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2014年4月24日 (木)

気になるニュース 545

 

うちの知事とトレードしたい・・・
引用開始。 

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【原発の新規制基準「住民守れぬ」 泉田・新潟知事】 

 新潟県の泉田裕彦知事は先月、米国の前原子力規制委員長のグレゴリー・ヤツコ氏との対談で「国が制度全般を見直さなければ自治体は有効な避難計画を作れない」と述べた。原発7基を抱える自治体トップが考える課題は何なのか。朝日新聞の取材に、知事は安倍政権が「世界で最も厳しい」とする原発の新たな規制基準に言及。「世界標準にも達していない」とし、うそをついてはいけないと批判した。
 

 新しい規制基準は、原発の「安全神話」のもとで作られた旧基準が福島での深刻な事故につながったとの反省を踏まえ、複数電源の確保など事故防止対策の強化が盛り込まれた。現在、計17基の原発が「新基準を満たしている」として再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請。九州電力川内原発(鹿児島県)では、夏前にも審査が終わる可能性がある。
 

 泉田知事は、新基準は一定の確率での事故発生を前提にした機械の性能審査であり、「緊急時に自治体がしっかり対応しなければ住民の安全は守れない」と指摘。実効性ある避難計画が不可欠だが、法や制度の不備が放置されており、特に地震と津波、原発事故が重なる複合災害に自治体が現行制度で対応することは難しい、との見方を示した。
 

 具体的には、①現行法令は被曝(ひばく)の上限を定めており、避難に必要なバスの運転手にこの値を超える被曝の可能性があれば、住民のもとに行けない②複合災害で寸断される可能性が高い道路の使用を前提に避難しようとすれば、住民の被曝(ひばく)が避けられない――などのケースを列挙。各住宅への核シェルター整備も検討すべきだと提案した。
 

 さらに過酷事故に備え、危険な高放射線量のもとで誰が収束作業にあたるのか▽経営上の損害が出かねない原子炉への海水注入に踏み切るかどうかの判断を事業者に任せていいのか――といった課題も手つかずだと強調。「あれだけの事故を起こしながら、相変わらずハードの性能だけを見れば『安全』ということにしてしまい、何かが起きたときにどうするかを考えていない。安全神話はそのまま残っている」と述べた。(稲垣えみ子、永田篤史)
 


20144230245分 朝日新聞デジタルより 
http://www.asahi.com/articles/ASG4376Y5G43PTIL02Q.html






【「世界標準に達してない」 泉田知事インタビュー全文】
 

泉田裕彦・新潟県知事とのやり取りは次の通り。
 

 ――泉田知事は米国原子力規制委員会(NRC)のヤツコ前委員長との対談で、原発の立地自治体でつくられている避難計画は実際には機能しないのではと指摘されました。どんな点が、なぜ、機能しないと考えておられるのでしょう。
 

 「まず大前提として、原子力規制委員会が『新しい規制基準をクリアしている』と判断した原発も、『安全な原発』ではないのです」
 

 「そもそも、規制基準適合審査とは安全審査ではありません。一定の確率で事故が起きることを前提にしている基準であり、この基準を満たしたからといって、安全性を保証するものではありません。いざトラブルが起きたとき、周辺の住民が健康に影響のある被曝(ひばく)をすることは避けられない内容の規制なのです。つまり、緊急事態が生じたときに自治体がしっかりした対応ができなくては、住民の命、安全、健康は守れません」
 

 「では、いざというときに住民を安全に逃がすことができるのか。私は2007年の中越沖地震で、原発と地震の複合災害を疑似体験しました。その経験からいうと、計画の形をつくっただけでは、とても住民を安全に避難させられるとは思えません」
 

 ――なぜそう思うのですか。
 

 「避難計画で、あらかじめ逃げる場所を指定しておくことはできるでしょう。問題は、放射能が出てくるまでの制限時間内に、安全に逃げ切ることができるかどうかです」
 

 「東日本大震災はプレート境界型の地震でした。私も現地を見ましたが、津波の影響のないエリアでは、直下型だった中越沖に比べて比較的道路の被害は少ない印象でした。直下型地震では、事態はより深刻になる可能性があります」
 

 「中越沖地震で何が起きたかというと、道路が次々に寸断されたんです。道路というのは、端に30センチでも段差があったらもう通れない。とりあえずは段差ができたところに砂利を敷いて、そこを徐行して通るしかないんですが、その応急措置をとるだけでも半日かかりました。つまり、直下型地震が来ると『道路が連続してつながっている』という想定そのものが難しくなる。1カ所でも段差ができたら全部止まってしまうというのが道路の性質なんですよ。中越沖のときは、消防自動車もパトカーも救急車も、すべての緊急車両が動けなくなり、現場に3時間かかってもたどりつけなかったのです」
 

