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2014年1月 3日 (金)

気になるニュース 385

 

動画 『シェーナウの想い』プロモーション.wmv
本編はYouTubeで少しだけ見られるっぽい・・・↓ 
http://www.youtube.com/watch?v=QPgUskB9L4I
http://www.youtube.com/watch?v=cpu8yJ-p2j0
 

引用書き起こし開始。


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【希望の風を送りたい】 原子力・環境担当/飯尾歩


「シェーナウの想(おも)い」という2008年の記録映画が、ロングヒットを続けています。

上映時間は60分。劇場では、あまり見かけません。有志の上映会にDVDが貸し出され、全国を巡っており、鑑賞する機会が何度かありました。

ドイツ南西部のシェーナウは、「エネルギー市民革命のまち」として世界にその名を知られるようになりました。

人口約2500人。ドイツ人の心のふるさとという「黒い森」に寄り添うように、グリム童話のさし絵みたいな、赤い屋根の小さな家が並んでいます。

転機は1986年のチェルノブイリ原発事故でした。

フランスのフェッセンハイム原発から35キロ。人ごとではありません。

大人たちはまず第一に「子どもたちのために何ができるか」を考えました。

そして「原発のない未来のための親の会」を組織して「情報スタンド」を開設し、子どもたちに「私たちはあなたの味方よ」と呼びかけながら、放射能に関する正しい情報をかき集め、周囲に発信し始めました。

続いて節電を呼びかけました。想いはさらに深くなり「私たちで、電力会社をつくりましょうよ」と発想するに至ります。

既存の電力会社から送電網を手に入れるための資本は、国内外からの寄付で賄うことができました。地元銀行からの支援もありました。

二度の住民投票で市民の支持を受け、シェーナウ市との独占供給契約を結ぶことができました。

操業以来約16年。親の会が運営する「シェーナウ電力会社」(EWS)は、石炭、石油、原発以外でつくる電気を仕入れ、街中に明かりを灯(とも)し続けています。事故もなく。

これは夢物語でしょうか。

親の会の女性リーダーが言いました。

「一人じゃなにもできないと人は言うけれど、あなたが何かを始めれば、私には希望が持てる」

去年1年、さまざまなまちへ行きました。

フィンランドの使用済み核燃料処分施設「オンカロ」に潜り、自然エネルギーの島として知られるデンマークのロラン島の民家を訪ね、福島原発の構内を巡った後、いわき市の畑で綿を摘みました。

どこへ行っても、近くに風車が回っています。そこで暮らす人たちの想いを集めて回っています。

未来への想いを乗せて、希望という名の風車に風を送りたい。大人も子どもも、誰もが一つ心の中に持っている、風車に風を送りたい。そんな想いで、今年も取材に歩きたい。


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201413日 東京新聞12面 [論説特集]より 

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