数少ない脱原発派は、頼もしい援軍の登場に勢いづく。現地を歩いた。(荒井六貴)



【函館市の大間原発反対訴訟】

北海道函館市が43日、大間原発の原子炉設置を許可した国と事業者のJパワーを相手取り、建設の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こした。第1回口頭弁論は73日。自治体による原発差し止め訴訟は初めて。函館市の一部は、原発事故に備えた避難の準備などが必要な30キロ圏内の防災対策の重点地域(UPZ)に入るが、建設同意手続きなどの対象外。訴訟費用を賄うための寄付金は約1700万円に達した。



◆生活、経済を函館に依存 町や経済界複雑


大間町の函館行きのフェリー乗り場。津軽海峡の先には、北海道側の山並みがくっきりと浮かぶ。函館とは最短距離で約
20キロ。朝一番の午前7時の便に乗り込んだ。

海産物の仕入れに向かう大間町の土産店経営の女性(
62)は、函館の提訴について「函館は、大間原発の前に、北海道の泊原発を責めたらどうだ。夫はマグロ漁師だけど、マグロだけでやっていけない。孫も原発で働いている」と憤る。函館の病院に通院中の無職女性(85)は「原発はおっかないけど、仕事がなくなったら、困んでねえの」と不安げだった。

大間と函館は一つの生活・経済圏を形成している。「函館市大間町」(大間町職員)と呼ばれるほどだ。函館に行くにはフェリーで約
1時間半だが、青森市は車で3時間もかかる。大間からすれば、仲間に裏切られたというわけだ。

町の中でも批判的な声が多かった。原発作業員が宿泊する旅館を経営する女性(
62)は「函館も、原発の金がほしいだけなのではないか。大間には、マグロ以外に観光資源がない。大間の窮状も分かってほしい」といら立ちを隠さない。

大間原発は今年
11月に稼働する予定だったが、福島原発事故後に「未定」となった。函館の提訴後も建設は続いているが、先行きが一層不透明になったことには違いない。

原発マネー頼みの町財政は岐路に立たされている。町は当初、原発の稼働で約数百億円の固定資産税収入を見込み、消防署や防災無線の整備に充てることなどを計画していたが、福島事故で頓挫した。一般会計予算の規模が約
40億円の町にとっては大きな痛手だ。

原発の建設現場で働く作業員約
700人のうち、4分の1ほどを町民が占める。原発計画がつぶれれば、雇用の柱が失われる。

しかし、町や経済界は函館との摩擦は避けたい。赤字のフェリー航路の維持や観光客の呼び込み、函館のイベントでの特産品販売…。函館に経済面で依存してきた経緯があるからだ。


原発誘致を主導してきた大間町商工会の和田昭博事務局長は「早く原発を稼働させてほしいが、函館との関係は今まで通りの形でいきたい。提訴については何も言うことはできない」と困惑気味だ。町の原発担当者も「函館とのフェリーは生活に欠かせない。函館との経済交流は続けていきたい」と強調する。



◆一人一人できることを 脱原発派 巻き返し意欲


函館市の提訴は、原発推進一色に見える町の雰囲気を少しずつではあるが変えつつある。


反対派の町民らでつくる「大間原発に反対する会」代表の佐藤亮一さん(
78)は「大間とのつながりが深い函館が、刺激を与えてくれた意味は大きい。勇気づけられる」と歓迎する。

町民の会員は現在、佐藤さんを含む
3人だけだ。町議会が1984年に原発誘致を決議したころは、前身の反対団体に200人ほどが参加していたが、高齢化や、推進派の切り崩しで衰退していった。佐藤さんは「われわれも廃止に向けて運動を盛り上げていきたい」と脱原発派の立て直しに意欲を示す。

大間漁協内で反対を唱えてきた漁師の近江松夫さん(
70)も「函館を応援したい。大間ができないことをやってくれた」とエールを送る。

人口約
5900人の町は、マグロやウニ、タコ、コンブなどの漁業が基幹産業だ。700人超の組合員を擁する大間漁協内で反対の声が強まれば、脱原発運動は一気に盛り上がる。「おれらも、黙っては、おられん。漁協を動かそうとも考えている。原発ができれば、温排水で海の姿が変わるかもしれない。海産物の風評被害も心配だ。町民みんなが、原発に賛成していると言われるのは、頭にくる」(近江さん)

大間で原発反対と言えば、「あさこはうす」だ。大型クレーンが横付けされる原子炉建屋から約
250メートル先の民家である。住人の小笠原厚子さん(59)は「対岸の函館が頑張っているから、近くの自分も頑張らなきゃ。ほかの自治体も『よし、おらたちも』と思ってほしい」と力を込める。

原発の用地買収に応じなかった母親の故・熊谷あさ子さんが
2005年、材料を運び込んで建てた。コンブ漁などもしていたあさ子さんは、地元で無視されたり、土地を手放すよう脅されたりもしたが、「豊かな海を守る」との信念は崩れなかった。

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階に約14畳のリビング兼キッチン、2階に4畳半の寝室がある。電気は太陽光や風力で賄う。「水は2年前ぐらいに、地下水が取れなくなって困っていたが、全国の人がミネラルウォーターを送ってくれる」(小笠原さん)。約1ヘクタールの敷地は、原発のフェンスに取り囲まれ、警備員から監視されている。

福島原発事故、函館の提訴と続き、「あさこはうす」に注がれる町民の視線もほぐれてきた。最近は、「厚子、がんばれ」 「やっぱり原発はあぶないな」と声を掛けられる。


小笠原さんは「反対を言いにくい状況はまだ続いているが、大間は原発に頼らなくてもやっていける。おいしい空気と、世界一のマグロのブランドがある。推進派も目を覚ましてほしい」と説いた上で、大間原発反対を重ねて訴える。


「米国やフランスからも、『あさこはうす』に手紙を送ってきてくれる。大間を止めることによって世界に影響を与えられる。それが大間の新たなブランドになる。一人一人が、できることをやっていけばいい。提訴でも、署名でも、デモでもいい。私のできることはここで生活し、『あさこはうす』を守ること」



[
デスクメモ]
「あさこはうす」の小笠原厚子さんは「手紙を送ってください」と呼び掛けている。郵便物があれば、配達の人がやってくる。人が暮らしている証しとなる。電力会社が通り道を封鎖しにくくなる。年賀状の余りなどがあれば、〒039 4602 青森県下北郡大間町字小奥戸396 「あさこはうす」へ。(圭)




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2014
430日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014043002000145.html

 

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