 「原発で事故が起きたとき、どのくらいで放射能が出てくるのでしょうか。東日本大震災では、全電源喪失から8時間半でベントの判断をしています。国会事故調では、それでも判断が遅かったと指摘しています。ということは、数時間のあいだに逃げなければ間に合わない可能性があります。ところが実際には、緊急車両ですら通るのに半日かかってしまう。住民が制限時間内に逃げられず、健康に影響のある被曝(ひばく)が避けられないケースがおおいに起こり得るのです」
 

 ――どうしたらいいのでしょう。
 

 「新潟県からは、いわゆる核シェルターのようなものがないと避難しきれないと提案しています。さきほど申し上げた道路の問題に加えて、例えば夜中に事故が起きた場合はどうするんでしょうか。数時間で全員に連絡して圏外へ避難させるなんて至難の業です。高齢者、お子さん、病気の人もいる。逃げられるはずがないんです」
 

 「さらに、線量が高くなってくると、避難に必要なバスの運転手さんの手配もできません。原発の構内で働く人でも、浴びてもよい放射線量の上限値は法令で定められています。実際に事故が起きると、この上限値を大幅に超える線量を浴びる可能性があります。そういう場所へ運転手さんを派遣しようと思っても、できません」
 

 「実際、東日本大震災の時は、福島からSOSをもらって新潟からバスを派遣したんですが、やっぱり民間の人は線量の高いところへは入れないんですよ。法令で入っちゃいかんことになっているわけで」
 

 「緊急車両もたどり着けない、バスも派遣できない。そういう状況で、どうやって避難するんですか」
 

 ――それで核シェルターを用意するわけですね。集落に一つのシェルターをつくるようなイメージでしょうか。
 

 「現場からは『各戸につくってくれ』という声も出ています。みなさん、いろいろな事情を抱えています。たとえば寝たきりの家族がいたら『体育館に行ってくれ』と言われても行けないでしょう。特に新潟は雪国ですから、雪が降っていたら動けないんですよ。だから自宅にシェルターが欲しいという声も出てくるのです」
 

 ――かなりの予算が必要になります。
 

 「そうですね。国に必要な財源措置をしてもらわなければなりません」
 

 「問題はまだあります。小さいお子さんの健康被害を避けるためにはヨウ素剤を早く服用することが重要ですが、国は市町村に『医師の説明をしたうえで配布しろ』と指示しているのです。実際は難しいですよ。原発から5キロ圏内の住民にはあらかじめ配っておけというのですが、仕事で来ている人や、たまたま原発近くの道路を通過している人もいます。そういう人にはどうやって配るんですか」
 

 「さらに、直下型地震では通信回線も途切れるんですよ。携帯も通じません。交通も通信も途切れるなかで、どうやって服用の指示を出すんですか。それなのに、指示を届けることは自治体任せです。30キロ圏内は事前配布もしません。いざ事故が起きてから『取りに来て下さい』といって、並んで取りに来てもらっている間にメルトダウンが起きて被曝(ひばく)したらどうするんでしょう」
 

 「現実に複合災害が起きたときのことを想定すると、とても、いまの国のやり方では機能すると思えないんです」
 

 ――要介護者の避難も難題です。福島では実際に、多くの人が避難の途中で亡くなりました。
 

 「新潟ではいま、福祉施設など施設全体を順次『核シェルター化』して、放射性物質が中に入れないように作り替えています。無理に避難するよりは、そのほうが安全だと思うからです。ただ当然、未来永劫(みらいえいごう)そこにいるわけにはいきません。いずれ救助に行くことになります。誰が行くんでしょうか」
 

 「規制区域になった場合、消防が行くんでしょうか。消防署員は自治体職員ですが、放射線量が高いところに突入するような装備もないし、訓練も受けていません。放射能に対しては民間人と全くいっしょです。じゃあ自衛隊が行くんでしょうか。それとも特別なレスキュー隊をつくるんでしょうか。そんな法体系や組織の整備やコンセンサスが必要なのに、国は何もやらないわけですよ。原発災害が起きたら『即時避難』というだけです。極めて無責任だと思います」
 

