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2014年1月30日 (木)

気になるニュース 421

 

都民じゃないけど気になりすぎる・・・
引用書き起こし開始。

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*東京都知事選 脱原発は「シングルイシュー」か


今回の東京都知事選では脱原発が大きな争点となっている。これに対し、「原発問題だけで知事を選んでよいのか」と、脱原発のシングルイシュー(単一の争点)化を批判する声も上がっている。だが、そもそも脱原発という命題は単なるエネルギー問題なのか。そこには都市と地方、民意と政治、未来の暮らし方といった広範な課題が内包されているのではないか。(出田阿生、上田千秋)


◆単なるエネ問題ではない 消費地の東京も責任

「事故以降、海外で日本についての最大の関心事は原発問題。それなのに、なぜ日本では大きな課題として議論されないのか」

東京に駐在する英フィナンシャル・タイムズ紙のジョナサン・ソーブル記者は首をかしげる。

福島原発事故後の201212月の衆院選、137月の参院選とも、原発問題は最大の争点にはならず、再稼働に前向きな自民党が圧勝した。

「世論調査では有権者の過半数が『脱原発』と望んでいた。経済や外交問題を優先させたのだろうが、今回の都知事選は、原発について判断する機会になるはずだ」(ソーブル記者)

ニューヨーク在住のフリージャーナリスト、ヘザー・ハーランさんは「私が話した日本人の大半は原発をなくしたいと考えていた」と語る。「政府に直接抗議する人が減っても、関心は減っていないと思う」

とはいえ、この都知事選でも「原発は国策で都知事選の争点にはふさわしくない」 「都政の課題はエネルギー問題だけではない」という声が上がっている。

「シングルイシュー」という批判だが、果たして原発問題は単なるエネルギー問題なのだろうか。

「福島原発事故により、電力の大消費地である東京という都市が、福島や(柏崎刈羽原発がある)新潟に犠牲を押しつけることで成り立っていることが明らかになった。『原発は国の問題』とみなすのは倫理的におかしい。電力消費者である都民もまた当事者だ」

東京大の高橋哲哉教授(哲学)はそう語る。いまなお苦難を背負う福島の被災者たちと、原発から利便性を享受してきた都民を切り離すことはできない。

現実面でも、福島事故では都内の交通網がまひし、一部の地域では計画停電も起きた。「日常生活から企業の経済活動まで、電気はあらゆる分野に関係する。全く関係がなかったという人はいないはずだ」

倫理の問題は、放射性廃棄物の最終処分場の選定にも及ぶ。「将来の世代に負の遺産をつけ回してよいのか。それを是とするなら、東京が引き受けるべきではないのか。そういう問いが突き付けられている」

東京と関係する原発立地では、脱原発の流れが強まっている。福島県は福島第一だけでなく、第二の4基の廃炉を求め、新潟県の泉田裕彦知事は東京電力が7月以降に順次予定している柏崎刈羽の再稼動に慎重な姿勢を示している。

福島県飯舘村から福島市に避難している農業菅野哲さん(65)は「一番電気を使っているのは東京。そこでちゃんと議論してほしいという思いはある。東京が脱原発を真剣に考えてくれれば、福島第二の廃炉にも弾みがつく」と語る。


◆民意届くか 国政を変えるきっかけ

脱原発は国民の多数意見なのに、政治に反映されない。なぜなのか。

本紙が先日実施した都知事選世論調査でも「即時」 「ある程度時間をかけて」を合わせて、6割の対象者が脱原発を支持した。しかし、政策別の関心事選びになると、原発・エネルギー政策は3番目だった。

「多くの国民は『いずれは脱原発』と考えている。しかも特定秘密保護法や靖国参拝、教育委員会制度改革とイデオロギー色を強めている安倍政権に不安を持つ人は多い。民意を政治に反映させるには、こうした問題を原発とセットで有権者に訴えればいい」

東京大の宇野重規教授(政治思想史)はそう説く。「原発のメリットだけを受けてきた東京が、リスクについての不公平を是正しようとすることは大切。他の自治体より多大な税収があることも考えれば、任務とさえいえる。政党政治の国政選挙と違い、首長選は民意を反映しやすい」

196779年に3期務めた美濃部亮吉都知事は、環境や福祉などの新たな価値を訴えた。原発問題もまた、価値観を問う。電力会社や国が再稼働を唱える理由の一つは経済性だ。経済優先の社会から抜け出す選択ができるのか否か。そうした大きな問いを原発問題は提起している。

神奈川大の橘川俊忠名誉教授(日本政治思想史)は「大量生産・大量消費、利潤の追求だけでは経済が回らない時代になった。原発の是非が問うているのはどれだけ想像力を広げ、長い時間軸で政策を考えられるかということ。福祉や教育も含めて、今後の日本の針路をどうするかということにつながる」と話す。


人よりカネ? 福祉、子育て…優しい社会は

ブラック企業の横行や、高齢者介護の負担増には「自己責任」の論理が張り付く。その理屈は一部で原発立地にも向けられている。安倍政権は社会保障を縮減させる一方、公共事業には膨大な予算を注ぎ込み、従来型のばらまき政治を再来させている。こうした流れを支える思想と、原発を林立させてきた論理は重なり合う部分が少なくない。

宇野教授は「対立軸を作るのなら、原発政策を中心として『311以前の日本に戻すのはおかしい』と、セットで訴えることが必要だろう」と提案する。

安倍政権は原発推進路線へと回帰し、環太平洋連携協定(TPP)を推進しているが、地方の現場では再生可能エネルギーの普及や食品分野で「地産地消」の輪が広がりつつある。

慶応大の金子勝教授(財政学)は「電力政策が国政の課題だというのは20世紀型の考え方。原発という大きな施設をどこに立地するのかという点で国が考える必要があったが、これからのエネルギーは地域分散型。まさに地方選の争点として捉えるのがふさわしいテーマだ」と力説する。


◆新たな産業生む起爆剤

さらに金子教授は、脱原発が世界を主導する新たな産業を生み出す起爆剤にもなりうると期待する。

「数年たてば、世界の注目は20年五輪の開催地である東京に集まる。そこで再生エネルギーや省エネルギーの粋を集めた最先端の技術を世界のメディアに示せれば、日本の産業界が復活ののろしを上げられる。産業界が活性化することで雇用も創出でき、有権者の関心が高い経済分野の問題解決にもつながる」

脱原発はエネルギー問題というシングルイシューではない。社会全般の方向を示す未来図だ。「今回の都知事選は、原発をどうするかこそを問うべき選挙だ」と金子教授は強調した。


[デスクメモ]
東京都は2カ月以上も事実上の知事不在だが、それでも行政は回っている。議会の現状も考えれば、知事に諸課題を委ねるより、この選挙による政治的影響がより大切に思える。国政では、国民主権の崩壊が危ぶまれる異様な事態を迎えた。委ねずに選ぶ。有権者一人一人が政治の流れを見極めねばならない。(牧)


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2014130日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014013002000168.html

 

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