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2013年12月28日 (土)

気になるニュース 378

 

「道徳教育の充実に関する懇談会」報告書と文科省の構成表。ついでに教科書検定基準の改正に関するパブコメ114日締め切り)。
引用書き起こし開始。

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*文科省有識者会議 道徳の教科格上げ報告


道徳教育の強化に向けた政府の動きが進んでいる。文部科学省の有識者会議が道徳の授業を教科に格上げするよう求める報告書をまとめ、同省も従来の1.5倍の分量がある新しい教材の内容を発表した。いじめ問題の解決につなげたいという狙いが語られがちだが、果たして効果は期待できるのか。(上田千秋)


◆ いじめ対策 期待薄 評価導入「いい子演じるだけ」

「教科にしたから、本を新しくしたからといって、すぐにどうこうなるほど簡単ではない。よほど教え方を工夫しないと、いじめ問題に効果は表れないだろう」。一橋大の久冨(くどみ)善之名誉教授(教育社会学)はこう論じる。

教科化の動きは、政府の教育再生実行会議が2月に出した第1次提言に盛り込まれた。提言を受けて開かれた文科省の有識者会議は今月26日、①数値評価以外の方法での評価を検討する②将来的に検定教科書を導入する─ことなどを内容とする報告書を文科相に提出した。

今後、中央教育審議会で議論し、学習指導要領の改定や教科書検定基準の作成などを経て、早ければ2018年度から導入される。

「いじめの問題が深刻な状況にある今こそ、道徳教育の重要性を認識してその抜本的な充実を図る」(再生実行会議の提言)というのが政府の目的の一つ。ただ、実際にいじめ対策になるかどうかについては、懐疑的な見方が少なくない。

久冨氏は「子どもは大人社会の状況を敏感に感じ取る。親の世代がぎすぎすせずに安心して暮らせるよう、貧困問題などに対するケアを厚くする法が先なのに、今の政府はそうした政策は重視しない」と批判する。

神戸女学院大の内田樹名誉教授(フランス現代思想)も「今の子どもたちの行動は、国の長年にわたる教育政策の結果としてつくり上げられたもの。そのどこに問題があったのかの検証なしに教科化を叫んでも、意味はない」と切り捨てる。

むしろ、報告書の内容は新たな問題を招きかねない。一例は、国語や算数などと違って道徳には「答え」がないのに、評価を導入しようとしている点。久冨氏は「評価があると、子どもたちは模範解答を言い出すようになる。それらしい作文を書き、教師の前でだけ、いい子を演じるようになる」と懸念する。

さらに、正式な教科ともなれば検定を通った教科書を使う必要が出てくる。「人間の内面や価値観にまで国家の統制が及ぶ危険性が生じる。そもそも学校や地域、子どもの状況は全く違うのだから、教師がそれぞれふさわしいと思う教材を使えばいい」(久冨氏)

現在、小中学校では週に1回、教科外活動として「道徳の時間」が行われている。久冨氏は学校で道徳を教えることを否定はしないものの、「本来は社会全体の経験を通して学んでいくもの」と指摘する。

内田氏も同様の考えを示す。「道徳とは人と共生していく上で必要なすべで、弱い者のために周りの人間が少しずつ自分の持っているものを差し出すという考え方。そういう生き方をしている世の中の大人たちの姿を見て学んでいくもので、学校の教科で教えられるようなものではない」


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20131228日 東京新聞朝刊 こちら特報部:ニュースの追跡より 

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