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2014年3月24日 (月)

気になるニュース 507

 

この連載を読んで興味を持ってくれた人はどれくらいいるのかな・・・
引用書き起こし開始。

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【揺らぐ立憲主義(下)】


[自民改憲草案] 権利より義務盛り込む

中堅のC社は、かつて社長のワンマン経営で有名だった。だが、「会社のため」という経営者の言葉で従業員の健康や暮らしがないがしろにされないようにと、前社長の時に社員の権利をきちんと盛り込んだ労働協約をつくり、自由な社風に生れ変わった。
ところが、最近、新しくDさんが社長になると、この協約を変えようと言いだした。Dさんは「従業員の義務についても、きちんと書き込みたい。社員が愛社精神を持つことも協約に入れる」と主張。従業員たちは「労働協約は労働者を守るもの。経営者を守るものではない」と反発。自由な社風もかすんでしまった。


◆権力でなく国民を縛る

憲法は国家権力を縛り、国民の自由な生活を保障する。C社のように、権力(経営者)が勝手に国民(従業員)の権利を制約したり義務を課せば、憲法に縛られているはずの権力が逆に国民を縛ることになる。

自民党が2012年にまとめた改憲草案には国民の義務規定が目立つ。立憲主義への挑戦と受け取る憲法学者は少なくない。

今の憲法にも義務は3つある。勤労、納税、子どもに教育を受けさせる義務だ。ただ、教育を受けさせる義務は教育を受ける子どもの権利と表裏一体。勤労、納税の義務も必ずしも強制とはいえない。もし、強制ならお年寄りや病気で収入がなくても、税金を納めないといけなくなるが、それは求められていない。

これに対して、自民党の改憲草案は国民の義務規定を10以上も増やした。国旗・国歌を尊重し、他国の攻撃や地震など緊急事態時には国の指示に従うなどの義務だ。

これらの義務に強制力があるとは書かれていないが、憲法が定める国民の自由や権利に「公益及び公の秩序に反してはならない」と新たな制約を課した。

今の憲法でも、自由と権利は野放図には認められない。大きな音で音楽を聴きたい人、その隣の家には静かに読書したい人…。互いの自由がぶつかれば憲法が定める「公共の福祉」を理由に制限される。ただ、この考え方はお互いが譲り合うことで、他者の人権を認めるというのが基本だ。

しかし、改憲草案は「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に置き換え、人権よりも高い価値を与えた。自民党も「基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではない」と、政権の判断で国民の自由や権利は制限される場合があると認める。

安倍晋三首相は210日の衆院予算委員会で、「憲法とは権力を縛るためだけのものという考え方は古い」と語った。

もし改憲草案が新たな日本の憲法になれば、どうなるのか。一橋大の阪口正二郎教授はこう話す。

「権力が好きなことをして、国民の自由はどんどんなくなっていく。社会は息苦しくなる」(この連載は生島章弘、中根政人、関口克己、上野実輝彦、金杉貴雄が担当しました)



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2014324日 東京新朝刊 1面より 

 

 

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