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2014年3月 4日 (火)

気になるニュース 472

 

河北新報社福島民報でも読めます。
引用書き起こし開始。

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311後を生きる】 記者たちの3年 <東京新聞・河北新報・福島民報共同企画>


*二つの風(下)


【原発作業員の被ばく線量限度】
国は「5年で100ミリシーベルトかつ1年で50ミリシーベルトを超えない」と定めている。福島第一原発事故直後は、一時250ミリシーベルトまで引き上げた。201111月に元に戻され、同年1216日の政府の事故収束宣言後は「緊急作業」ではないことになった。多くの企業は国の上限に達しないように、余裕をみて年間1520ミリシーベルト、5年で7080ミリシーベルトに上限を設定。事故から3年を前に、被ばく線量が上限に達し、ベテラン離れが深刻になっている。福島第一原発では現在も13000人以上の人が働いている。


◆原発作業員の声 届ける ベテランや技術者不足 深刻

夜、電話が鳴る。「明日、現場を離れろって言われた」。電話口から沈んだ声が聞こえる。「被ばく線量がいっぱいになっちゃって。次に戻って来るのは2年後かもしれない」

福島県いわき市に通いながら、東京電力福島第一原発で働く作業員の取材をしている。事故から3年。これまで何とか現場に踏みとどまってきたベテランも、5年分の被ばく線量の上限に達し、次々去っている。

事故直後、作業員の結束は強かった。いわき市の旅館やホテルで共同生活をし、暗いうちに現場に向かう。水素爆発でめちゃくちゃになり、放射線量もわからない現場に、震えながら行った人もいた。「現場では被ばくのことなんて気にしてられない。みんな必死で作業をしている」。被ばくのことを尋ねると、口々に言われた。

避難生活をする家族と離れて暮らす地元の人も多かった。働き続ける理由を聞き、「俺ら故郷に帰ること、まだあきらめていないから」と言われたときは何も言えなかった。避難先で亡くなった家族のことや、新しい環境になじめない子どもの話を、泣きながら何時間も話した人もいた。

今、ベテランや技術者不足が深刻になっている。現場によってはベテラン不在で作業が長びき、被ばく線量が増え、疲労が蓄積する悪循環が起きている。

201112月の事故収束宣言後、コスト削減で待遇が悪化。競争入札が進み、仕事が安定せず、作業員が次々離れていった。長年働く男性は「被ばく線量が無くなったら次の人と交代。俺らは使い捨てだ」と吐き出すように話した。大企業は配置換えができるが、下請けや孫請けの作業員には次の仕事の保証はない。心を残しながらも、生活を考え去った人もいた。

昨夏以降、汚染水漏れや人為ミスが相次いだ。「被ばくをしながら必死に作業をしても褒められることはないが、何かあればすぐたたかれる」とベテラン男性。その場にいるとすぐ死ぬような高線量だという誤った報道もあり、何人もの作業員に、「もうやめて帰ってきて」と心配する家族から電話がかかってきた。危険な場所で働いていることは家族に言えないと、つらそうに話す男性もいた。

「作業は今後何十年も続くのに、報道されなくなった。忘れられるのが一番怖い」とつぶやいた作業員の一言が忘れられない。彼らがいなければ、事故収束も廃炉もない。被ばくと闘いながら現場で働く人たちの「福島を忘れないで」という思いを胸に、今後も伝え続けたい。(東京新聞 社会部 片山夏子記者)



311

201433日 東京新聞朝刊 4面より 

 

 

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