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2014年4月 6日 (日)

気になるニュース 523

 

グローバー勧告FoE Japanより)
外務省HPにある政府コメント和訳はこちら 
引用書き起こし開始。

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*福島事故 人権理事会勧告1年 政府 誤情報を世界へ


東京電力福島第一原発事故後の健康被害対策などをめぐり、国連人権理事会の特別報告者アナンド・グローバー氏が日本政府に対する勧告を出してからまもなく1年がたつ。政府は反論やサボタージュを続ける一方、世界に向けては「実施済み」などと誤った情報を発信し続けている。(榊原崇仁)


◆グローバー勧告と政府見解の比較
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◆「遅れ」→「実施済み」 「霞が関文学」のにおい

インド出身の弁護士であるグローバー氏は、日本国内で政府や被災者から聞き取りを重ねて報告書を作成し、昨年5月の人権理事会に提出した。福島原発事故の被災者の健康調査や除染、放射性廃棄物の最終処分場の確保、東電への損害賠償請求、事故に備えた防災対策を進めるよう日本政府に勧告している。

この間の政府の対応には首をかしげざるを得ない。

グローバー氏は低線量被ばくによる健康影響を特に懸念し、年間1ミリシーベルト以上の地域の住民すべてに対する詳細な健康調査の実施を要求した。だが、健康管理を担当する環境省は「低線量被ばくによる発がんの増加は明確な証拠がない」との立場を崩さず、国の財政支援による健康調査は福島県しか対象にしていない。

その福島の調査も不十分だ。勧告は、健康調査について「高い回答率を確保すること」と強調したが、外部被ばく量を推計するために事故直後の行動記録を提出してもらう「基本調査」の回答率は3割程度にとどまっている。

防災面では、避難手段を盛り込んだ災害管理計画の周知が求められたものの、事故を踏まえて避難計画をつくった30キロ圏の市町村がゼロの立地県もある。勧告が要請する情報公開の徹底や円滑な損害賠償請求についても、被災者が納得するには程遠い状況にある。

ところが、政府は対応の遅れを素直に認めない。

政府は勧告直後、人権理事会に政府見解を提出している。英語の原文と和訳が外務省のホームページに紹介されているが、和訳の方を見ると、健康調査で高い回答率を確保することや避難計画の周知は「実施済み」と書かれている。

事実と違うのではないか。防災を担当する原子力規制庁に尋ねると、「今は国会対応が忙しく、すぐに回答できない」と突っぱねた。環境省は「『実施済み』は『着手した』 『取り組んでいる』という意味だ」と答えた。

いかにも「霞が関文学」のにおいがする。英語の原文に当たると、「実施済み」の部分は「completed」 「carried out」とある。人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長の伊藤和子弁護士は「『完了した』といったニュアンスの言葉。誤った情報が世界に発信されている」と憤る。

同団体はこれまで「文言が不適当」と指摘してきたが、政府は改めていない。「政府は『国際的な信用を落としたくない』 『信用が落ちれば国際的な経済活動で日本が敬遠されかねない』という意識が強いのではないか」(伊藤氏)

「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」共同代表の河崎健一郎弁護士はこう警告する。

「東京五輪招致の際に安倍晋三首相が『(原発事故の)状況はコントロールされている』と述べたのもそうだが、正しい情報を伝えないというのは非常に悪質。こんな状態を放置すればかえって日本の信用は失墜する」



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201446日 東京新聞朝刊 こちら特報部:[ニュースの追跡]より 

 

 

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