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2014年1月17日 (金)

気になるニュース 405

 

昨日の記事を上げ忘れ・・・
引用書き起こし開始。

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*公約破りの常態化に歯止めはかかるのか


にわかに国政に影響する地方選が迫っている。東京都知事選、山口県知事選に沖縄県の名護市長選だ。一票を投じることは有権者の義務とされるが、一方で最近の「公約破り」は目を覆わんばかりだ。こうなると、選挙に関心をもとうという訴えも色あせてくる。公約は世間の「口約束」に等しい状況だ。この政治の劣化を食い止めるすべはあるのか。(榊原崇仁、篠ケ瀬裕司)


◆「公約破り」国も地方も

最も記憶に新しい「公約破り」の例は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設絡みの話だ。

自民党沖縄県連は昨年夏の参院選で、普天間の県外移設を目指す方針を掲げ、仲井真弘多知事も再選時に県外移設を明言した。

ところが県選出国会議員は11月、党本部の説得で名護市辺野古への移転を容認。仲井真知事も「公約堅持」を主張しつつ、政府が申請した辺野古沿岸部の埋め立てを承認した。

安倍政権も公約違反の指摘が絶えない。自民党は2012年末の衆院選の総合政策集で、環太平洋連携協定(TPP)について「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対」とし、13年の参院選でも米や麦などを「重要5品目の聖域」と位置付けた。

だが、政権復帰後、安倍首相は交渉参加を表明。党も重要農産物5項目で、細分化した品目ごとに関税撤廃ができるか否かを検討する方針に後退した。

原発問題でも、衆院選で「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」としたが、いまでは原発を「重要なベース電源」と位置付ける。逆に公約になかったタカ派政策に精を出している。

民主党政権も公約違反をした。消費税増税だ。鳩山由紀夫元首相は09年の党代表選で、4年間は議論しない考えを示し、マニフェスト(政権公約)も消費税に触れなかった。だが、後の野田佳彦首相(当時)は消費税増税を決めた。

さかのぼれば、小泉純一郎首相(当時)もそうだ。新規国債発行枠を30兆円以内にするとした公約をほごにして、03年に「この程度の約束を守れなかったことは大したことではない」と言い放った。

ただ、一昔前には逆の例もあった。故大平正芳首相は1978年に一般消費税の創設をうたい、79年の衆院選公約に盛り込んだが撤回。「自民党候補が『当選すれば公約は撤回させる』と有権者に訴えていた」(政治記者OB)ことも背景にあったといわれる。

「公約=口約束」の反省から始まったのが、マニフェスト運動だった。2003年に北川正恭三重県知事(当時)が提唱。数値、財源、期限を示した公約を示し、有権者が実行度などを検証、次回の選挙運動に反映させる狙いだ。みんなの党の「アジェンダ」も同じ流れの中にある。

それでも「公約破り」はなくならない。民間非営利団体「言論NPO」の工藤泰志代表は「問われているのは政党とは何か、ということ。昨年の参院選で候補者アンケートをしたが、2割が所属政党の公約を支持していない。あいまいな公約が許される背景には、政党が有権者を恐れていないことがある」と訴える。


◆歯止めかける妙案は

「選挙よりじゃんけん」というわけにもいかない。公約破りに歯止めをかけられる手だてはないのか。

自民党の副総裁や幹事長を歴任した山崎拓氏は「公約は選挙の際に有権者と政治家が交わす約束。公約を転換した際の責任は、次の選挙で国民が審判を下していく。公約破りと判断されれば、政権を失う代償を払うこともある」と説く。

それはそれで正論だが、現在のように次に予定される国政選挙が数年先では、有権者はすぐさま審判を下せず、記憶も薄れる。

元大阪高検公安部長の三井環氏は「公約破りを民法上の債務不履行になぞらえて、契約違反時の罰則のようなものを設けるという考えもある。公約を破った人は次の選挙に立候補できないようにするとか。政治生命をかける罰則が政治家には一番効く」と語る。

とはいえ、罰則の実現はハードルが高い。そもそも公約破りの判定を誰がするのかという問題がある。辺野古移設を容認した仲井真知事のように、本人が公約違反を認めない場合、認定の難航は必至だ。

高崎経済大准教授の哲学者、國分(こくぶん)功一郎氏は「政治家が罰則を恐れ、公約を掲げなくなってしまう事態は避けないといけない。『言ったことは実現する』ということをたたえる風潮をつくる方が重要」と話す。

一方、84年から38年、逗子市長を務めた龍谷大の富野暉一郎教授(地方自治)は「選挙後に社会情勢が変わることはある」と公約変更に一定の理解を示しつつ、自治体レベルで政治家による公約破りを避ける手法の一つとして、住民投票の可能性を挙げる。

公約を変更する際には、理由を説明するほか、有権者に受け入れてもらうための手続きが求められるが、「住民投票を実施することになれば、首長は支持を集めるために熱心に説明することになるし、有権者に信を問うことにもなる」。

住民投票は首長や議会による提案や有権者の直接請求により、随時実施できるというメリットもある。

これ以外にも「あらためて信を問う」ということで言えば、政治家自身がいったんその座を降り、新たな公約を掲げて出直し選挙を戦うという手法もある。

ただ、富野氏は「有権者から全権委任されるのが政治家。簡単に辞職すべきではない」と語る。

自身は米軍の住宅建設問題をめぐって、1期目の途中で出直し選挙に打って出たが、「私が賛同した住民投票の直接請求が議会で否決されたため、やむなく辞職。出直し選挙で建設の是非を問うことにした」ことが理由だったという。


◆人物見る目を養おう

住民投票の有効性はあるにせよ、国政となれば、それも難しい。妙案はないのか。神戸女学院大の内田樹名誉教授(フランス現代思想)は真逆に発想する。

内田氏は「公約は昔から空手形の代名詞で、ウソが6割から7割。信じること自体が間違っている。選挙公報に前回選挙の公約と実現した比率を示すことが、公約を守らせる唯一の方法だが、全議員が反対するだろう」と突き放す。

「私たちにできることは公約の中で政治家が本当にやりたいこと、本当はやりたくないことなどを識別する『公約リテラシー』を身に付けること。そのためには、政治家がどんな人間か見極めることが必要だ。有権者は『期待していたのにだまされた』なんて無垢(むく)なふりをしちゃけない。何十年と有権者をやっていくんだから、その間に人を見る目を磨くべきだ」


[デスクメモ]
税は取られ、約束はほごにされる。それでも、為政者は「お国のため。国家なくして基本的人権なし」と居丈高だ。でも本当か。この国は敗戦直後、国家の体を失った。だが当時、人々は軍国主義の呪縛から解放され、生き生きと暮らしを営んだ。改憲の主眼は国民主権の剥奪だ。公約破りはその前段にある。(牧)


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2014116日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014011602000156.html

 

 

 

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