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2013年11月29日 (金)

気になるニュース 339

 

外務省や経済産業省は指定事項を隠しているのか・・・
引用書き起こし開始。 

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*ヒミツは増殖する 秘密法のモデル 防衛秘密と特別管理秘密を検証 


特定秘密保護法案は、自衛隊法で定める「防衛秘密」制度と、各省庁が内規で運用する「特別管理秘密(特管秘)」制度がモデルだ。防衛秘密は最近10年間で急増した。しかも何が秘密かは秘密である。特管秘の指定基準の一部は公になっているものの、なぜ秘密になっているのか首をかしげる秘密も多い。いずれも官僚のやり放題だ。秘密法案が成立すれば、恣意(しい)的で無意味な秘密が全省庁で増殖する。(鈴木伸幸、小倉貞俊) 


◆機密指定の数 10年で6倍に 

「防衛秘密は年々増えてきた。官僚が恣意的に決められるようになっている」 

軍事評論家の前田哲男氏は強く懸念する。 

驚くべきは、自衛隊法の「別表」に列挙された防衛秘密の対象だ。「自衛隊の運用又(また)はこれに関する見積もり、計画、研究」など10項目が並び、自衛隊活動のほぼ全てが網羅されている。これでは何が秘密か皆目見当がつかない。 

防衛秘密を実際に指定する際の基準が、指定事項だ。ところが、防衛省は「指定事項を明らかにすると、防衛秘密が特定される」との理由で内容を公表していない。指定事項や秘密の数は国会に渋々報告したが、防衛秘密制度がスタートした2002年の39件から12年末には234件と6倍に増えていた。秘密件数も、06年末の9772件から11年末には30752件へと5年間で3倍に膨れ上がった。 

指定事項は防衛相が指定するものの、具体的な文書の指定は全くの官僚任せだ。しかも、第三者の目が入らず、指定の妥当性はチェックされない。 

自衛隊イラク派遣時の04年ごろ、自衛隊が派遣反対の市民団体などを監視していた問題では、仙台地裁が昨年3月に「人格権を侵害し違法」と認めた。現在、仙台高裁で控訴審が審理中だが、前田氏は「監視活動は東北地方で始まり、全国に広がった。その実態を当時の防衛庁長官は把握していなかったようだ。そうした実態からすれば、大臣と離れたところで防衛秘密は活用できる」と指摘する。国は、裁判で原告が証拠とした「自衛隊の内部文書」の存在を否定しているが、「提訴後に防衛秘密に指定された可能性がある」(前田氏)。 

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京)の三木由希子理事長も、防衛秘密指定の基準が分からないことを問題視する。「指定事項を決める基準が別にあるはずだが、秘密のベールに包まれている。基準があるのかすらも分からない」とあきれる。 


◆文書開示せず勝手に破棄も 

防衛秘密の文書には管理、保存のルールがなく、秘密指定を解除されないまま大量の文書が破棄されていた問題も最近明らかになった。 

防衛秘密の指定方式は、特定秘密に踏襲される。三木氏は「行政文書は公開が原則。今は開示できなくても将来的な検証は不可欠だ。秘密の基準が不明で将来的な開示のルールがなく、勝手に破棄できるという現実は議論以前の問題だ」と切り捨てる。 


◆原発事故衛星画像も特管秘 

秘密法案のモデルになったもう一つの制度が、094月施行の「特別管理秘密(特管秘)」制度だ。法令上の根拠はなく、第1次安倍政権時に発足した「カウンターインテリジェンス推進会議」が078月に決定した「基本方針」に基づいている。 

国の安全、外交上の秘密、国の重大な利益に関する情報の保護が目的で、内閣官房をはじめ23の省庁などが特管秘の管理規定を持つ。特管秘に指定されている文書などの件数は計42万件。トップの内閣官房(約318000件)に外務省(18000件)、公安調査庁、警察庁(ともに約12000件)が続く。1件も指定していない省庁もある。 

指定件数の多い省庁の顔ぶれからも、秘密の対象が外交・防衛のジャンル内に収まっているようにみえる。どんな項目が指定されているのか。 

内閣官房は一応、49の指定事項を明らかにしている。特管秘の大半が、内閣情報調査室(内調)の所管する衛星の画像だ。しかし、その取り扱いには問題が多い。福島第一原発事故直後に原発上空から撮影した画像は特管秘との理由で隠蔽(いんぺい)され、東京電力の事故対応に活用されなかった。 

◆特別管理秘密の組織別件数
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◆指定権限 外交防衛と関係ない長も 

首をかしげざるを得ない特管秘もある。宮内庁が指定する3件の特管秘はいずれも「皇室会議議員互選関係」という内容だが、皇室関連の重要事項を合議する同会議のメンバー構成(皇族、国会議員など)は一般公開されているのだ。 

同庁の担当者は「特管秘の定義である国の安全や利益の保護とは関係がない」と認めた上で、「皇族議員4人は皇族二十数人の中で互選するため、投票の経緯などが漏れるとご迷惑がかかる」と指定の理由を説明する。特管秘の趣旨とはずれているのは否めない。 

また、基本方針では特管秘の指定権限は「当該機関の長」にあるとしているが、外務省では大臣が定めた別の規則により、特管秘の指定を各局長に委任しているという。担当者は「在外公館が100以上あるなど重要文書が多く、大臣の手が回らない」と主張するが、現場レベルで恣意的に運用されるおそれもある。同省や経済産業省は指定事項を隠している。 

秘密法案が成立すれば、恣意的で無意味な秘密指定が横行しかねない。政府は特定秘密の指定権限を持つ行政機関の長として首相や外相、防衛相など50超の名称を挙げている。その中には「中心市街地活性化本部長」 「郵政民営化推進本部長」など、外交や安全保障とあまり関係のなさそうなポストまで散見されるのだ。 

「秘密の範囲が際限なく広がってしまうのではないか」。秘密法に詳しい井上正信弁護士は、そんな疑念を口にする。 

野党の提案で修正された法案には「施行からの5年間で特定秘密を保有しない行政機関は、秘密指定機関から除く」との付則が盛り込まれた。安易な秘密指定に歯止めを掛ける狙いだったが「むしろ逆効果。『権限を失わないよう、無理にでも秘密をつくらねば』と、かえって指定を促進してしまう」(井上氏)。 

衛星画像の隠蔽問題は、監視社会の到来も予感させる。安倍晋三首相は国会答弁で「解像度をどれくらいわれわれがもっているかが極秘だ」と強調した。特管秘の中には「暗号関連」(内閣官房)「在日米軍が使用する周波数に関する情報」(総務省)などがある。 

井上氏は「政府が隠したいのは獲得した情報の中身ではなく、情報を得る手法や情報収集・分析能力だ。それらを知られないためにはあらゆる情報を秘密にせざるをえず、結局、無限に増えていくことになる」と危ぶむ。 


◆特定秘密の指定権限を持つ行政機関の長 
 ※山本太郎参院議員の質問主意書に対する政府答弁書などを基に作成。会議や委員会は合議体と捉えるため、長の職名は割愛

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[デスクメモ]
秘密国家とか監視社会とか、そんな「気宇壮大」な構想を日本の小役人たちは持ちあわせていない。頭の中を占めているのは、自分の出世と天下り先だ。そのために小さな悪事は隠匿しておきたい。せこい動機である。だが、こうした「無責任の体系」(丸山真男)こそが、あの戦争を引き起こした。(圭)


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20131129日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013112902000147.html

 

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