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2014年3月13日 (木)

気になるニュース 493

 原発より公営住宅が先だよなあ・・・
引用書き起こし開始。

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*復興に苦闘する女川ルポ 深刻な人口流出


東日本大震災から3年。津波によって壊滅的な被害を受けた宮城県女川町は、復興に向けてあがいている。人口流出は深刻で、住宅建設も遅れている。苦境を脱しようと、若手経営者らが立ち上がり、女川ブランドの売り込みに懸命だ。一方で、東北電力は女川原発の再稼働に向けて着々と準備を進める。まちづくりと原発に揺れる女川町を歩いた。(荒井六貴)


◆後れる住宅整備 不安も

「自分の生活は元に戻らず、不安定のまま。とても復興が進んでいるとは言えない」。海産物問屋「青木や」を営む青木久幸さん(38)は話す。青木さんは、仮設住宅で妻と子ども3人の5人で暮らす。

女川町は、最大で14.8メートルの津波にのみ込まれた。死者・行方不明者は827人に上り、住宅約4400棟のほとんどが損壊した。

震災前は約1万人だった人口は、約7400人にまで減った。減少率は25%を超え、被災3県の市町村で最大だ。

町は復興に向け、最大約15メートルのかさ上げをする大規模な区画整理事業を進めている。総事業費520億円。町中心部の約230ヘクタールが対象で、20153月には「復興のシンボルになる」(町復興推進課)という女川駅が再建される予定だ。だが、全体の完成目標は18年度で、まだ4年も先だ。

一方、被災住民のための災害公営住宅の整備は遅れている。17年度までに、945戸の建設を目指すが、完成したのは200戸にとどまる。用地確保が難しく、建設費も高騰。町生活支援課は「土地の造成に時間がかかっている。予定通りに進めるのは難しい」と認める。

入居は抽選。仮設住宅で暮らす養殖業の男性(68)は「自分の住んでいた地区に、公営住宅ができるのは34年後だ。整備する戸数が少なく、入れるかも分からない」と不安を口にする。自宅を再建したい人にも不満がある。家族4人で仮設住宅に暮らす主婦(50)は「区画整理で売却した土地代だけでは、新しい土地を買うことはできない。夫の収入も半減した」と訴える。

こうした状況から人口流出は止まらない。住民票を残して町外に避難している人も多く、「実際に住んでいるのは5000人程度」という見方もある。いったん町外に避難すると、町に戻らないのだ。

人口減少の影響は産業にも及ぶ。震災前に約50社あった水産加工会社のうち、約10社がようやく事業の再開を果たした。だが、肝心の人出が集まらず、どこも苦労している。

魚の水揚げも伸びていない。サンマやイワシなど10年の水揚げ量は約63000トン(82億円)あったが、震災で落ち込み、13年は約48000トン(74億円)までしか回復していない。青木さんは「震災前から、先細りのような状況だった。津波で、漁船や冷蔵施設を失っただけでなく、福島の原発事故の影響で販路も失ってしまった」と嘆く。

そんな逆境を民間の力ではね返そうと、青木さんら町内の3040代の若手経営者が集まって会社を立ち上げた。129月のことだ。「復幸まちづくり女川合同会社」で、主要メンバーの8人は、海鮮販売やかまぼこ製造、飲食店経営などに携わっている。

合同会社の目的は、女川の水産加工物に付加価値をつけて、町外に売り込み、「外貨」を獲得。雇用も生み出し、人を呼び寄せることだ。

大手飲料メーカーの支援を受け、特産水産加工品などに「AGAIN(あがいん)女川」の統一ブランド名をつけて、売り込みを図る。AGAINは英語の「再び」と、「お食べください」を意味する女川の方言「あがいん」の2つの願いを込めた。ブランド認定商品は、今月15日の復幸祭で、お披露目される予定だ。観光客向け養殖業の体験施設を設けることも計画している。青木さんは「外から客を引っ張ってこないと、町は立ちゆかない」と強調する。


◆東北電 再稼動へ攻勢

復興は道半ばの中、東北電力は昨年12月末、女川原発2号機の再稼動に向けた規制基準の審査を原子力規制委員会に申請した。

女川原発も大震災で被災した。海抜14.8メートルの高台にあり、深刻な状況にはならなかったが、高圧電源盤が地震の揺れでショートするなどして火災が起き、一部の非常用ディーゼル発電機が使えなかった。

東北電は、耐震工事や防潮堤建設などの対策を15年度までに終え、16年度以降の再稼働を目指すとする。

女川町が原発の恩恵を受けてきたのも確かだ。同町の震災前の一般会計の規模は60億円程度だったが、うち、原発関連の固定資産税は約30億円、電源交付金は8億円前後を占めていた。ただ、この恩恵はしぼみ始めている。固定資産税は減価償却で年3億~4億円程度減っていく。13年度は自主財源で町の支出を賄えなくなり、18年ぶりに地方交付税の配分を受ける「交付団体」となった。

東北電は既に再稼働に向けたキャンペーンを始めている。社員が1月、女川町と隣りの石巻市の計約4200戸を戸別訪問し、女川原発の安全性を宣伝するチラシを配った。昨年12月には、地元の婦人会メンバー約50人を対象に、女川原発で弁当付きの説明会も開いた。

町も、原発が立地する自治体への視察旅行を再開。昨年9月には12日で、自治会長ら約40人を青森県の東通原発に連れて行った。

「復幸まちづくり女川合同会社」の設立趣旨では、町の商工業が疲弊している要因について「原発関連産業に依存することで、店に集客せずとも、生計が成り立っていた」と指摘している。合同会社代表で新聞販売店経営阿部喜英さん(45)は「原発が動かない現実があり、もはや原発には頼れないということ。時代の変化に対応できるように商売をしていく」と話す。

住民の気持ちには変化が表れている。70代の無職女性は「孫たちに、福島の事故の被災者のような思いをさせたくない。東北電は仮設住宅でイベントを開いて、安全性を説明したり、攻勢がすごい。原発よりも、早く住むところを確保してほしい」と願う。

長年、女川原発に反対してきた高野博町議(共産)は「原発に反対する人が多くなった」と話す。昨年36月に、女川原発の再稼動を認めず、原発からの撤退を知事に求めるという内容の署名を集めたところ、町民約2500人が応じたという。

高野町議は、こう力を込める。「いったん原発事故が起きれば、女川の水産業は壊滅してしまう。福島の教訓を忘れてはいけない」


[デスクメモ]
大震災から1カ月余り後に、女川町に入った。電源交付金で建てた体育館で、住民は寒さに震えていた。あれから3年。脱原発を言うのは簡単だが、地元にはさまざまな事情もある。もともと過疎化の進んでいた町を復興させるのには、どうしたらよいのか。住民の取り組みを応援していきたい。(国)



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2014312日 東京新聞:特報
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014031202000122.html
 

 

 

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