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2014年2月 3日 (月)

気になるニュース 428

 

「論理性のない国家意識」・・・
引用書き起こし開始。

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*日中戦争前夜? 安部軍拡の愚


軍拡一直線の安倍政権を見ていると、日中戦争前夜のような雰囲気だ。現在の日中関係を第1次世界大戦前の英独関係になぞらえた安倍晋三首相の発言は、その疑念を増幅した。しかし、あおられてはいけない。無人の尖閣諸島(沖縄県)を取り合う戦争など本当に起こり得るのか。中国の軍事的な挑発にはどう対応すればいいのか。戦争を防ぐためのリアルな安全保障論を追究した。(林啓太)


◆尖閣諸島をめぐる動き

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◆とにかく「相手より大きく」

「今年は第1次世界大戦から100年だ。英国とドイツは経済的依存度が高く、最大の貿易相手国だったにもかかわらず戦争が起きた」。安倍首相は、1月下旬にスイスで開かれたダボス会議の際、尖閣諸島をめぐる日中の武力行使の可能性を問われ、第1次世界大戦で激突した英独関係を引き合いに出した。「似ている」と直接言ったわけではないが、会議の参加者たちに衝撃を与えた。

なるほど東シナ海は風雲急を告げるかに見える。尖閣諸島の領有権を主張する中国側の領海侵犯は急増中だ。日本が尖閣諸島を国有化した20129月から今年1月までは延べ262隻にも達した。

空にも緊張が走る。中国政府は昨年11月、尖閣諸島を含む東シナ海の空域に、戦闘機の緊急発進(スクランブル)の基準となる「防空識別圏」を設定した。中国機に対する航空自衛隊の緊急発進は昨年1012月、12年同期比の約1.5倍に当たる138回を数えた。

大国化する中国への対抗心に駆られた安倍政権は、軍拡を推し進める。想定するシナリオは、九州の南から台湾にかけて連なる南西諸島への中国軍の来襲だ。14年度予算案の防衛費は、48848億円と2年連続で増額。昨年12月に閣議決定した中期防衛力整備計画(中期防)に基づき、敵に占領された離島に上陸して取り返すための水陸両用車2両の追加購入費を計上した。

軍事力に重きを置く識者は当然、安倍政権の対中安保戦略を高く評価する。

防衛大の村井友秀教授(国際紛争論)は「中国は、貧富の格差など国民の不満を外にそらすために日本脅威論をあおっている。共産党支配が揺らぐような事態になれば、経済的な損失を度外視しても尖閣を取りに来る」と予測する。

元海将補で安全保障専門家の川村純彦氏も「中国は西太平洋への進出を図っている。日米の防衛ラインを突破しなければならない。尖閣を占領して補給基地やミサイル基地にすれば、南西諸島を攻略する足掛かりになる」と指摘する。

米国は、尖閣諸島が日米安保条約の適用対象だと表明している。日米が共同で中国軍をけん制すれば、紛争は防げそうだが、川村氏は「甘い見方だ」と一笑に付す。「中国は最初から正規軍を上陸させるような作戦は取らないだろう。漁民を装った工作員を尖閣に上陸させ、国民保護を名目に軍を居座らせる。米軍は明確な侵略だと判断できなければ動かない」

村井氏も「軍事力は相手より大きい方が良い。中国側に『日本に勝てる』という誤解を生じさせないくらい強くしなければならない」と力を込める。


◆尖閣上陸 あり得ない 疑心暗鬼ばかり

もっとも疑心暗鬼による軍拡競争は、いわゆる「安全保障のジレンマ」に陥りやすい。そもそも、尖閣諸島をめぐる中国脅威論に妥当性はあるのか。

1次安倍政権などで安全保障担当の内閣官房副長官補を務めた柳沢協二・国際地政学研究所理事長は「中国軍が尖閣に上陸し、占領する事態は、理論上は想定できても、現実には起こりえない」と断言する。

「尖閣は岩ばかりの小島で隠れる場所がない。日米が制空権も制海権も確保する下では、上陸しても艦砲射撃や爆撃を受けて全滅する。こうした危険性は中国側も分かっている」

「中国軍の南西諸島来襲」との安倍政権の想定についても、柳沢氏は「無理がある」と一蹴する。

「米中が経済的な関係を深める中で、中国が米軍基地のある沖縄本島を占領し、それを水陸両用戦力で取り返す戦争などはあり得ない。それでも武張った戦略を作ったのは、安倍政権の論理性のない国家意識に合致しているからだ」

元外務省国際情報局長の孫崎享(うける)氏も「日中の警備艇同士の衝突が起こる可能性は否定できないが、だからといって中国が尖閣まで取りに来るとは考えられない。中国は現在、軍事的な行動で日中間の緊張を高めることをプラスと捉えていないはずだ」とみる。

では、領海や領空への中国側の侵犯にどう対応すればいいのか。柳沢氏は「先に撃った方が負けだ。領海侵犯した中国船には、海上保安庁の巡視船が退去を求めるだけだ」と説く。

とはいえ、中国の国防費は、公表分だけでも過去10年間で約4倍にも膨れ上げる。日本の安全保障を脅かしているのではないか。

前出の川村氏は「中国が西太平洋や南シナ海への進出を図る狙いは、両海域から米国の影響力を排除することだ。核ミサイルを搭載した原子力潜水艦を水深が深く隠密行動を取りやすい南シナ海に展開し、米本土を射程範囲に置いて脅そうとしている」と訴える。

柳沢氏も「米国が常に日本の都合で動いてくれるわけではないが、当面は、米国の核抑止力に依存せざるを得ない」と認める。

それにしても安倍政権は軍事に偏りすぎではないのか。中国の軍拡を抑制するには、国際世論を味方に付ける外交力こそが重要だ。

柳沢氏は「角逐する米中の間に位置する日本は、米中にものを言える潜在的な力を持つ。頑張れば、したたかな外交を展開することも可能だ」と強調する。

例えば柳沢氏は在沖縄米海兵隊の撤退を提案する。

「世界中を常時、移動している沖縄の米海兵隊は実は実質的に抑止力になっていない。ただ、中国側は海兵隊に心理的な威圧は感じている。海兵隊の基地を沖縄から撤去させることを条件に、中国側に海での挑発行為をやめさせてはどうか」

孫崎氏は、尖閣領有権問題の「棚上げ」が持論だ。

「日中の首脳間で尖閣の棚上げで暗黙の了解があったと、外務省元幹部も証言した。両国に尖閣の主権をめぐる対立があるのは公然の事実だ。日本が実効支配を維持したまま棚上げできれば日本の国益にかなう」

だが、集団的自衛権の行使容認まで視野に入れる安倍政権には馬耳東風かもしれない。柳沢氏は「安倍首相の靖国参拝で、現政権による日中の交渉の芽は完全につまれてしまった」と嘆く。

「中国脅威論を鎮めるどころかあおっているような首相に外交は無理だ。日中の戦争を防ぐには、まずは安倍政権に退場していただくしかない」


[デスクメモ]
日本人にとってはなじみの薄い第1次世界大戦だが、戦禍を被った欧州では機微に触れる話だ。首相のダボス発言は、「時事ネタ」レベルで大戦に触れたのかと思うほどの気軽さである。麻生副総理の「ナチス発言」も記憶に新しいところだ。安倍政権の歴史認識を問題視するのは、中韓ばかりではない。(圭)


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201423日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014020302000122.html

 

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