 ――そもそも国は、複合災害で原発事故が起きたとき、現実に何が起きるのかという想定をきちんとしているのでしょうか。
 

 「とてもそうは思えません。原発が事故を起こすとしたら、地震や津波などの大災害が起きたときだと考えるのがふつうです。そのとき道路が機能していると考える方がおかしいのに、それすら想定しているように見えません」
 

 「なぜこんなことになっているのかというと、おおもとの国の法や制度が、福島の原発事故の反省を生かさないままになっているからです。いまの法律では、自然災害は災害対策基本法で対応します。事務局は内閣府です。一方、原子力災害は原子力災害対策特別措置法で対応します。事務局は原子力規制庁です」
 

 「原子力災害と自然災害は同時に起きる可能性が極めて高いのに、こんなバラバラなことをしているから、当然起きうる事態が想像できないんです」
 

 「私は中央防災会議でずっと『一本化してほしい』と発言しています。民主党政権では平野達男・復興大臣が法改正をすると発言したのですが、政権交代後、検討対象から外れてしまいました。自民党は震災のとき当事者ではなかったので、あのときいかに混乱したか、実感が伴っていないように思えます」
 

 「このままでは、いざ何かが起きたとき、指揮系統がばらばらになって避難がうまくいかずに大混乱した東日本大震災の失敗を繰り返しますよ。避難指示を出す権限は、自然災害では市町村長、原発災害では官邸。どうしてこれで住民をきちんと避難させることができるんでしょうか」
 

 ――お話を伺っていると、避難計画を立てること自体が難しい原発が多いようにも思えます。そもそも日本では『事故は起きない』という前提で原発を建ててきたので、人口密集地にあったり、原発が集中立地していたり、避難路が一本しかなかったり、冬場の気象条件が厳しかったり、事故時の避難を前提として建てられていない原発がたくさんあります。
 

 「だからこそ、いざというときに住民の被害をいかに減らすかを考えれば、どの国よりも厳格な避難計画がなければおかしいでしょう。そこをきちんとやらないっていうのは、住民にリスクを押しつけたまま、カネのためにだけ原発を動かすっていうふうにしか見えないじゃないですか」
 

 ――どうすればいいのでしょう。
 

 「私は、福島の事故後にできた原子力規制委員会に、きちんと責任を果たしてほしいと思っています。規制委は、設置法のなかで『原子力利用における安全の確保を図ること』が任務とされています。ところが今の規制委は、原発のハードの設備を審査するだけです。これでは住民の安全は確保できません」
 

 「規制委は政府から独立した権限を持っていて、政府の不備を直すことができます。いざというときに住民が安全に避難できないような法や制度の不備があれば、新たな法や制度を整備するよう、関係省庁に勧告することができるのです。そういうふうに制度設計されているんですよ。そのために三条委員会にしたわけです。ところが、規制委はそこから逃げています。結局、住民の安全を守る体制はすっぽりと抜け落ちたままです」
 

 「ちなみにアメリカでも以前は、日本と似たような事業者任せの規制でした。ところが1979年のスリーマイル島原発事故で大混乱した反省から、事故が起きることを前提に、政府も軍も出て対応する体制に変えました。さらに9・11の同時多発テロの後は、原発に航空機が突っ込んできたらどうするのかという観点から再び規制を変えていきました」
 

 「ところが日本は、あれだけの事故を起こしながら、あいかわらずサイトの中のハードの性能だけをみれば『安全』ということにしてしまって、何かが起きたときにどうするかを考えない。この差は大きいですよ。安全神話はそのまま残っているのです。間違っています」
 

 「私は、規制委に自治体の代表を入れるべきだと思います。どういうことかというと、いざというときに自分が放射能を浴びるかもしれない人間を入れるべきだと思うのです。いまの日本の規制は、自分は放射能を浴びない人たちだけでやっているのです」
 

 「アメリカの規制当局(NRC)から学ぶべきです。NRCの最大の人材供給源は海軍です。彼らは原子力の専門知識を持ち、組織の統制能力もあり、さらに『ユーザー』でもある。つまり、いざというときにちゃんとやらないと、自分が放射能を浴びる立場なんですね。こういう立場の人間が入っていないと、安全を確保するという観点に立った規制はできないのではないでしょうか」
 

 ――現実にはいま、規制委による原発の適合審査だけが着々と進んでいます。優先審査が行われている原発では夏前にも審査が終わる見込みで、政府は「世界一厳しい基準に適合した原発は再稼働する」と明言しています。
 

