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2014年4月 1日 (火)

気になるニュース 515

 

鶴すら折らせないってどうなの・・・
引用書き起こし開始。

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【変質する「平和」】 第1部 封印される広島(下)


◆折り鶴消える教室 国指導に教育現場委縮

「折り鶴なんて駄目」。20047月、広島県東部の小学校に勤務していた当時30代の男性教師は、教頭の言葉に耳を疑った。8月初めに平和集会を開き、原爆が投下された6日に平和記念公園に折り鶴を届けるのが学校の恒例行事だった。「鶴を折ることは(平和)運動にあたり、子どもたちを運動に巻き込むことになる」というのが教頭の理屈だった。

被爆地広島で平和教育が「凍結」される皮肉な事態が起きていた。きっかけは文部省(現文部科学省)の指導。教職員組合の力が強すぎると神経をとがらせた同省は1998年、県教委に13の是正項目を突きつけた。国の学習指導要領どおり、式典で君が代斉唱を徹底することなどを求めた。

県教委は、組合が中心となって取り組んでいた平和教育にも目を光らせるようになった。「加害を扱ったものには特に敏感だった」(広島平和教育研究所の石岡修理事長)。平和集会や平和カレンダー…。平和と名の付くものが教室から消えた。

  ◇

広島大名誉教授の小笠原道雄(78)は2000年から8年間、教育行政を外部から指導監督する県教育委員長を務めた。「時間割の編成などで組合の行き過ぎもあり、是正指導はやむを得なかった面もあるが、結果として平和教育の現場は委縮した」と振り返る。議会答弁に「若い世代に戦争の惨禍をいかに伝えていくのか」という一文を入れるにも、指導要領から逸脱していないか不安になった。

小笠原は「指導要領の言う平和は、仲良くしましょうというだけ。それだけが平和教育じゃない。広島である以上、原爆とは何か、核とは何か厳しく問うことが必要だ」と話す。

広島市の調査では、原爆投下日時を答えられた小学生(4年生以上)の割合は、1995年の56%から2010年は33%に低下した。危機感を覚えた市は再び平和教育に力を入れる。

  ◇

市は12年、原爆体験を語り継ぐ伝承者の育成を始めた。マンドリン奏者の佐古季暢子(きょうこ)(29)も研修生176人のうちの1人。両親、祖父母とも被爆者ではないが、私立広島女学院中高で受けた平和教育が応募のきっかけとなった。

女学院は原爆で教職員や生徒300人以上が命を落とした。生徒には戦争の被害と加害の両面を教え、「平和とは何か」と問い掛ける。その答えが出せないまま卒業した佐古は、留学先のドイツで「核武装は必要」という級友の言葉に何も言えず悔しい思いをした。

3年の研修期間を終えた後、広島を訪れる人に原爆の悲劇と平和の尊さを伝える。「核武装を認める人は、大切な人を失う可能性に思いが至らないんじゃないか。平和って民族も宗教も関係なく、大切な人やもののそばにいられる生活なんじゃないでしょうか」(飯田孝幸、文中敬称略)=おわり



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201441日 東京新聞朝刊 1面より 

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