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2014年4月 1日 (火)

気になるニュース 513

 

webで読めないようなので・・・
引用書き起こし開始。

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【変質する「平和」】 第1部 封印される広島(上)


◆騒ぎ恐れ過剰自粛 はだしのゲン「市民が応援団に」

「申し訳ないけど明日のことは、ちょっと」

昨年10月、漫画「はだしのゲン」の翻訳家アラン・グリースン(62)=東京都杉並区=に、区内の中学校長から電話があった。翌日、生徒にゲンを世界に伝える意義などについて話す予定だったが、それを中止にするという連絡だった。

「それぞれの人の戦争責任を等しく問うている作品」とほれ込み、40年近くゲンと関わってきた。これまで経験したことのない理不尽な出来事に、あぜんとして校長を問い詰めた。「圧力なのか」

その約2か月前「描写が過激」として、松江市の小中学校の図書館でゲンが閉架措置となったことが報じられた。東京都や練馬区でも学校図書館から撤去することを求める請願が提出された。ゲンを子どもたちから遠ざけようという動きが広がりつつあった。

電話口で校長は「圧力はないが、事情がある」としか説明しなかった。今に至るまで真相は分からない。「言論の自由が、民主主義が、削られつつあるのではないか」。グリースンはこの状況を不気味に感じる。

  ◇

松江での閉架措置は、高知市の飲食店経営中島康治(35)が議会や教育委員会に学校図書館から撤去を求めたのがきっかけだった。大学時代、インターネットのブログを読んで、歴史認識に興味を持つようになった。ゲンを「原爆被害という史実にフィクションを織り交ぜて、天皇批判や自虐史観を盛り込んだ。うまいことやった作品」と批判する。

ゲンはいずれ、学校から自然に消えると考えている。「都知事選で、正しい歴史認識を持つ田母神(俊雄)さんに若い人が相当、票を入れた。そういう人が子育てすれば、ちゃんとした歴史認識を持った人がもっと増えるだろう」

 
 ◇

同様の請願・陳情は新宿区や千葉県松戸市など首都圏で広がり、大阪府泉佐野市では市長の要請で小中学校の蔵書がいったん回収された。一方で、撤去に反対する市民の動きも強まっている。

武蔵野大学教授で元NHKプロデューサーの永田浩三(59)=杉並区=は松江や練馬の反対運動で先頭に立った。母親は戦時中、東京大空襲で焼け出され、故郷の広島に戻って被爆した。

その母が昨夏、体調を崩した。足取りをたどりたいと広島を巡った後に、松江の一件を知った。

NHKで手掛けた従軍慰安婦の番組が、放送直前に変更された2001年の出来事が重なった。官房副長官だった安倍晋三首相ら政治家が放送前に「偏った内容」とNHK幹部に指摘していた。永田は取材相手に起こされた訴訟の中で、NHK側に不利な証言をして現場から退いた。

今は多くの組織が、さらに外からの圧力に弱くなっていると感じる。「ネットでの過剰なバッシングなどがあり、騒ぎになりそうだと考えたら、過剰に自粛する傾向がある」。失敗を許さない社会の雰囲気も、その傾向を助長する。「学校は攻撃があればひとたまりもない。市民が問題を共有して応援団になることが大事だ」(大平樹、文中敬称略)

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私たちの足元で「平和」の意味が揺らいでいます。第1部では戦後の平和運動の原点となった広島をめぐる動きを追います。



Photo

2014330日 東京新聞朝刊 1面より 

 

 

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