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2014年4月28日 (月)

気になるニュース 549

 

蒜山ジャージーブランドも真庭だっけ・・・
引用書き起こし開始。 

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*バイオマス発電で過疎地再生 岡山真庭市の試み 



福島原発事故以降、原子力や化石燃料に代わるエネルギーとして、木材などを利用したバイオマス(生物資源)発電が注目を集めている。燃料の安定供給が難しいため、普及はまだ進んでいないが、10年以上前に取り組みを始め、着々と事業を拡大している地域がある。中国山地の中央部に広がる岡山県真庭市だ。エネルギーの自給自足とともに雇用創出にも挑む過疎地の現場を訪ねた。(上田千秋)
 



◆過疎地で新エネ拡大
 

「真庭は林業の町。製材の際に出る端材や木くず、間伐材などを有効活用できないかと考えた」。真庭市バイオマス政策課の長尾卓洋課長はそう説明した。
 

岡山市から北へ約50キロに位置する真庭市は、20053月に久世町や勝山町など9町村が合併して誕生した。
 

過疎化に悩んでいる。合併時には約54000人だった人口は、約49000人にまで減少した。65歳以上の高齢化率は全国平均(25.1%)、県平均(27.1%)を大きく上回る35.1%に達している。
 

県内市町村で最も広い同市の79%が森林で、その面積は653平方キロメートル。市内には約30の製材業者がいるほか、10を超える林業者が原木の切り出し作業を担っている。
 

同市で端材や間伐材などを使ったバイオマス発電が本格的に始まったのは、1998年。住宅用建材で知られる製材会社「銘建工業」が約10億円をかけ、本社の敷地内に出力1950キロワットのバイオマス発電施設を建設した。
 

自社で使う電力はほぼ賄える上、夜間の余剰電力は中国電力に売っている。電気代は年間約1億円少なくなり、売電で5000万円ほどの利益が出るという。約3000万円の維持費を差し引いても、約12000万円のプラスになっている。
 

同社が他の製材会社や市などと共同出資した発電会社「真庭バイオマス発電」は現在、市内に一般家庭22000軒分に相当する1万キロワットの発電能力を備えた発電所を建設している。
 

来春にも稼働する予定だが、電気はPPS(特定規模電気事業者)に売却する方向で検討している。
 

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、20年間は1キロワット時あたり34.5円~25.9円の高値で売れ、3年目には黒字化が見込めるという。
 

利益は山の活性化のために投じられる。「燃料の需要を増やせば、それを山から運ぶために多くの人間が必要になる。頻繁に山に入ることで、森林の保全にもつながる。山で得たものは山に還元する。ここで成功のモデルを提示し、全国に広がっていけばと思っている」(同社総務部)
 

市もバイオマスには積極的だ。木くずを圧縮した筒状のペレットを燃料としたボイラーなどを公共施設に導入。市庁舎や一部の小中学校の冷暖房、温浴施設の熱源に充てている。市内のエネルギー自給率は11.6%。全国市町村の平均4.4%を大きく上回る。
 

同市は06年に農林水産省などから「バイオマスタウン」に指定され、今年3月には「バイオマス産業都市」に選定された。
 

長尾課長は「雇用創出効果も大きく、市民が地元を誇りに思う気持ちも生まれた」と胸を張る。
 


◆売電益で山も活性化
 

真庭市がバイオマス発電に取り組むようになったきっかけは1990年代前半に、岡山市まで高速道路でつながる計画が明らかになったことだ。
 

道路ができれば便利になると思われがちだが、地元は逆の受け止め方をした。当時、久世町職員だった仁枝(にえだ)章さん(67)は「これといった観光名所もなく、集客力に乏しい。むしろ人がどんどん出ていってしまうストロー効果の方が大きいと考えた」と振り返る。
 

危機感を覚えた仁枝さんは93年、地元の3040代の若手経営者らとともに「21世紀の真庭塾」を設立。あくまで一住民の立場で、東京のシンクタンクや企業、国など各方面から講師を招き、生き残りのために何が必要かを模索する勉強会を続けた。そこで出た答えが、バイオマスを利用した産業振興だった。
 

前出の銘建工業は発電施設を設置し、別の製材会社は木片を混ぜたコンクリートを製品化するなどした。
 

発電では当初、中国電力が提示した電気の買い取り価格が低く採算が取れなかったが、03年に再生可能エネルギーの導入を電力会社に義務付けるRPS法が施行されると一気に価格が上がり、軌道に乗った。
 

事業の展開は林業の再生にもつながっている。安い外国産材の輸入量増加や他の建材の導入などにより、全国的に林業は衰退気味。木材自給率は3割を切るまでになった。
 

真庭森林組合の梶岡知幸組合長は「以前は間伐材の利用方法がなく、大半は山に置きっ放しにしていた。バイオマスが始まってから林業者の数は3倍になり、多くの人間が作業をすることで山が生き返った。森林が8割を占める町で、山を無視しての産業振興はあり得ない」と説く。
 

地産のエネルギーを使い、地域内で循環させるという発想は市民の間にも定着しつつある。農業を営む清友健二さん(45)は木質ペレットを燃料とするボイラー3台を購入してトマトのハウス栽培を手がけ、野菜の直売所も運営している。
 

「寒いとトマトの出来が悪くなるので、冬から春にかけて温度を一定に保つために使っている。ボイラーの購入費を差し引いても、ペレットの方が石油より安くつく。山にあるものを燃料として使い、直売所で安く売って地元に還元する。中間マージンもないし、皆にメリットがある」と、その効能を強調する。
 

ただ、バイオマス発電は森林がある地域ならどこでもできるというわけではない。木材そのものを燃やすのはコストに合わないため、端材や間伐材が一定量発生するという環境がいる。真庭市の場合、銘建工業をはじめとする製材業者や林業者の存在が発電に不可欠な存在になっている。
 

それに加えて、前出の仁枝さんは「行政が主導してしまうと、うまくいかないケースが多いと思う。首長が代われば政策も変わるし、担当職員の異動もある。むしろ、民間が音頭を取って、目標を共有しないといけない」と指摘する。
 

「それぞれが自社の利益ばかりを追えば、向かう方向がバラバラになってしまう。事業を担う人材を育て、あくまで地域の活性化のためにやるんだという志を持つ必要がある。そういった条件さえクリアできれば、他の地域でも実現は可能になるだろう」
 


[デスクメモ] 
100年以上前、キリスト者で非戦論者の内村鑑三はこう講演した。「エネルギーは太陽の光線にもあります。海の波濤(なみ)にもあります。吹く風にもあります。噴火する火山にもあります。もし、これを利用するを得ますれば、これらはみなことごとく富源であります」。人のおごりを見つめた人の言葉だ。(牧)



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2014428日 東京新聞:こちら特報部 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014042802000147.html

 

 

 

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