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2013年12月17日 (火)

気になるニュース 365

 

通報者保護法が機能していない・・・
引用書き起こし開始。

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*勇気の訴えが処分対象 いじめ自殺で海自3佐が内部告発


勇気を振り絞って内部告発をした海上自衛隊の3等海佐(46)が、懲戒処分されようとしている。3佐は、護衛艦「たちかぜ」乗組員のいじめ自殺訴訟に絡み、海自側が「破棄した」と言い張っていたアンケートの存在を明らかにした。正義を信じた行為に対する組織の圧力。特定秘密保護法が施行されれば、この隠蔽(いんぺい)体質は、さらに強まる。(小倉貞俊、荒井六貴)


[たちかぜのいじめ自殺訴訟]
海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の乗組員だった1等海士の男性=当時(21)=が200410月、遺書を残して自殺した。先輩隊員にエアガンで撃たれたり、アダルトビデオを買い取るよう強要されたりの暴行、恐喝があったことが発覚。遺族は自殺はいじめが原因として、国と先輩隊員を相手に約13000万円の損害賠償を求めて提訴した。一審・横浜地裁は111月、いじめと自殺の因果関係を認め、精神的苦痛の慰謝料として440万円の支払いを命じた。死亡への賠償は認めず、遺族が控訴した。


◆たちかぜのいじめ自殺問題の経緯

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◆アンケート存在明かす

「海自という組織はここまで腐っていたのか、と思い知らされた。違法な行為を何とか是正したかっただけなのに…」。懲戒処分の対象とされている3佐は、肩を落とした。

自殺した1等海士=当時(21)=の遺族が国などを相手に訴訟を起こしたのは20064月。当時、3佐は法務室に所属し、国側代理人の一人だった。提訴の数日後、情報公開担当の2佐に呼ばれ、「アンケートは破棄したことになっている」と告げられた。

その後、横須賀地方総監部にある関連資料をコピーする際、3佐は資料の中に「ない」ことになっているアンケートが存在することに気付いた。アンケートのコピーは、ファイルにして法務室に保管した。

アンケートは、海自が04年、たちかぜの全乗組員190人に、暴行や恐喝などの有無を尋ねたもの。遺族が05年に情報公開請求をしたが、海自は「破棄した」と答えていた。

3佐は07年に異動で訴訟担当を外れた。だが、「心に引っかかっていた」ため、アンケートの存在を証明する文書のコピーを持ち出し自宅に保管していた。

「表立って組織と事を構えたくはない。内部で解決できるなら、きちんとしなければ」。3佐は事実を明るみに出そうと動く。08年、防衛省の公益通報窓口に内部告発した。だが翌年の調査結果は「アンケートを隠した事実はない」。3佐の主張は完全に否定された。

「このまま判決が出ていいのか」。3佐は11126日午後1時。一審判決の30分前に、訴訟担当の首席法務官の部屋を訪ねた。「アンケートを公表した方がいい」と訴えたが、「今さら出すきっかけがない」と拒絶された。

3佐は「それならば自分がきっかけをつくるしかない」と、自ら情報公開請求をしたが、ここでもアンケートの存在は否定された。

控訴審が進んでいた124月には「このまま決心したら、真実が闇に葬られてしまう」と懸念。悩んだ3佐は、法務官に再度、アンケートの存在を進言するが、「探してみる」と言われたきりで、回答はなかった。3佐は事実を公にすることを決意。東京高裁に「国はアンケートを破棄したといううその説明をした」とする陳述書を提出した。

陳述書の提出が報道された後の同年621日、ようやく杉本正彦海上幕僚長が記者会見し「誤った説明をした」とアンケートの存在を認め、謝罪した。海自は調査委員会を設置したが、9月に発表された報告書は「担当者の間違いだった」というものだった。


◆通報保護法では守れず 秘密法で隠蔽進む

3佐はさまざまなプレッシャーを受け続けてきた。公益通報に踏み切った後、「海自ではやや閑職とされる部署」(3佐)へ異動に。異動先の上司からは「君には組織の悪い点を指摘するような人物、という悪いうわさがある」とくぎを刺された。

陳述書の提出後には、別の上司から「そんなことをするなら海自を辞めるべきだ」と叱責(しっせき)された。

今月11日、3佐は東京高裁で開かれた控訴審に証人として出廷し、「国民にうそをついてはいけないという信念で告発した」と話した。

「組織が違法行為を認めずにきたことで、私だけでなく自殺した隊員の遺族、隠蔽を指示された隊員ら、大勢の人生がゆがめられてしまった。内部通報者を守らなければ、組織はどんどん劣化していくだけだ」

アンケートをめぐっては、3佐とは別の男性事務官も東京高裁に陳述書を提出している。訴訟担当だった事務官は昨年1月までに、アンケートの原本を職場で偶然見つけた。上司に相談すると、「捨てろ。アンケートはないことになっている書類だ」と破棄を求められた。メールで「誰にも見られないよう、秘密裏に実施してください」と指示された。事務官は破棄しなかったため、原本は残った。遺族代理人の岡田尚弁護士は「事務官は破棄するのも怖いから、手元に置いておいたらしい」と話す。

3佐は、内部告発による解雇や不利益処分を禁じた公益通報者保護法に基づき、告発した。それなのに、懲戒処分の対象に置かれてしまっている。

3佐は「国と国民を守る仕事に誇りとやりがいを感じてきた。まさか“被告席”に座らされる立場になるなんて」と声を落とす。海自は、3佐が告発のために文書のコピーを持ち出したことなどを問題視。昨年10月ごろから、懲戒処分のための事情聴取を始め、今年6月、規律違反の疑いで審理することを3佐に通知した。「情報公開請求のあった文書を隠蔽することは民主主義の根幹に関わる違法行為のはず。なのに海自は、公益通報のために証拠集めをしたことの方が問題だとしている」

3佐の懲戒処分について、海上幕僚監部広報室は「文書の管理が適切だったかどうか、全体的な調査をしている。(3佐が)処分対象かどうかは、個人のプライバシーに関わり答えられない」とした。

公益通報者保護制度に詳しい山本雄大弁護士は「告発の証拠となる資料を持ち出す行為について、免責する規定がない。裁判で争わないと分からず、告発者の負担は大きい。これでは、誰も資料を持ち出そうと考えない」と指摘する。

特定秘密保護法の国会審議で、担当の森雅子内閣府特命相は「違法行為や重大な失態は、特定秘密の対象になり得ないので、通報しても罰せられない。公益通報者保護法で保護される」と答弁した。

だが、今回の例を見れば、都合の悪い文書は特定秘密に指定するのではという懸念は強まる。これを告発すると、懲戒処分どころか、懲役刑になるかもしれないとなれば、内部告発を委縮させる効果は絶大だろう。岡田弁護士は「公務員が情報に近寄らないよう自主規制してしまうだろう。情報を受け取る側も罰則があるから、告発はできなくなってしまう」と憂う。

法改正を訴えている光前幸一弁護士は指弾する。「何でも、かんでも秘密にしていく隠匿体質が進む一方で、告発者は保護されない。不正であっても、秘密は外に出てこない。これでは、隠匿体質がますます強まるだけだ」


[デスクメモ]
自衛隊というピラミッド組織の中で、内部告発をするのに、どんなに勇気が必要だったろうか。自浄を訴えた人間を、あろうことか、処分しようとしている。秘密保護法によって、あらゆる政府組織に似たようなケースが起きるだろう。その先にあるのは、国全体が腐ってしまうというひどい世の中だ。(国)


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20131217日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013121702000125.html

 

 

 

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