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2014年1月 5日 (日)

気になるニュース 388

 

311前は無関心だったな・・・
引用書き起こし開始。

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*新日本原発ゼロ紀行 柏崎刈羽編(新潟県)


東京電力は柏崎刈羽原発の再稼働を急いでいる。福島第一原発事故の当事者の動きだけに、地元の反対運動はさぞや激しいかと思えば、目立った動きはなく、妙に静かだ。新潟県民は過去に、「プルサーマル計画」(刈羽村)と「巻原発の誘致」(旧巻町)を住民投票で撤回させた。かつての盛り上がりはどこへ-。 (出田阿生)


◆柏崎刈羽原発関連年表
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◆「原発無関心」空気まん延 推進派 動き目立つ

「再稼働反対の決起集会を開いても、50人集まるかどうか…。柏崎なんてデモやっても集まらないし」 「心の中では不安でも表だって反対とは言えない」

昨年末、柏崎刈羽原発の再稼動に反対する市民団体「きんようの会」のメンバーが今後の活動について話し合うために集まったが、口を突いて出たのは、柏崎市内の盛り上がりに欠ける現状だった。

「原発で働く刈羽の人は自分の健康に直結する問題と考え始めている」とメンバーの一人で、元刈羽村議の武本和幸さん(63)は言う。「柏崎刈羽の停止中、福島第一の応援をしろと言われたが、2週間で1年分の線量を浴びるらしい。原発の仕事を辞めたい」と40代の男性から相談を受けた。原発関連企業を辞めた30代の男性もいる。

刈羽村は人口約4800人。4世帯に1世帯の割合で、何らかの形で東電の仕事に関わっているとされる。だからこそ、原発の問題をより身近に感じられるのかもしれない。

だが、柏崎市はどうか。長年、原発反対運動を続ける市議の矢部忠夫さんは「311以降、正直、あまり変わっていない。原発誘致から45年、推進派と反対派が交わらずに来てしまったからか…」と語る。

311」直後の県議選で、柏崎市と刈羽村の選挙区では原発推進の現職2人が、反原発の候補を破った。市議選でも大きな変化は見られなかった。

「浜岡原発の永久停止を求める決議」をした静岡県牧之原市議会など、脱原発の動きを見せる地方議会もあったが、柏崎市議会は20119月、矢部さんらが提案した「原発からの脱却を求める意見書」を賛成10、反対15で否決した。

むしろ、推進派の動きの方が目立つ。昨年11月、再稼働を促す地元商工業者が「柏崎・刈羽 明日のエネルギーのまち研究会」を旗揚げした。県内の原発関連企業でつくる「新潟県原子力活用協議会」も原発による地域活性化をテーマに講演会を開いている。

「原発停止による雇用不安」の声がじわじわ大きくなるのも気になる。矢部さんは「飲食店など、影響は全体の1割という印象だが、メディアはそこを取り上げる。車のピストンリング全国一の『リケン』や菓子製造の『ブルボン』など、市内の産業の中心は製造業なのに」と反論する。


◆かつて住民は声上げた 議論の「熱気」を再び

東電は昨年末、新たな総合特別事業計画(再建計画)を経済産業省に申請した。新潟県の泉田裕彦知事が慎重な姿勢を崩さず、敷地内の断層調査などで原子力規制委員会による審査が長期化する可能性もあるが、東電は67号機を7月に再稼働したい考えだ。

そんな、「311」などなかったかのような「空気」を歯がゆく思うようになった人もいる。JR柏崎駅近くで学習塾を経営する元市議の桜井雅浩さん(51)もその一人だ。4期を務めた市議在任中は原発を容認していたが、考えを変えた

「福島の原子炉建屋のむき出しの鉄骨を見て、これはダメだと」。政府や東電の事故対応の迷走ぶりから、「能力の問題ではなく、人間には扱えない領域だ」と衝撃を受けた。

「原発問題は国民投票にするべきだ。プルサーマルの時の地元の熱気が、日本が岐路に立つ今こそ必要だと思う」。「熱気」とは、19972月、各地の原発にプルサーマルを導入する計画が閣議了解された後の約2年間のことだ。

柏崎刈羽では3号機がプルサーマルの対象だった。市民団体や自治体がシンポジウムや講演会を催し、住民が活発に議論した。

市議会も動いた。賛否が異なる市議が一緒に、フィンランドの高レベル放射性廃棄物最終処分場など北欧諸国を視察した。99年には柏崎市と刈羽村で、住民投票条例を制定するための直接請求署名が行われた。柏崎市議会は否決したが、刈羽村議会は二度目に可決した。01年の住民投票で、過半数の反対票が投じられた。

刈羽村議の近藤容人さんは「プルサーマルのときは普通の住民が『嫌だ』と反対したんだよね。柏崎市からそんな運動が始まって、刈羽村にもパァーっと広がった」と振り返る。

刈羽村の住民投票に先立つ96年にも、新潟県内では旧巻町(現在の新潟市西蒲区)で、東北電力の原発誘致をめぐり日本初の住民投票が行われた。当時は連日、賛否両方のチラシが各家庭に配られ、住民の問題意識はどんどん高まった。

運動の中心となったのは、中立の立場に徹した市民団体「巻原発・住民投票を実行する会」だった。資金を出し合い、プレハブ事務所を建てて住民投票の説明会を開いた。

リコールにより原発推進派の町長が辞任し、新たに笹口孝明さん(65)が当選した。住民投票の当時について、「『民主主義の学校』と称賛され、世界中から取材が殺到した」と振り返る。でも、「私たちは決して特別だったわけではありません」。

今、「東電が盛り返してきた」と感じる地元住民は少なくない。「再稼働反対なんて言い続けていると孤立するばっかりだ」と言う意見も聞かれる。

「旧巻町のケースでは、原発建設予定地の中心部に町有地があったため、白紙撤回に持ち込めた。電力会社が土地を買収し、知事が了承し、国の審議会がOKすれば建設は止められない」と笹口さんは話す。

「原発は地元住民の意向に関わらず造られてきた。だからこそ、住民そっちのけで再稼働に進むべきではない。福島で事故が起きて、原発や放射能について国民一人ひとりが考えるようになった。原発問題こそ、住民投票にかけるべきです」


[デスクメモ]
柏崎刈羽原発が1基動けば1カ月の燃料費を100億円削減できる、と東電は新再建計画に見込んでいる。再稼働できなければ、電気料金は値上げするしかないそうだ。だが、問題の本質はそこではない。万が一、柏崎刈羽で爆発事故が起きたら、どうなるか。きちんと盛り込んだ計画を国民に示してほしい。(文)


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201415日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014010502000140.html

 

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