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2013年11月23日 (土)

気になるニュース 329

 

「法務省と警察庁が強くコントロール」・・・
引用書き起こし開始。

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*「取り調べ可視化」案例外だらけ 法制審「秘密」守る?


安倍政権は特定秘密保護法を成立させて「秘密」を増やそうとしているが、法制審議会の特別部会は「秘密」を守ろうとしているように映る。冤罪(えんざい)防止のため、全面的に取り調べを可視化するはずだったのに、可視化を認めない例外規定ばかりだ。今後も「秘密」の取り調べが続くことになるのか。(篠ケ瀬祐司、鈴木伸幸)


◆法制審特別部会で示された「可視化」2
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◆対象事件 全体の23

「第1案は取り調べの全過程で録音・録画(可視化)を認めるとしながら例外規定が多く残っていて問題だ。可視化を容疑者の弁解録取と調書署名に限る第2案はもう論外だ」

今月、法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会の事務方が、取り調べの可視化に向けた2つの案を示した。部会幹事を務め、第一作業分科会で実務的な議論にかかわり、全面的な可視化を訴えてきた小坂井久弁護士は、2案ともに問題があると憤る。

小坂井氏らの意見が採用されず、後ろ向きの案が示されたことには理由がある。第一作業分科会のメンバー11人のうち、捜査当局側の法務省や警察庁の官僚が6人と過半数を占めるからだ。

1案からみてみる。問題点は、記録する機器が故障したり、容疑者が拒否したりするなどしたら、録音・録画をしなくてもよいとする複数の例外規定だ。

「当局側が機器が故障していると言えば、記録しなくてもよい」。壊れているかどうかは、当局にしか分からない。

「容疑者が拒否」にも問題がある。多くの冤罪事件では、自白が強要されてきた。取調官が「可視化を拒否しろ」と脅したら、従ってしまう容疑者は少なくないだろう。

さらに、小坂井氏は「『容疑者が十分な供述をできない恐れがある場合』も可視化しなくてよいという例外規定もある。捜査官の裁量で、いくらでも可視化をしないと判断できると読める」。つまり、今まで通り、全く可視化をしない余地まであるわけだ。

「論外」という第2案は、可視化は逮捕直後に容疑者の弁解を聞く時と、調書に署名を求める時に限り、その他の可視化は「努力目標」となっている。可視化を求める委員からの評判は極めて悪く、分科会で議論の場に上ることは少なかった。

2案は、第1案を通すためのダミーという見方もある。ただ、油断は禁物のようだ。特別部会の議論で、元警察庁長官の佐藤英彦氏が「第1、第2案の中間でやるしかないな」と話すのを小坂井氏は耳にした。当局側はより第2案に近い内容に押し込もうと画策するかもしれない。

そもそも2案とも、可視化の対象を、刑事事件全体の23%にすぎない裁判員裁判事件に限定している。小坂井氏によると、「裁判員裁判事件の可視化で議論を始めて、徐々に範囲を広げるという考え方だ」と前向きに捉えるが、捜査当局は狭い範囲に限定しようと動く可能性が大きい。

実は、国会も心配の種だという。「特定秘密保護法案の審議がドンドン進むような国会に、可視化の法案を出して大丈夫なのか。『第2案があったよね』と法案が骨抜きにされることも考えられる」


◆冤罪防止のためなのに…

「出発点は取り調べの適正化だったはず。原則、可視化を全過程で実施するべきなのに、ずるずると後退している」と法政大の門野博教授(刑事法)は特別部会の議論にあきれる。「取り調べをする側の裁量で可視化の範囲が決まったり、可視化の例外が膨らんでは、意味がない」

そもそも、可視化の議論が本格化したのは20109月に、大阪地検特捜部の検事が証拠を改ざんした事件で、当時局長だった村木厚子厚生労働次官が無罪になったことがきっかけだった。法務省に設置された第三者機関「検察の在り方検討会議」が再発防止策を検討し、「冤罪を防ぐには可視化は有効」と提言した。

それを受け、新時代の刑事司法制度特別部会が116月に発足した。村木次官の他、冤罪がテーマの映画「それでもボクはやってない」の周防正行監督らが委員となり、可視化の導入を前提に議論を進めるはずだった。

ところが、今年1月にまとまった基本構想では、「原則、全面可視化」案と「可視化するかは取調官の一定の裁量に委ねる」案が併記された。先進国では一般的な、取り調べに弁護士の立ち会いを求める案も排除され、付随して話し合ってきた通信傍受拡大や会話傍受の容認、司法取引などの導入ばかりが前向きに検討されることになった。

事務方が今月示した2案は、可視化を裁判員裁判対象事件に限定するような内容となっているが、それでは村木次官の事件も、無実の人に虚偽の自白を強要したパソコン遠隔操作事件も、対象から外れてしまう。

それにしても、審議会とは「有識者」が委員となり、「正しい」あり方を示す組織だと思っていたが、どうやら、違うらしい。


◆官僚意向沿う答申出させる

元文部科学省官僚で、シンクタンク「青山社中」共同代表の遠藤洋路氏は、「官僚たちは自分たちのやりたい政策を決めて、諮問の形で審議会に意見を聴く。一般的に審議会は官僚たちの意向に沿った答申が出るように運営する」と手法を打ち明ける。

審議会の委員や幹事は官僚が人選をし、全体の78割は意向に沿った意見をしてくれる人を任命する。残りの23割を、反対や中間的な意見の人で構成することが多い。反対の人も参加させるのは、「議論をしていない」と批判されないためだという。

法制審には委員や幹事として多数の官僚が参加している。これは、ほかの省庁の審議会ではあまり見られないという。審議会等の組織に関する指針で、委員は原則として民間有識者とすると明記されているからだ。

指針には、「不可欠の構成要素である場合」、官僚も参加できるとも記されている。つまり、「例外規定」で官僚を委員に送り込んでいるわけだ。

遠藤氏は「普通の省庁はさすがに、そこまではしない」と話し、法務省と警察庁が可視化の議論を強くコントロールしていることを指摘した。

前出の門野氏は「可視化はそれほど難しい話ではない。可視化には配慮が必要な場合はあるが、捜査官にとっても、適正な取り調べをした証拠となる」と指摘する。「不祥事で生じた国民の刑事司法に対する不信感を払拭(ふっしょく)するための可視化の導入なのに、それを置き去りにしてはいけない」


[デスクメモ]
「ムカつくよな。誰だって刺しちゃうよな」。ある検事は、容疑者への共感を装って供述を引き出していたと自慢する。誘導尋問に近いが、「違法ではない」と言う。でも「可視化は嫌だ」。批判が怖いから「秘密」がいいらしい。政府が「特定秘密」を作りたいのは、やはり批判を恐れてか。(文)


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20131123日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013112302000139.html

 

 

 

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