 「『世界一厳しい基準』というのはどこから出てきたのでしょうか。実際には世界標準にも達してないというのが現実だと思います」
 

 「事故が進展して冷却材が失われたら、最後には、線量が高いところへ誰かが近づいて冷却をしなければいけないのです。実際に福島の事故でも、4号機の使用済み核燃料プールがメルトダウンを起こしたら、囲いもないところで大量の放射性物質が放出される最悪の事態になりかねなかった。たまたま水素爆発をしたので外から水を入れることができたのです」
 

 「もし同じことが再び起きたとき、誰がその場所へ行くんでしょうか。労働法制上、民間事業者である電力会社の従業員に、命をかけて収束作業をするよう命じることができるのでしょうか。できない場合は、だれが収束作業をするのでしょう。アメリカでは、あらかじめその場所へ行く人間が決まっていて契約書にサインをしています。日本では何もせず、いざというときに初めて『決死隊』を精神論で募るんですか。まさに神風特攻隊じゃないですか。そんな肝心なことも何も決まっていません。議論もしていません」
 

 「せめて、世界標準のことをしてほしいんです。日本はこれだけの事故を起こしてしまったんですから、本来なら世界をリードするような安全の仕組みをつくって、世界に発信する必要があるんじゃないでしょうか。それが実際には、世界標準にも達していない現状を正そうともしないで、やっていないものをやっているかのようなウソをつく。こんなことをしていてもう一回事故を起こしたら、国際的な信用を失います。国としての水準が問われる話だと思います」
 

 ――原発の再稼働を認めるかどうかについては、どう思われますか。
 

 「その議論に入る前の段階だと思います。たとえどんな小さな工場でも、火事が起きれば警察や消防が入って強制捜査を行い、現場を検証し、なぜ火事が起きたのかを調べて必要な処罰を行いますよね。ところが福島であれだけの重大な事故を起こしておきながら、いまだに事故原因の究明も分析も全く不十分なままです。文明国としていかがなものか」
 

 「事故を引き起こしたヒューマンファクターの検証も全く行われていません。安全の確保は機械の性能だけでは決まりません。それを動かす人間がどう考えどう行動するかが、決定的に重要なのです」
 

 「例えば、いざ事故が起きたとき、原子炉を冷やすために海水を注入するかどうか、だれがどう判断するんでしょうか。福島の事故では3月13日になっても『海水入れるのか』と、いかにももったいないというような議論をやっている。一基5千億円するんですよ。これをパーにするような重大な経営決断を誰がするのか。いざというとき、やっぱり経済が先に立つということになったら、冷却や閉じ込めに失敗して大惨事になりかねません。そのつど誰かが判断するというのでは、とても住民の安全は守れない」
 

 「そうではなくて、特定の事態に至った場合には即時に海水を注入するというような対応ルールを改めて決めて欲しいと規制委に文書を出しています。でも規制委は、ここからも逃げています」
 

 「新潟県の柏崎刈羽原発について言えば、まずは東京電力から分離してほしいと思っています。いまの東電は、安全よりお金優先になっています。社長の頭の中は、安全について考える余裕なんてないわけですよ。借金、廃炉、汚染水、賠償と、対応しなければならない問題が山積で、安全については1割くらいしか考えられない。だから、いかにコストを安くするかということばかりです。柏崎刈羽でも当初『防潮堤はなくても安全だ』と言われました。水密扉があれば大丈夫だと。住民の安全を考えたら、カネ優先になっている限りはだめだと思うのです」
 

 「東電は、企業経営の観点からもモラルハザードを引き起こしています。福島の事故処理で、国が、東電にお金を貸していた金融機関も株主も免責してしまったからです」
 

 「資本主義のルールでは、金融機関はお金を貸すとき、その会社が事故を起こして貸したお金が回収できなくなるリスクを考えなければなりません。ところが、事故を起こしても国が保証してくれる、リスクがないとなれば、金融機関は、たとえ危なくてもカネのために動かしてもらった方がいいということになる。おかしいでしょう。資本主義の倫理が働く形になっていないんですよ。株主も、事故を起こしたら投資したお金が焦げ付くとなれば、みなで会社を監視する。そうして安全文化が育つんです。ところが株主も免責されてしまった」
 

 「いまの東電は、安全文化が壊れた状態で原発を運転すると言っている会社です。もってのほかだと言わざるを得ません」(聞き手=論説委員・稲垣えみ子)
 


20144230251分 朝日新聞デジタルより 
http://www.asahi.com/articles/ASG4376Y6G43PTIL02R.html

 

 

 

 

 

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