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2014年2月13日 (木)

気になるニュース 440

2030年代かー・・・長い・・・
引用書き起こし開始。

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*原発ゼロ時代しのぐ切り札 進む高効率火力発電


全国各地の火力発電所で高効率化が急速に進んでいる。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた「コンバインドサイクル(複合発電)方式」の導入だ。2030年代までには、東京電力が再稼働をもくろむ柏崎刈羽67号機級原発10基分以上が整備される。発電効率が上がれば、燃料使用量と二酸化炭素(CO2)排出量を抑えることができる。再生可能エネルギーが普及するまでの間、原発ゼロ時代をしのぐ切り札といえる。(篠ケ瀬祐司、鈴木伸幸)


◆各電力会社の高効率火力導入と原発再稼働申請状況
(◎印は20113月以降に導入済み、○印は2030年代までに導入予定)
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◆燃料・CO2とも大幅減

「世界最高の発電設備」。関西電力の姫路第二発電所(兵庫県姫路市)の紹介ビデオは、コンバインドサイクル発電設備を誇らしげに紹介している。

姫路第二発電所は、1973年までに運転を始めた老朽火力発電設備を2015年までに、すべて液化天然ガス(LNG)を使ったコンバインド方式化する。更新が終われば、総発電能力は255万キロワットから約292万キロワットに増える。老朽設備にありがちな故障の問題も解消される。

既に新12号機は営業運転を始めている。113月の東日本大震災を受けて計画が前倒しされた。新1号機は計画より1カ月早い138月、新2号機は4カ月早い11月末に本格稼働している。

ガスを電力に変える際の効率は、従来の40%程度から、国内最高水準の60%程度に向上した。燃料費、CO2とも30%程度削減できるという。関西電力の広報担当者は「高効率化で地球環境への貢献を目指す」と強調する。

福島県南東部のいわき市にも、世界最高水準の技術を誇る石炭火力発電所がある。東電と東北電力に電気を供給する常磐共同火力の勿来(なこそ)発電所10号機(出力25万キロワット)だ。

これまでの石炭火力発電は、石炭を燃やして発生させた蒸気でタービンを回し、電気を作っていた。10号機は石炭をガス化した後、タービンを回して発電し、さらにガスタービンの排熱で蒸気を発生させ発電する「石炭ガス化複合発電(IGCC)」を導入した。9つの電力会社と電源開発(Jパワー)が07年から共同で試験運転してきたものを引き継ぎ、13年に「商用転用」した。

「IGCCは米国やオランダ、スペインでも開発が進んでいるが、他は石炭のガス化の際、酸素を使っているのに対し、当社は普通の空気でガス化できる」。石炭ガス化発電事業本部の石橋喜孝本部長は技術の高さに自信を持っている。

東京電力にも同社の広野火力発電所(福島県広野町)と常磐共同火力勿来発電所の敷地内で、それぞれ出力50万キロワットのIGCC建設計画がある。商用運転開始は20年代初頭の予定だ。

石炭の使用可能埋蔵量は100年程度とされる。高効率の石炭火力発電は、国内の電力の安定供給にとどまらず、世界の老朽化石炭火力発電所の改修に、日本の技術が貢献する可能性を秘めている。


◆老朽施設改修 30年代に1700万キロワット超

東日本大震災以降、全国の原子力発電所は定期検査入りなどで順次停止した。125月には全国50基の原発がすべてとまった。12年夏には関西電力大飯原発が再稼働したものの、139月に定期点検入りして以来、原発ゼロが続いている。

それでも供給不足による大規模な停電は起きていない。原発発電分が、家庭・企業の節電や、火力発電の増加でカバーされているからだ。

東京電力管内の電力需要は、10年度の2934億キロワット時から、12年度には2690億キロワット時へと8.3%減った。一方、全国の火力発電による発電量は、10年度が5533億キロワット時だったのが、12年度には7359億キロワット時に急増した。

火力発電量が増えたのは、震災後の増設や老朽火力発電のコンバインド化が理由の一つだ。

震災後これまでに、東電の川崎火力発電所(川崎市)や関電の姫路第二発電所、中部電力の上越火力発電所(新潟県上越市)など6つの発電所でコンバインドサイクル設備が導入された。出力合計は417万キロワットにのぼる。

民主党政権が「原発ゼロ」の達成目標時期として掲げていた30年代までには、北海道電力の石狩湾新港発電所(小樽、石狩両市)など9電力の発電所でコンバインド化が予定されている。出力合計は1700万キロワットを超える見込みだ。

大手電力会社だけでなく、常磐共同火力のように、電力会社に電力を供給する卸売事業者の設備更新も加わるから、全国の火力発電の能力はさらに上乗せされる。


◆国も必要性を指摘

高効率火力発電の導入は国策でもある。13年の産業競争力会議で、茂木敏充経済産業相が高効率火力発電の必要性に触れている。

資源エネルギー庁によると、現在、電力供給の9割は火力発電が占め、残り1割を水力などでまかなっている。火力発電の使用燃料はLNGが51%と最も多く、次いで石炭が33%、石油が13%だ。

日本はこれらの資源を自給できないため、エネルギーの輸入量、額とも上昇している。10年度に181000億円だったのが、12年度には247000億円に跳ね上がった。

原発推進派はこの点を突く。安倍晋三首相は「国富が2013年に36000億円も逃げた」と原発再稼働の必要性の根拠にしている。原発推進のもう一つの主張は、環境への影響だ。火力発電の燃料のうち、最もCO2排出量が少ないLNGでも、発電時に限れば、原発よりも多いのは事実だ。

だが、コンバインド方式を採用すれば、燃料使用量やCO2排出量は一定程度抑えることができる。CO2を回収する技術の開発も進んでいる。

エネルギー専門のネットニュースサイト「スマートジャパン」の石田雅也氏は「今後、再生可能エネルギーの開発も進むので、火力発電が全体に占める割合は減る。各電力会社とも原発の再稼働を目指しているものの、実際には再稼働できるのは一部で、電力供給は火力を主体にせざるを得ないと考えているはずだ」と指摘している。


[デスクメモ]
東日本大震災の際、常磐共同火力勿来発電所も激しい揺れと大津波で甚大な被害を受けたが、3ヶ月半後には早くも一部で営業運転を再開した。電力供給への責任感には頭が下がる。福島には、東京電力広野火力や東北電力原町火力もある。原発がなくとも、重要なエネルギー基地であることに変わりはない。(圭)


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2014213日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014021302000172.html

 

 

 

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