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2014年1月28日 (火)

気になるニュース 419

 

東電の賠償支払いを減らしたいから帰還させる、中間貯蔵施設を造りたいから移住させる…せめて支援は厚くしてほしい。
引用書き起こし開始。

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*福島の人口減に自治体の危機感深く


福島県は24日、東日本大震災以降の同県の人口動態統計を発表した。県全体では今年元日の人口は、201131日当時と比べ、78000人(3.9%)減の1945000人。当然、東京電力福島第一原発周辺の自治体で減少が著しい。政府は「帰還」と「移住」の双方を掲げているが、原発周辺の町村では自治体の運営自体に危機感を募らせている。(榊原崇仁、白名正和)


◆東京電力福島第一原発事故前後の福島県内の人口比較(単位は人、▲はマイナス)

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◆子ども人口減深刻

「住民が帰還しなければ税収が見込めず、行政サービスが十分できるとは限らない」。富岡町の担当者はそう懸念を強めた。いま、福島県は人口流出という難問にも直面している。

福島県の避難者数は6日現在で138900余人に上る。ピークの126月の164000人あまりから減ったが、依然として多くの人たちが古里を離れた生活を送っている。

津波などが原因で命を落とした人は県内で1603人。現在は原発事故に伴う避難生活などが原因で亡くなった関連死の方が多く、1627人に上る。

県の人口統計は住民票の異動を基に算出しており、減少分の8万人弱の多くは本格的に住民票を移して県外移住したとみられる。

復興庁が把握する県外避難者と震災に伴う死者を足した数は5万人あまり。これを上回っているのは、県外の親類宅に避難した例などを十分把握できていないためだ。

県の統計によると、事故から2年が過ぎたころから県内人口は横ばいになりつつあるが、ゼロ~14歳の人口は事故前から10.6%減った。第一原発に近い相双地区の南相馬市と広野町は22.3%、川内村は19.4%の大幅減。これらの市町村の住民は県内の別の市町村に避難した例も多い。

ちなみに文部科学省の調査では、県内に残る幼稚園~高校3年の子どもたちは、標準体重より2割以上重い「肥満傾向」の出現率が全年代で全国平均を110ポイント上回る。放射能を避けるために屋外の活動が制限された影響だ。


2034歳人口流出も目立つ

相双地区では将来を担う2034歳の人口流出も目立つ。働き盛りで子育て世代でもあるが、双葉町が25%減、南相馬市が24.7%減、富岡町が23.1%減。男女比では、半数の市町で女性の方が減少値は大きく、男女間で10ポイント以上の差がある自治体も。父親は仕事のため県内に残り、母親と子どものみで避難する状況も浮かび上がる。

一方、65歳以上の高齢者は大熊町の5.5%など増加傾向が見える。古里で暮らしたい意識が強く、団塊の世代がこの年代に加わりつつあるためだ。

高齢層は介護はじめ行政の支援を多く必要とする。各市町村は税収増が見込みにくい中、支出ばかりを強いられることになる。


◆震災後 村民税7割減も

政府は「全員帰還、原状回復」の原則を昨年末に打ち出した復興指針で断念、代わりに「早期帰還の推進」と「移住の支援」という相反する策を示した。

帰還は「避難指示解除準備区域」や「居住制限区域」向けで、東電の賠償軽減に結果する。移住は「帰還困難区域」が対象で、放射性廃棄物の中間貯蔵施設建設計画に絡む。14年度予算案では、住宅支援や個人線量計配布などに1088億円を「福島再生加速化交付金」として計上した。

移住について深刻な問題は「無人地帯」がつくられる可能性があることだ。

政府が示した中間貯蔵施設の建設候補地は大熊、双葉両町全体の8分の1を占め、双葉町役場など中心部も対象になっている。廃棄物は少なくとも30年にわたり保管され、その間、周辺は立ち入りできない。

建設候補地は国が買い上げる見通しで、すでに移住を決めた住民もいる。ただでも双葉町の96%、大熊町の62%が帰還困難区域。移住の加速が予想され、町の存続を危ぶむ声が強い。

帰還困難区域が約12%を占める富岡町では、震災前の人口は約16000人。新たに住宅を購入する世帯の転入などで、増加傾向にあった。しかし、原発事故以降は避難指示が続いているため、町には現在、誰も住んでいないという。

昨年夏に行ったアンケートでは、回答した約3900世帯のうち、町に戻る意思を示したのは1割ほどだった。総務課の担当者は「住民がほとんど戻らない恐れがある」と沈痛だ。

全村避難している飯舘村も「人口の数だけでなく、中身も重要だ。女性や子どもは用心するだろうから、高齢世帯が中心となる。そうなるとどうしても、介護や医療面でのサービスを重視せざるをえない」(村総務課)とみる。

村民アンケートでは、若い世代ほど帰らない意思を示している。「住民が戻らなければ、買い物の環境なども充実しないだろう」(同)と不安が募る。

川内村では、帰還困難区域がないにもかかわらず、届出人口約2600人のうち、約1460人しか村に住んでいない。「そのうち40歳以下は4分の1で、保育園と小中学校に通う子どもは54人。時計の針が急に回って、超高齢化になってしまった」と遠藤雄幸村長は話す。

税収確保も難しくなる。同村の村民税収入は09年度は8600万円あったが、12年度は7割減の2300万円にまで減った。

「介護施設や集合住宅の建設など取り組むつもりだが、小さな自治体ですべてをやるのは難しい。限界集落が出てくる恐れもある。住民票を残しているのは、いつかは村に戻りたいという思いからだろう。でも、住民票がないと避難先で必要なサービスが受けられなくなるとなれば、どうなることか…」(遠藤村長)

避難指示区域のないいわき市では「人口の減少率は震災前の数字に戻りつつある」(総務課)という。ただ「廃炉が完了するまで戻りたくはない」という思いから、市に住民票を残したまま市外で暮らしている人が女性や子どもを中心に7400人いる。「不安が事故にあるので、戻ってもらうよう市として直接的な対策を取るのは難しい」

人口減は地域のつながりも直撃する。相馬市でスーパーを営む中島孝さん(58)は「地元に根差した商店のような地域経済が一番に影響を受ける。『頑張ろう』と共有している心の底からの付き合いも、弱くなってしまう」と心配している。


[デスクメモ]
国が被災者を対象に進める「帰還」も「移住」も、根は東電救済で結ばれる。そうした政策に踊らされる14万人もの福島の「被害者」たち。その苦難の責任の一端は電力の消費地、東京の住民にもある。都知事選で原発問題は国レベルの課題という人がいる。異議がある。消費者の倫理が問われていないか。(牧)


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204128日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014012802000151.html

 

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