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2014年2月22日 (土)

気になるニュース 453

 

今のところwebでは読めないようなので・・・
引用書き起こし開始。 

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*レベル7 第12部  奪われた暮らし(上) 


東京電力福島第一原発事故からまもなく3年がたとうとしている。事故収束には程遠いのに、節目を迎えたとばかり、原発再稼働に向けた動きが強まっている。しかし、忘れてならないのは、今なお14万人もの福島の人々が避難生活を強いられ、さらに多くの人が生活基盤を奪われたままという現実。第12部では、先行きが見えない中で苦闘する人々の姿を追う。 


◆貯金はたき移住決断 荒れる我が家 もう戻れない 

今年1月上旬、久々に福島県富岡町の自宅を訪れた藤原和詮(かずよし)(62)と妻の栄子(65)は、荒れようにがくぜんとした。畳は湿り、歩くと床がたわむ。不用意に歩くと抜けそうだ。昨秋の台風でトタン屋根の一部がめくれ、雨漏りしたのが原因だった。 

「こりゃだめだ。修理のしようがないよ」。2人は顔を見合わせた。 

これまでも押し入れの布団にキノコが生えたり、ネズミのふんだらけになったり、冷蔵庫が異臭を放ったりと、心が折れそうになることは何度もあった。しかし、荒廃の早さは予想を超えていた。 

東京電力福島第一原発から8キロ。昼間だけ出入りできる居住制限区域にある。庭の放射線量は毎時2.5マイクロシーベルト(マイクロはミリの1000分の1)。国の長期目標の10倍を超える。「午後3時までには退出してください」。人影の消えた住宅街にアナウンスが響く中、栄子は「とても元の街には戻らないわね」とつぶやいた。

 
 

3年前の原発事故後、2人は息子を頼って都内に避難した後、5月には町が用意したいわき市内のアパートに入った。栄子の母・由喜子(86)と3人暮らし。 

荒れる家や街、いつまで続くか分からない避難生活。和詮と栄子は移住して早く再出発した方がいいのではないかと思案してきた。和詮が除染関連の測量の仕事で生活費を稼いでいたため、東電の賠償金には手を付けずに済んでいる。 

貯金を合わせれば…。いわき市内で中古住宅を探したが、どれも古い割に値上がりしている。困っていた昨年9月、いわき市の市街地から車で20分ほどの高台で手ごろな土地が売りに出ていた。見晴らしが良く、放射線量も低い。思い切って購入し、新築することを決断した。 

60歳を過ぎ、蓄えも全てはき出し、ゼロからの再出発になる。もちろん生活資金の心配はあるが、2人の表情は明るい。 

「ばあちゃんに一部屋あげられるよ」。和詮がそう言うと、栄子は「ばあちゃんが『やっと落ち着ける』って喜んでいる。まだまだ働かないと。病気もできないね」と応じた。 

決断が間違っていないと確信する和詮は言う。「再起しようとする人にこそ、国や東電の支援があってもいいんじゃないか」

 
 

だが、この2人のように決断できる人は決して多くはない。 

大熊町から会津若松市の仮設住宅に避難した門馬五子(もんまいつこ)(71)は、一人暮らしで収入は年金と賠償金だけ。「住める間は仮設住宅に住んで近所の人たちと相談して決める」と心細げに言う。 

同じ仮設住宅の造園業の村井光(64)も「戻れるなら戻りたいけど線量が高い。弟子に仕事を教えられる土地が得られるなら移住も考える」と決めかねている。(敬称略)



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2014222日 東京新聞朝刊 1面より 

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