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2014年3月 1日 (土)

気になるニュース 469

 

河北新報社福島民報でも読めます。
引用書き起こし開始。

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311後を生きる】 記者たちの3年 <東京新聞・河北新報・福島民報共同企画>


*二つの風(中)


【風評被害と風化対策】
いわき市中央卸売市場が2012年度に扱った市内農作物の数量と取引価格はトマトなど一部で回復の兆しが見えるが、多くは震災と原発事故前を大幅に下回る。ジャガイモ、ブロッコリーなど78割も値を下げた品目もある。震災前に年間1000万人に上った観光客は12年度は730万人にとどまった。一方、風化対策として市は震災と原発事故の記録集を全戸に配布するなどの取り組みを進めている。


◆「風評」「風化」 報道手探り さまざまな声に耳を傾け

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から3年近くが過ぎた。福島県いわき市の農林水産業や観光業は依然、風評に苦しめられている。原発事故の状況を伝える中で「報道が風評を助長している」との指摘をしばしば受ける。原発の現状を可能な限り詳しく報道し、未曽有の災害を忘れさせないことは地元紙の責務だ。「風評」と「風化」。二つの風にいかに向き合うか。手探りの日々が続いている。

風評の根深さを感じる出来事は枚挙にいとまがない。昨年3月、福島第一原発の使用済み核燃料プールで仮設配電盤が侵入したネズミによってショートし、停電するトラブルが起きた。環境への影響はなかったにもかかわらず、市内の食品関連業者は県外のスーパーから取引中止を通告された。福島第一原発からの汚染水漏えいをめぐっては、問題が発覚した直後、家族連れを中心に予約のキャンセルが相次いだ宿泊施設があった。

首都圏の量販店で行われた市産農産物のPRキャンペーンでは、市の担当者と店舗関係者の間でやりとりがあった。市特産のトマトを来店者に試食してもらう際、店側から「いわき市が福島県にあることを必ず付け加えてほしい」と求められた。所在県を知らずに試食した消費者からのクレームを防ぎたい-との思いからだった。福島県と聞いて、口にしようとしたトマトを返した人も実際にいた。やりきれない気持ちだったと市の担当者は振り返る。

市は農林水産部内に「見せる課」を設け、JAいわき市と連携して市内の農産物などの放射性物質検査を実施している。結果はホームページで公表しており、ほぼ全てが検出下限値未満だ。安全性は理解されるはずと思うが、風評は根雪のように残る。

県を挙げて取り組んでいる風評払拭(ふっしょく)の取り組みが逆効果になるとの指摘もある。「県外では原発事故を忘れている人もいる。風評払拭を訴えるほど、事故の記憶を呼び戻し、寝た子を起こしかねない」との懸念からだ。取材先では「紙面で原発問題を大きく取り上げ過ぎだ。生活に直接影響がなければ、小さく扱う配慮をしてほしい」との要望を時折受ける。

一方で震災後に本紙が実施した読者対象のアンケートでは、最も読みたい記事のトップは「原発事故関係」だった。詳しく伝えてほしいとの声が圧倒的に多かった。廃炉への道は長く、険しい。さまざまな声に耳を傾け、報道に当たらなければと肝に銘じている。(福島民報 いわき支社 五十嵐稔報道部長)



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201431日 東京新聞朝刊 4面より 

 

 

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