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2014年2月25日 (火)

気になるニュース 460

 

「我慢してもらうしかない」・・・国策である原発のせいなのに・・・日本一美しい村だったのに・・・
引用書き起こし開始。

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*レベル7 第12部 奪われた暮らし(下)


◆飯舘に住み続ける 老老介護 被ばくしても「こうするしか」

避難指示が出されている福島県飯舘村の関根地区に、実質的に住み続けている老夫婦がいる。庄司隆陳(たかのぶ)(76)と喜久江(76)の2人。東京電力福島第一原発からは42キロ離れているが、自宅前の放射線量は毎時1.5マイクロシーベルトと、国の長期目標の6倍以上ある。ずっと家の中にいても、一般人の年間被ばく線量限度の6倍近くを浴びる環境だ。

「だめなことは分かってるんだ。でも、おじいさんのことがあるから仕方ないね」。喜久江は言う。

原発事故から3カ月後、2人は福島市の県営住宅に避難するにはした。だが、隆陳は17年前の脳梗塞(こうそく)で足が思うように動かず、エレベーターもないため2階に移動するのがつらい。浴槽は狭くて深く、床は硬いコンクリート。手すりもないため、風呂にもまともに入れない。山に囲まれたのんびりした環境から、慣れない共同住宅暮らしに変わって体調を崩し、糖尿病も悪化。「帰りたい」と夜ごとに暴れ、自ら車のハンドルを握って自宅に帰ろうとさえした。

「もう、限界」。2012年正月、「しばらくの我慢」と耐えてきた喜久江だが、夫とともに飯舘の自宅に帰ることを決意。それ以来、午前は片道30キロ、約40分かけて車で県営住宅に戻って郵便の受け取りなどの用事を済ませ、午後からは飯舘に戻る日々を送る。何泊もすることもある。

特に冬は雪が積もり、高齢の身には苦しい二重生活のはずだが、県営住宅では終始険しい表情だった隆陳が、飯舘に帰ると別人のようににこやかになってネコとじゃれ合っている。そんな夫の様子を見ながら、喜久江は「私らには、こうするしかない」と言い聞かせるようにつぶやいた。

 


こんな老夫婦がいることを、村役場は把握はしているものの、「避難を強制はできない」と特段の対応はしていない。月に12回ほど保健師が見回りをしているが、老老介護が破綻する危険は常にある。

県営住宅の浴室をバリアフリーに改修するなどすれば、被ばくしてまで飯舘に帰る夫婦の理由は一つ減るが、県も村も「個別の相談が来たら考えるが、基本的には仮の住まいなので現実的ではない」と消極的。内閣府の被災者行政担当は「応急対応なので、我慢してもらうしかない」とにべもない。

今後、ようやく飯舘村の除染も本格化するが、果たして戻れるようになるのかどうかは分からない。

地元小学校に防災頭巾を贈るなど、新たな生きがいを見いだそうと気丈な態度を見せる喜久江だが「もうあきらめてんだ」とも。「若い人はもう戻れないでしょう。私らだけでも飯舘で暮らすさ」と今後もこの生活を続けるつもりだ。(敬称略)

この連載は、大野孝志、清水祐樹、山川剛史が担当しました。



7

2014225日 東京新聞朝刊 1面より 

 

 

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