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2013年11月25日 (月)

気になるニュース 331

 

住友化学は「ミツバチの大量失踪の主たる原因ではない」と思ってるのに「ミツバチの事故を防ぐよう注意喚起もしている」・・・???経団連が環境のことをまったく考えていないことは分かった・・・
引用書き起こし開始。 

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*農薬大国ニッポンの逆走 「ネオニコ」拡大路線 ミツバチ大量失踪の「主犯」 


世界で相次いでいるミツバチ大量失踪の「主犯」とみられている「ネオニコチノイド系農薬」について、日本で使用作物を拡大する動きがある。欧米では規制の方向にあるのに、国の針はまるで逆方向だ。養蜂家らは、「沈黙の春」が到来することに危機感を募らせる。(荒井六貴) 


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◆クロチアニジンの残留基準値が引き上げられる見込みの主な作物 
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1万匹が半減 死骸はどこに 

「養蜂家だけではなく、消費者にとっても、ネオニコチノイドの使用を拡大することは、よいことではない」 

兵庫県小野市で養蜂業を営む獣医師の俵博さん(68)は嘆く。 

俵さんが、ネオニコチノイドの怖さを感じたのは、2006年ごろ。8月下旬、巣箱で飼育していた1万匹が、10日間で半減してしまった。死骸が見つからず、どこに行ったかも分からなかった。「まるで死体なき殺人事件のようだ」と感じた。 

スズメバチに襲われたり、中毒性が強い有機リン系の農薬に触れたようなときは、巣箱の周囲に死骸が見つかっていた。 

調べてみると、周囲の水田で、害虫のカメムシを駆除する目的で、ネオニコチノイド系農薬を散布していたことが分かった。イネの花粉は、ミツバチにとって大事な餌だ。「これが原因だ」と直感したという。 

ネオニコチノイド系農薬は、たばこに含まれるニコチンに似た物質を主要成分とする農薬の総称。神経の働きを阻害して昆虫を殺す。植物の茎や葉などに行き渡り、殺虫効果が持続する。1990年代から殺虫剤などとして世界中で使われるようになった。 

2000年に入り、飼育中の巣箱などから働き蜂が突然、姿を消し、ミツバチの群れが維持できなくなる現象が、世界各地で報告されるようになった。蜂軍崩壊症候群(CCD)と名付けられ、ミツバチの死骸が周囲で発見されることはなく、「ミツバチの大量失踪」とも呼ばれる。国内では、岩手、山形、長崎県などで同様の被害が報告されている。 

ミツバチの過労働によるストレス、寄生虫、感染症、気候変動、突然変異など原因は諸説ある。最近になって有力とされているのが、ネオニコチノイド系農薬だ。 

ネオニコチノイドは、ミツバチの神経にも作用し、方向感覚を狂わせる。ミツバチは巣に帰ることができず、死骸が見つからなかったとみられるのだ。 

欧米では、ネオニコチノイド系農薬を規制する方向にある。 

欧州連合(EU)は今年5月、欧州各地でミツバチが減少していることに対処するため、ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジンなど3種類の使用を12月から2年間、禁止することを決めた。 

米国も8月、クロチアニジンなど4種類について、ハチへの有害性や、生息場所での使用を禁じることをラベルに表示することを義務付けた。 


◆「沈黙の春が現実化する」 

前出の俵さんは、農薬が生態系を滅ぼすと警告した米国の科学者レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が現実化しつつあると感じている。 

そうした中、日本ではクロチアニジンの使用について、拡大、緩和しようという動きがある。 

農林水産省は、クロチアニジンの使用できる作物の種類を増やす方針を決定。食品の残留基準も緩和する。対象はトウモロコシやホウレンソウなど約40項目に上る。農水省の方針を受け、厚生労働省は、基準緩和に向けて今月2日までパブリックコメントを募集した。多くの反対意見が寄せられたが、来年2月にも、緩和を正式決定する見込みとしている。 

農水省農薬対策室の担当者は「ネオニコチノイド系農薬のメリットと、ミツバチにどう影響を与えるかの比較考量をして決めた。日本は高温多湿で害虫が発生しやすく、農薬が必要だ。ネオニコチノイド系は、散布回数を減らせる。農薬を使えないと、農家が立ちいかなくなる。使用する際は、ミツバチへの影響に注意してくださいと言っている」と説明する。 

ネオニコチノイドの「主犯説」に対して、農薬メーカー側は一斉に反発している。ネオニコチノイド系農薬は、穀物から一般家庭の芝生まで広く使われており、使用禁止になれば経営に大きな打撃となる。 


◆「国はメーカーの言いなり」 

日本の大手、住友化学(東京)は、EUの方針が示された直後、「科学的な結論が明確になっていない中で、決定は行き過ぎたものだ。ネオニコチノイドがミツバチの大量失踪の主たる原因ではない」との見解を示した。住友化学は、経団連の米倉弘昌会長が会長職にあり、世界でも有数の農薬メーカー。国内で登録されているクロチアニジン系殺虫剤80種類のうち、住友化学と関連会社の製品が約50種を占める。 

メーカー側は、クロチアニジンの使用拡大を農水省に申請。それを受け、農水省は方針を決めた。住友化学は「農業生産者からの要望を受け、申請した。ミツバチの事故を防ぐよう注意喚起もしている」と説明する。 

ミツバチを必要とするのは、蜂蜜の採取だけではない。リンゴなどの受粉や、タマネギなどの交配にも役立つ。兵庫県加西市のイチゴ農家、山科顕二さん(52)は「ハチはバランスよく受粉する。ハチがいなければ、味も色もよくならない。ハチが心配だ」と憂う。 

NPO法人「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」の水野玲子理事は「国は農薬メーカー側の言いなり。日本の残留基準はそもそも、欧米に比べて緩く、『農薬大国』と言っていい。生態系の影響は計り知れない」と懸念する。 


◆農薬使用量は米国の16倍に 

34カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の調べで、面積当たりの農薬使用量は10年で、日本は韓国に次いで2番目に多く、ドイツの約10倍、米国の約16倍だ。 

ネオニコチノイドとCCDの関係を研究している金沢大の山田敏郎教授は「CCDはダニが原因とする説もあるが、ネオニコチノイドでミツバチの抵抗力が弱められ、ダニでとどめを刺されているとみるべきだ」と指摘。「ネオニコチノイドは、植物の細胞に浸透し、効果は長続きする。逆に言えば、毒性が強力ということだ。CCDは、ハチから人間への警告と考えるべきだ」と説く。 

東京都健康安全研究センターでは、妊娠期や授乳期の母マウスに、クロチアニジンの投与を増やすと、子マウスの行動に、落ち着きのなさを示す多動など異常が起こることが分かった。


◆子どもの脳に「毒性が強い」

ネオニコチノイドの影響を研究する環境脳神経科学情報センターの黒田洋一郎代表は、こう訴える。「ニコチンと同じように、子どもの脳に対する毒性が特に強い。注意欠陥・多動性障害などの発達障害が心配される。そうした危険があるのに、使用を増やそうというのは、人の健康も脅かすことになる」


[デスクメモ]
1970年代に「ハチのムサシは死んだのさ」という大ヒット曲があった。太陽に挑んで負けてしまうというちょっと悲しい歌詞だった。「みなしごハッチ」という人気アニメもあった。都会の養蜂もある。日本人に親しまれたミツバチ。そのうち、「ミツバチの反乱」なんて映画が製作されたりして。(国)


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2013
1125日 東京新聞:こちら特報部

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013112502000146.html

 

 

 

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