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2014年3月 9日 (日)

スーパーJK

 

2014/03/08 3.11福島原発メルトダウンその時ー現場と官邸からの真実」

動画 013800からの「高校生からのメッセージ 戸苅春香氏(泊原発の廃炉をめざす会原告)」という北海道の女子高生のスピーチがいろいろすごかったので書き起こし。

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福島原発事故から3年の月日がたち、日本の政治には原発以外の非道な問題が浮上してきました。
震災後の日本の行動はどれを見ても異常です。
人間としての理性を疑います。
オリンピックの東京への誘致など、するべきではありません。
他国の選手をわざわざ福島原発事故の放射能汚染の本場へ連れてくるということは、すなわち彼らに毒を盛るということです。
他国の選手の健康を奪って自国が豊かになろうとは、何と愚劣な考えなのでしょう。
誘致の演説をする時の安倍総理の満面の営業スマイルは、思い出すだけで寒気がします。
自分の国がしたことも省みず、世界を前に、よくアンダーコントロールなどと嘘を並べ立てられるものです。

「おもてなし」という言葉も大嫌いになりました。
放射性物質たっぷりの食べ物と水と空気でもてなすということでしょうか。
結局、日本の言うことは「おもてなし」の裏ばかり、利己心の塊です。
東京オリンピックでは、一部の競技を福島で行おうとしているそうです。
原発事故はまだ収束していないということを、国民や世界の人々が知らないとでも思っているのでしょうか。
どこまでバカにする気なのでしょう。
東京でオリンピックを開催することは、人々の危機感を麻痺させ、国民をも騙します。

20118月、全国高等学校総合文化祭が「福島総文祭」という名で福島県で開催されました。
学生にとって、部活動での全国大会への出場はとても喜ばしいものです。
全国大会とは、部活全体で志すもので、その開催地が危ない土地だと思っても、よっぽど強い意志を持っていなければ、とても参加を断れるものではありません。
それを福島で開催するとは、卑怯です。
それが目的なんだろうと思いますが、高校生が全国から集まり、福島で青春の時を過ごしたということが安全アピールに利用されてしまいます。

また、震災後から修学旅行先を東北にする学校も増えています。
人生の大切な思い出である修学旅行への参加を断念することも、勇気のいることです。
数々のアーティストや芸能人が福島でイベントを開く、ということも耳にします。
避難せずに福島に残っている人は、ますます居心地が良くなり、福島から離れられなくなるでしょう。
人を大勢集める行事の開催地として、たびたび福島をはじめ東北を引合いに出すことに日本人の認識の甘さと国の陰謀が表れています。

さらに、マスコミがこの風潮をますます煽っている、ということは言うまでもありません。
震災後の報道内容が偏り、伝えるべき事実は表に出てきません。
利害関係に流されて、事実を伝えるマスコミの使命を忘れたのでしょうか。
また、マスコミの報道の歪みが、秘密保護法によってさらにエスカレートすることを、私たちは恐れなくてはいけません。
事故直後から繰り返された枝野官房長官の「直ちに影響はない」という言葉は、国民の耳にタコを作りました。
どれだけの人がしなくて済む被ばくをさせられたのでしょう。

たくさんの人が考えることをやめてしまいました。
今でも福島に人がいる、という状況は異常です。
事故直後に避難するチャンスを逃したからといって、今も避難せずに残っているのもおかしいです。
今からでも避難してください。
一度避難したのに、また福島へ戻っていくのも絶対に間違っています。
福島にいたら、命が危ないのです。
見えないし、感じないし、臭いもしませんが、確実に体が壊されていくのです。
子どもがかわいそうです。

子どもが将来病気になったら、親はつらいでしょう。
でも、一番つらいのは病気になった子ども自身です。
親がいくら自分が変わってやれれば、と思っても、絶対に変わってやることはできません。
弱っていく子どもをただ見守ることしかできません。
いま避難するかどうか、それが子どもの寿命を左右するのです。

除染すれば戻れると思っている人もいるようですが、除染など、ただの儀式にすぎません。
一度原発事故を起こして放射性物質をばら撒いたら、もう時間がたつのを待つしかありません。
「復興」という言葉を口にするのは、100万年早いのです。
そこにいるということは、大学教授たちの被ばく実験用のモルモットにされるということです。
できるだけ早く、できるだけ原発から遠く離れたところへ避難してください。
子どもだけでも避難させてください。
福島は、子育てをする所ではありません。

