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2014年1月31日 (金)

気になるニュース 422

 

精神的にキツくて読む気になれなかったけど読んでみようか・・・
引用書き起こし開始。

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【紡ぐ 2014】 防護服の父 娘捜し続け


東京電力福島第一原発のある福島県大熊町で、木村紀夫さん(48)は東日本大震災の津波に流された当時7歳の娘、汐凪(ゆうな)ちゃんを捜し続ける。写真家の尾崎孝史さん(48)は、その姿に心打たれ、311に町で何が起きたかを、関係者を訪ね歩いて検証。ルポ「汐凪を捜して」(かもがわ出版)を出版した。震災から間もなく3年。「今も原発の町に人知れず眠る少女がいる。その声なき声に耳を傾けてほしい」と話す。(樋口薫)


◆大熊町 原発関係者「タブー」破り証言

紀夫さんの自宅は、原発から約3キロ南の海岸近くにある。津波で父王太朗(わたろう)さん=当時(77)=と妻深雪(みゆき)さん=当時(37)=、次女の汐凪ちゃんを失った。いずれも自宅近くにいたとみられる。紀夫さんは、当時働いていた富岡町の牧場にいた。原発事故が発生したため、母と長女を守るために避難し、3人の捜索は断念せざるを得なかった。

その後、父と妻の遺体は見つかったが、汐凪ちゃんは未発見のまま。町で最後の行方不明者となった。紀夫さんは今も月に一度、5時間だけ許された一時帰宅のたびに、防護服を着て捜索を続けている。

尾崎さんは震災直後、大熊町からの避難者を取材中に紀夫さんと知り合った。「家族が最後どうだったか知りたい」との言葉に動かされ、2012年春から、紀夫さんに代わって県内外に散らばった町民を訪ねて歩いた。

汐凪ちゃんの同級生、担任の先生、深雪さんの同僚、地元の消防団員─。丹念な取材で、3人の最後の足取りはほぼ判明した。だが、報告を受けた紀夫さんの疑問は残った。「あの日、原発で何が起きていたのか」 「放射能の危険がある原発がなぜ町にあったのか」

尾崎さんはさらに取材を続けた。質問の内容はより踏み込んだものになり、対象は町職員や東電社員、原発作業員にも及んだ。大熊は原発の立地により発展した町で、原発関係の職に就く人が多い。周囲の目を気にして、みんな口が重かった。それでも「汐凪ちゃんのために、教訓を語ってほしい」と頼み込むと、原発を誘致した際の町の受け止めや事故当時の原発内部の様子など、貴重な証言が集まった。

昨秋、東電幹部が誰ひとり刑事罰を問われることなく不起訴処分となり、原発の状況は「コントロールされている」という首相のスピーチによって東京五輪の招致が決まった。「捜したくても捜せない少女がいるのに」。尾崎さんと紀夫さんは、1年半にわたる取材結果を出版しようと決めた。

出来上がった本には、たくさんの写真が収録されている。防護服姿で捜索する紀夫さんの写真や、除染して持ち帰った汐凪ちゃんの写真などだ。取材に応えてくれた人々の写真も掲載した。「町民にとっての『タブー』を破り、原発について語ってくれた言葉はどれも重い。表情とともに受け止めてほしい」。写真家である尾崎さんのこだわりだ。

紀夫さんは12年春から、避難先の長野県白馬村で長女の舞雪(まゆ)さん(12)と暮らしている。中古で購入したペンションに、エネルギー効率の良いまきストーブを設置し、原発に依存しない省エネ生活を模索中だ。「震災はエネルギーや防災など、いろんなことを考えるきっかけ。子どもたちが将来住む世界が今のままでいいのか、本を手に取った人に考えてほしい」


[町民らの証言]

尾崎さんが集めた大熊町民の「教訓」(「汐凪を捜して」から抜粋)。

◆町の災害対策担当の男性職員
「町に届く情報には疑問を感じていました。本当に危険性を察知していたら、『こういうことが考えられるから、避難の準備をしてください』というのが本当でしょう。県の職員も来た、副知事も来た、東電の副社長も来た。けれど、誰からも『逃げろ』の一言もありませんでした」

◆大熊町の渡辺利綱町長
「小学生くらいの時かな、原発が大熊町に誘致されるという話があって。『税金もたくさん入りそうだ。電気も安くなりそうだ』なんて。地域の人たちも、反対することなく受け入れたという経緯もありましたし。よその原発立地自治体と違って、工事は淡々と進みました。多くの自治体が財政難と人口減少に悩む中で、大熊町は財政的にも恵まれていました」

◆東電の協力会社所長だった男性
311があって原発がどんどん爆発して、『みんな安全だ、安心だと言ってきたけれども間違いだった』と、初めて言い出したわけです。もう、これからは『想定外でした』なんて言い訳にならないですよ」

◆町出身で東電社員の男性
「関東に住んでいる方にせよ、この事故に遭っていない方というのは、まだ電気が自由にくると思っているんですよ。それをいきなり生活のレベルを落としてまでやれるかと言うと、やれないと思うんですよ」

◆木村紀夫さん
「原発を動かして、その電気を使っているのはわれわれですよね。原発がなくても生きていけるような生活をすれば、原発はなくせると思うんです。だって、人の命より経済の方が大事なんてどうなんですか」


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本紙で脚本を紹介した相馬高校(福島県相馬市)放送局の演劇「今 伝えたいこと(仮)」のDVD上映会が22日午後2時から、東京都品川区の聖心侍女修道会日本管区本部地下ホールで開かれる。無料。問い合わせは℡09018327185へ。


Photo

2014131日 東京新聞朝刊 4面「311後を生きる」より 

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