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2013年12月19日 (木)

気になるニュース 368

 

米国の巻き添えでテロの標的になるのは勘弁・・・
引用書き起こし開始。

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*日本人の安全に逆行 国家安全保障戦略を閣議決定


日本と紛争のない国との戦争を自衛隊が担うことに道を開く集団的自衛権の行使容認に向け、安倍政権がまた一歩にじり寄った。17日に閣議決定された初の国家安全保障戦略がそれだ。政権周辺では中国の脅威論から日米の軍事同盟強化が語られがちだが、同時にそれは世界規模での米国への「恨み」を分かつことにもなる。とりわけ、イスラム圏では従来の親日感情が葬られそうだ。(榊原崇仁、林啓太)


◆ここ20年の欧米(人)を狙った主なテロ事件

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◆米への「恨み」 分かつことに

「自衛隊が米軍などと一体で、世界中に打って出ることが前提だ」

軍事ジャーナリストの前田哲男氏は、安倍内閣が閣議決定した国家安全保障戦略や新防衛大綱、中期防衛力整備計画の意味をそう読み解いた。

掲げられた「積極的平和主義」は従来の専守防衛からの大転換だ。「敵基地攻撃能力」 「武器輸出緩和」は米国との軍事協力強化が前提で、その先には世界のどこであれ米軍が攻撃された際、自衛隊が反撃できる集団的自衛権の行使容認が想定されている。

これは憲法9条の事実上の改憲(解釈改憲)だが、安倍首相は既にこの方向に積極的とされる小松一郎前駐仏大使を内閣法制局長官に起用。政府の有識者会議では、集団的自衛権行使を容認する国家安全保障基本法案が議論され、来年にも法案が提出される勢いだ。

現実には自衛隊の米軍との「同盟軍化」は進んでいる。ただ、それを堂々と公言し、行動することが日本人の安全をどう左右するのだろうか。

世界最強とされ、この約20年間をみても中東を中心に世界で戦争を繰り広げる米国だが、その分、イスラム圏などの怒りを買い、最もテロ攻撃の標的になっている。

代表例は2001年の米中枢同時テロだ。1991年の湾岸戦争後のニューヨークの世界貿易センタービル爆破事件、98年のケニア・ナイロビ、タンザニア・ダルエスサラームの両米大使館爆破事件、04年のサウジアラビア・ジッダでの米総領事館襲撃事件など数多くの事例がある。

火の粉は、米軍に積極的に協力した同盟国にも降り掛かった。04年にはスペイン・マドリードでの列車爆破テロ。05年には英国・ロンドンで地下鉄やバスの同時爆破事件があった。

日本人も海外で標的になった例がある。97年のエジプト・ルクソールでの観光客殺害事件や、イラクを旅行中の青年の殺害事件(04年)、今年のアルジェリアでの石油プラント技術者たちの殺害事件などだ。

国際テロ組織、アルカイダは米国の同盟国として日本をしばしば標的として名指ししてきた。だが、従来の友好姿勢から欧米に比べ、誘拐後に解放された例も多い。


◆イスラム圏 親日なくすリスク

イスラム圏での親日イメージは歴史に根ざしている。古くはロシアの南下政策に苦しんだオスマン帝国が日露戦争(190405年)での日本の勝利を歓迎した。さらに欧米と違い、宗教対立や植民地支配という負の歴史を抱えていないことが最大の要因だ。

日本中東学会会長を務める千葉大の栗田禎子教授(中東現代史)は「中東のイスラム圏では、軍事力を誇示する欧米諸国に対して強い抵抗感がある。一方、日本は広島や長崎の原爆投下を経験しながらも武力に頼らずに経済成長を遂げ、敬意を集めている」と話す。

03年から、イラクを訪れているアジアプレスの玉本英子氏も現地で親日感情を肌で感じることが多かったという。

70年代から80年代にかけ、日本企業が積極的に中東に進出したが、その姿から「真面目で温和で頭が良い」という日本人のイメージが定着した。イラン・イラク戦争(8088年)の渦中も、イラクに駐在し続けた少なからずの日本人技術者が共感を広げた。

玉本氏は「当初、取材で会う現地の人びとは誇らしげに『日本人とは一緒に働き、よく食事した』としばしば語ってくれた」と振り返る。

しかし、そんなイメージも次第に陰ってくる。01年のアフガン戦争では自衛隊はテロ特措法に基づき、インド洋上で米艦船などへ給油を行い、03年のイラク戦争ではイラク特措法で「人道復興支援」の名目で派遣され、米軍の兵員輸送などにも協力した。

これと同時に、イラクでも対日感情に微妙な変化が訪れる。日本人の誘拐事件や殺害事件が起きるようになった。

玉本氏も044月、バグダッドでデモを取材中、石を投げつけられ、翌月にはイスラム教スンニ派の武装勢力を取材していた際「日本に帰れ。イラクにもう来るな」と警告されたという。


◆軍服の日本人 なぜ米兵と…

イラクの現地人はテレビを通じ、自衛隊が米兵を運ぶ様子を目の当たりにした。玉本氏は「『軍服姿の日本人がなぜ米兵と一緒にいるのか』という批判をイラク人から、たくさん聞いた。親日感情の貯金を随分と減らしてしまった」と語る。

それでも「米国がイスラムの敵と見なされ、攻撃対象になってきた」(玉本氏)ことに比べて、いまだ庶民レベルの対日感情は悪くはない。

だが、日本で集団的自衛権行使が容認され、自衛隊が米軍の同盟軍として公然と振る舞うようになれば、「人道援助」の装いも通らなくなる。

玉本氏は「日本人も米国の手下と思われ、テロの標的になりかねない。イスラム圏を訪れる旅行客たちが狙われるだけではない。テロはどこでも起こる」と懸念する。

栗田教授も「『日本はイスラムを脅かさない』という従来のイメージが崩れれば、誘拐された際に解放を求めても、従来のような説得力を持たなくなる」と指摘する。

それでも「中国への対抗」のため、集団的自衛権の行使容認を訴える人びとは多い。しかし、その理由は妥当なのか。

国際地政学研究所の柳沢協二理事長は明確にこう否定する。「尖閣諸島はじめ、日本の領土が侵略されても、現行の日米安保条約に基づき、米軍と自衛隊が共同で対処すれば良いだけだ。わざわざ集団的自衛権行使を合法化する必要はない」

集団的自衛権の行使容認は、日本人の安全には逆効果にすぎないという懸念が広がっている。


[デスクメモ]
憲法前文をあらためて読んだ。比類なき格好良さだ。真骨頂は安全保障のくだり。「諸国民の公正と信義に信頼して」とある。国ではなく人間の良心を信じ、丸腰で鉄火場を歩くと宣言したのだ。それで約70年がんばってきた。友好感情は潔さゆえだ。「フツーの国」になるなんて先人に申し訳ない。(牧)


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20131219日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013121902000130.html

 

 

 

 

 

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