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2014年1月25日 (土)

気になるニュース 416

二本松市長はけっこう頑張っていたと思うけど・・・
引用書き起こし開始。

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*いら立つ福島 楢葉町で住民投票請求 現職落選ドミノ


永田町は、東京都知事選や通常国会開会で盛り上がるが、被災地の復旧・復興は遅々として進まない。福島原発事故を抱える福島県では昨年、郡山やいわき、二本松の市長選などで現職の落選が相次いだ。有権者のいら立ちが身近な自治体の首長に向けられた格好だ。中間貯蔵施設の候補地に挙がる楢葉町では次の選挙まで待てないとばかりに、町民有志が建設の是非を問う住民投票条例制定を直接請求した。福島の民意を考える。(榊原崇仁、白名正和)


◆民意なき復興 帰還促しつつ、中間貯蔵施設受け入れ要請

「楢葉は帰還が見込めるのに迷惑施設の中間貯蔵施設を建設する必要があるのか。町の主権者である町民に判断を仰ぐべきだ」

住民投票運動を主導する結城政重・楢葉町議は、「こちら特報部」の取材に力を込めた。

東京電力福島第一原発事故による除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、楢葉町議会は24日、臨時議会を29日に開き、建設の是非を問う住民投票条例案の審議と採決をすることを決めた。

結城町議ら住民有志は10日、住民投票条例制定を直接請求した。有効署名は、有権者の34%に当たる2151人分。直接請求に必要な50分の1126人分)を大きく上回った。「町民があちこちに避難する中で集めた意味は大きい。避難していなければ、署名数は有権者全体の78割になっていたはずだ」(結城町議)

政府は昨年末、第一原発がある双葉、大熊両町と第二原発がある楢葉町に中間貯蔵施設の受け入れ同意を要請した。ただし、結城町議らからすると、楢葉は他の2町と少し事情が異なる。2町は町域の多くが帰還困難区域だが、第一原発から15キロほど離れた楢葉は避難指示解除準備区域と、今は避難指示が出ていない区域に分かれる。2町より線量が低いのだ。

楢葉町は、中間貯蔵施設の代替施設として「保管庫」の設置を政府に提案してきた。中間貯蔵施設には1キロ当たり10万ベクレル超という高濃度の除染廃棄物を搬入するが、保管庫ではこの基準以下の廃棄物のみを受け入れるのだという。

しかし設置主体の政府は中間貯蔵施設にこだわる。楢葉町では第二原発に近い波倉地区で3平方キロメートルの用地を買収したうえ、同町や隣のいわき市、広野町の廃棄物を搬入する計画だ。

結城町議らは中間貯蔵施設にも保管庫にも反対する。いずれも「迷惑施設に変わりはない」(結城町議)からだ。

実は昨年9月の町議会でも、結城町議は同様の住民投票条例案を議員提案したが、議長を除く11人のうち、賛成5、反対6で否決された。今回の直接請求も、実現するかどうかは微妙な情勢だ。

町民は住民投票の動きをどう見るか。いわき市内の仮設住宅に避難する無職の渡辺洋さん(62)は「ごく一部の人間で何をつくるか決めている。町民が意思表示できる場を設ける必要がある」と支持する。同じく仮設暮らしの女性(63)も「中間貯蔵施設であれ保管庫であれ、放射性廃棄物を集める施設ができたら、子どもがいる若い世帯は楢葉に戻ろうとしない。町の将来を左右する方針は町民が自ら判断すべきだ」と訴えた。


◆声届かぬ国・東電 不満は市町村に

福島県では楢葉町のみならず、復旧・復興の遅れへの不満がたまりにたまっている。その象徴的現象が、首長選で現職候補が次々とノーを突き付けられた「落選ドミノ」だ。

落選者は今、何を思うのか。

昨年11月の二本松市長選で3選を目指した三保恵一氏は、少子化対策や工業団地の整備、除染の早期完了などを公約に掲げた。放射能対策として小中学校にエアコンを完備するなどの実績もアピールしたが、元市議の新人候補に及ばなかった。「精いっぱいやったつもりだが(除染などは)市レベルでは限界もあった。市町村は住民と直接やりとりすることが多い。その分、厳しい意見も向けられやすい」と声を落とす。

昨年11月の広野町長選では、3選を期した山田基星(もとほし)氏が元町議の新人候補に敗退した。「町民を悪く言うつもりはない」と強調した上で、こう振り返る。「町内は今なお町民が右往左往する混乱期。町民は、国にも県にも東電にも、なかなか直接不満をぶつけられない。首長が一番言いやすい」

そして「選挙戦で掲げた政策や2期の実績が問題になったとは考えられない」と続ける。「国の動きは緩慢だった。福島がよくなるように、もっと努力してもらいたい」

福島の識者は、地元の民意をどう見るか。

福島事故直後から福島県内で被災者の聞き取り調査を続ける佐藤彰彦・福島大特任准教授(地域社会学)は、落選ドミノの背景を次のように分析する。

「日常生活を取り戻すために被災者は行政を頼らざるを得ない。しかし、国は帰還を促す政策一辺倒で、健康問題や子どもの教育、介護などに目を向けようとしない。被災者たちは『頼りたいけど頼れない』といういら立ちの中で不満を募らせる。市町村も復興は、財源を持つ国頼み。市町村が国の復興方針を説明すると、『代弁者』と受け止められてしまう」

今月19日の南相馬市長選では脱原発を主張する現職の桜井勝延氏が再選を果たしたが、佐藤氏は「単に脱原発が評価されたというよりも、住民のために国と戦う姿勢を見せてきたからこそ支持を集めることができた」と指摘する。


◆住民が声上げ課題議論を

いわき市出身の開沼博・福島大特任研究員は、落選ドミノについて「保守内の分裂」とみる。

「当選したのも保守系の候補者だ。県民には『大変革は望んでいないが、現状は不満なので少し変えたい』という意識があるのではないか。復興の遅れへの反発が現職に集まったという見方も確かにあるが、住民が望む施策を調べてみると、医療福祉の充実など震災前からの課題が並んでいる。一概に現職だから負け続けたとは言い難い。住民との対話やメディアでの発信が少ない現職が、厳しい視線を向けられたのだろう」

高木竜輔・いわき明星大准教授(地域社会学)は、楢葉町の住民投票の動きを重視する。

「市民同士が話し合って不満を共有し、楢葉町の直接請求のように、問題として目に見える形にすれば行政も無視できなくなり、閉塞感を打破するきっかけになる。県民の不満の一端は、中間貯蔵施設の建設場所を国が提示するなど、福島の未来を外から決められていくことにある。同じ場所に住む人間がともに生活の課題を話し合って解決していくのが自治の本来の姿。住民が声を上げることが、第一歩だ」


◆福島県内の主な首長選の結果20134月以降)

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[デスクメモ]
「こちら特報部」には、福島の県紙がその日のうちに届く。県内死者・行方不明者の欄を見ると、避難生活中の体調悪化や自殺などによる「関連死」が、津波や地震で亡くなった「直接死」を上回っている。宮城、岩手両県の関連死は、死者全体の1割にも満たない。福島の異常さが分かろうというものだ。(圭)


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2014125日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014012502000139.html  

 

 

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