「中国のPM2.5が風に乗ってきて危ない」と騒ぐくせに、自分たちが海に流し風に乗せて地球全体に届け続けている放射性物質を、なぜ問題視しないのでしょう。
何万年かかっても償いきれないほどの迷惑を世界中にかけているのに、日本が世界に向けて謝罪しているところを、私は見た記憶がありません。
いつ謝罪するんですか?
東電は放射性物質をばら撒いても罰せられなかったため、電力会社はこの後に及んでまで、「安全な原発」という商品名を掲げ続け、安心して原発の再稼働に全力を注いでいるのです。
これだけの被害を日本全国や全世界にもたらしているのに、どうして東電は刑事責任を追及されないんですか?

8月の平和式典で平和を願うことと、9条を改正しようとすることとは、大きく矛盾しています。
9条をなくして戦争できる国にしようと急いでいる安倍総理に、平和宣言する資格などありません。
安倍総理がいくら平和について言葉を並べても、口先だけにしか聞こえません。
今、異様なほどに戦争への道を急いでいる政治家のおじさんたちは、年齢からして戦力にならないし、政治家という立場上、戦地へ出向くことはないでしょう。
自分が直接血の臭いを嗅ぐことはないのです。
だから罪悪感もなく、いくらでもむごいことができるのです。
彼らにとって戦争とは、お茶をすすりながら将棋を指すのと同じことなのでしょう。
彼らは指先で駒を動かすだけです。

しかし、選挙権を持たない私たち日本の子どもにも、何よりも優先される基本的人権があります。
安倍総理が何と言おうと、将棋の駒にならないという選択ができるはずです。
私たち子どもは戦争をしない国、戦う相手を作らない国に生れてきました。
戦争を、あの悲劇を繰り返さないように、との切実な訴えが、聞き慣れた決まり文句と化すようなことがあってはいけません。
私たちは、戦争はしません。

昨年12月、私が通っている帯広柏陽高校に、北海道大学の教授が原子力についての出張講義をしにきて、希望者約40名が参加しました。
どんな人なのかと、その講義がある前にあらかじめインターネットで調べてみると、放射性廃棄物処分の安全確保に関する研究をしているバリバリの原子力推進派だということが判明しました。
私は、参加した高校生が洗脳されるのを恐れて、教授が到着する前に自作の資料を全員に配り、参加している高校生に少しでもおかしいと気付いてもらえるよう、できるだけ質問しました。

彼は、北大生を引き連れて何度も福島へ除染しに行っているということを、得意げに語っていました。
まだ若い大学生を福島へ連れて行くというだけでも理性を疑うのに、「飯舘村では、防護服を着ないでやってくれ、と言われたのでその通りにやってきた」と言います。
つまり、北大生も違和感なくそれに従ったということです。
させた教授も教授だし、学生も学生です。
この教授が北海道大学で一体何を教え、北大生は何を教わっているのでしょう。
被ばくという問題を抜きにして、原子力の何を学ぼうというのでしょうか。

国は安全を強調するばかりで、子どもは原子力のことについて学ぶ機会を与えられていません。
そんな中、突然彼のような御用学者が投げ込まれると、純粋な子どもの考えは素直に推進派に傾いてしまいます。
柏陽高校では今のところ配られていませんが、文部科学省が子どもに安全神話を刷り込むための副読本を教育現場に送りつけているようです。
教育に携わる人びとは特に、純粋な子どもがそのような嘘の知識に侵されないように目を光らせていなければなりません。
言うまでもなく、自分自身が正しい知識、危機感を身につけていなければなりません。

戦争も原発も、問題なのは今さえ良ければいい、という大人の利己心です。
未来は、大人のものではありません。
私たち子どものものです。
動物は必ず自分の子どもに、生きていく上での危険や生きるための術を教えます。
今の日本人は動物以下です。
子どもは目隠しをされ、大人は危険から目を背ける方法をたたき込んでいます。
数年後、子どもが日本を引っ張っていかなければならなくなった時、まず何人の子どもが健康でいるんでしょうか。
そして今の大人に対して何を思うのでしょうか。
事実から遠ざけられて育った彼らは、自分たちの子にも事実を伝えることができないでしょう。

このままではいけません。
失敗は繰り返してはいけません。
現状を自分の問題として直視してください。
そして、子どもに漏らさず教えてください。
子どもに未来を残すための行動を起こしてください。
私たち子どもは、自由に夢を持てる未来があると信じています。

 

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