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2014年3月17日 (月)

気になるニュース 500

 

このままでは関連死は増え続ける・・・
引用書き起こし開始。

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311後を生きる】 先見えず 増える関連死


17年前、へき地医療を志した医師の関根俊二さん(71)は国立病院を退職し、福島県浪江町で住民の健康を担ってきた。東日本大震災後は、町民の避難先である二本松市の仮設住宅の一角で診療を続けている。先の見えない不安を抱える住民たち。福島県の震災関連死者数は、震災による直接の犠牲者数を上回る。「生活に希望が見えなければ、関連死はなくならない」と訴える。(飯田孝幸)


◆二本松 仮設の診療医が警鐘

二本松市北東部の高台にある安達運動場に約240戸の仮設住宅が並ぶ。最寄り駅までは約1.7キロ。今月3日、周囲の田畑はまだ雪に覆われていた。浪江町国民健康保険仮設津島診療所で勤務する関根さんは、診療所中に響くような元気な声で、患者と接する。診療時間の後、患者の高齢女性があいさつに訪れた。「あの人のだんなさんも関連死だよ」。やりきれなさそうに話す。

郡山市の国立病院で外科医としてメスを振るっていたが、病院の統廃合を機に、1997年に津島診療所の医師となった。それまで診療所の医師はなかなかいつかず、12年で交代していた。関根さんが着任したときも、住民たちは「今度はいつまでいるかな」とうわさしていたという。関根さんは地元の運動会に参加したり、住民と酒を酌み交わしたりして地域に溶け込んでいった。大学病院や国立病院にいたときよりも、医師として充実した時間を過ごしていた。

20113月、そんな生活が原発事故で奪われた。郡山市に自宅があったが、避難住民と一緒に行動し、診療を続けた。同年9月に安達運動場に腰を落ち着けた。

津島にいたころは医療圏の住民は13001400人だったが、現在は浪江町から二本松市内の11カ所に避難している4000人が診療対象。患者は1日五十数人で、多い日には70人が訪れる。1人では手が足りず、浪江町で個人開業していた医師が応援に来る。

仮設住宅では閉じこもりがちな人が多い。関根さんは積極的に話し掛け、患者とのコミュニケーションを心掛ける。ある患者は「先生、いつになったら浪江に帰れるんですか」と問い掛けてくる。進まぬ復興に怒りをぶつける患者、あきらめきっている患者。「働き盛りの人が一日中仮設でゴロゴロするしかなく生活習慣病になる。高齢者は生活不活発病が増え、心身ともに落ち込み、うつ状態に。認知症も増加している。こうした人たちが、この先、関連死する可能性は十分ある」と気に病む。

関根さんは「避難者に生きがいとコミュニティーを取り戻させてやることが大切」と話す。しかし現実は厳しい。「本当に自宅に帰ることができるのか。いつになったら帰れるのか。みんなそれを知りたがっている。早く方針を示し、生活環境を整えることが国がすべきことじゃないのか」と怒りをあらわにする。

浪江町など8町村で構成する双葉郡には震災前、54人の医師がいたが、いま県内に残るのは19人。住民の帰町、帰村が実現しても、崩壊した地域医療を再興する見通しはない。「もうそろそろ引退してもいい年なんだが、後任がねえ…」。白衣を脱ぐ日は、まだ先になりそうだ。



311

2014317日 東京新聞朝刊 4面より 

 

 

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