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2013年11月15日 (金)

気になるニュース 314

 

捨て放題だったのか・・・
引用書き起こし開始。

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*「特定秘密」公文書管理法すり抜け


国は国民のものだ。だから、どうしても政府がある情報を「秘密」扱いにするのなら、その判断が妥当か否かを監視、検証する仕組みが必要だ。しかし、近代以降の日本にはそうした常識がなく、官僚は「危うい」文書を勝手に捨ててきた。一昨年、ようやく公文書管理法が施行された。だが、この法律も穴だらけだ。秘密保護法案が成立すれば、国民主権の原則はいよいよ風前の灯(ともしび)となる。(出田阿生、篠ケ瀬祐司)


◆「秘密」検証できぬまま

「秘密をどう民主的にコントロールするか。第三者による監視と検証がなければ、無尽蔵に秘密が広がり、官僚や行政の暴走を許してしまう」

公文書管理制度に詳しい都留文科大の瀬畑源(はじめ)講師(日本現代史)は審議中の特定秘密保護法案に危機感を募らせる。

日本では、公文書を官僚によって勝手に廃棄させない仕組みが長らくなかった。順序が逆だが、2001年に情報公開法が施行され、その後、11年にようやく公文書管理法が施行された。それまでは「まずい情報は捨て放題」だったのだ。

実際、情報公開法の施行前夜には、大量の公文書が廃棄された。その代表例が日米の核密約文書だ。元外務官僚の一人は当時、「情報公開法施行前に発覚を恐れて廃棄した」と証言している。

こうした悪弊を許さないように、公文書管理法は保存期間を過ぎた国の行政文書が独立行政法人・国立公文書館に移管される仕組みを定めた。

だが、公文書管理法にも「穴」があった。同法の第3条には「公文書等の管理については、他の法律又(また)はこれに基づく命令に特別の定めがある場合を除く」とある。

このため、02年施行の改正自衛隊法が定めた「防衛秘密」は適用外になった。実際、0711年に約55000件の文書が防衛秘密に指定されたが、移管された文書はゼロ。秘密指定が解除されたのは1件のみで、それも廃棄された。

防衛省以外の省庁でも09年から運用が始まった「特別管理秘密」(適格と判断された職員しか取り扱えない情報)という秘匿情報があるが、これは公文書管理法の対象になる。廃棄には首相の同意が必要だ。内閣府公文書管理課によると、11年度には保存期間を過ぎた公文書234万件のうち、216万件が廃棄、17000件が公文書館に移管された。

ところが防衛秘密の場合、廃棄の是非は省内で判断され、防衛相の同意すら必要ではない。つまり、いまだ闇から闇への状態が続いている。

瀬畑さんによると、公安調査庁から移管された文書も極端に少なく、情報公開を求めてもほぼ不開示だという。

7日の衆院本会議の政府答弁によると、12年の特別管理秘密の総数は約42万件。安倍首相は、秘密保護法の特定秘密は現行の特別管理秘密よりも「対象範囲を限定する」とした。

だが、上智大の田島泰彦教授(メディア法)は「特別管理秘密がそのまま特定秘密に移行する可能性が高い」と危ぶむ。


◆危うい文書 捨てられる

「特定秘密」は防衛秘密と同様、公文書管理法の縛りを受けない。特定秘密法案が可決・成立すれば、防衛秘密が秘密解除されず、国立公文書館にも移管されていない「防衛省方式」が、全省庁に広がりかねない。

特定秘密に指定されれば、国民が情報に触れられないことはもちろん、指定期間中や指定解除時にも、さまざまな問題が想定される。

瀬畑さんは「特定秘密に指定されれば、文書管理の方法に関する法的枠組みがなくなる」ため、指定が解除される前に、文書がこっそり捨てられることを懸念する。

公文書管理法の適用を受けていれば、保存文書は「行政文書ファイル」にまとめられ、大臣は保管状況を毎年、首相に報告。首相は敏書管理に問題があると判断すれば、内閣府や国立公文書館の職員を派遣し、調査することができる。

ところが、特定秘密として公文書管理法の歯止めがはずされてしまえば、文書が闇に葬られても誰も気づけない。

指定期間の制限なき延長も気掛かりだ。

法案では内閣の承認を得れば、各大臣は30年を超えても秘密指定を延長できる。この法案を担当する森雅子特命相は国会で「恣意(しい)的な(延長)指定が行われないよう、重層的な仕組みがある」と答弁している。

問題は「内閣の承認」だ。「閣議に一覧表を出されても、延長が必要かどうかは分からない。逆に一つ一つ示されたとしても、閣僚が精査できるのか。実際は内閣官房の官僚が判断し、内閣自体はチェックできないだろう」(瀬畑さん)

政府は「特定秘密指定の解除後は、廃棄や移管について公文書管理法の対象にする」としているが、安心とは遠い。

先述したように、公文書管理法では保存期間が満了すれば、文書は公文書館に移管されるか、廃棄されるが、廃棄する場合には、首相の同意を得なければならない。

首相の同意は大きな関門のように映る。だが、瀬畑さんは「実際には、廃棄するか否かを決めるのは官僚。国立公文書館には(各省庁が)廃棄するものの中に重要な文書がまじっているかをチェックできるだけの人員はいない」と指摘する。

ちなみに公文書館の職員数は40人余。それに対し、国の公文書は年間百数十万点にも上る。

「日本の官僚組織はこれまで国民への情報提供や今後の政策に生かすという考え方ではなく、今の自分たちに必要かどうかの判断で文書を廃棄してきた」(瀬畑さん)

まして文書公開の判断を誤れば、情報漏えいで罰せられるが、公開すべき文書を秘密扱いにしたところで、大きな瑕疵(かし)にはならない。防衛問題のある民間研究者は「自己保身という役人文化が最大の壁」と言い切る。こうした「捨てる文化」が改まる保証はない。

監視、検証の仕組み抜きに「秘密保護」はあり得ない。そもそも、法案作成の前段階の「秘密保全法制に関する有識者会議」は、その議事録すら公開していない。

今回の法案が廃案になっても、それだけでは不十分だろう。公文書管理法の徹底が必要だ。

瀬畑さんは会計検査院や人事院のように中立的な「公文書管理庁」を設け、監査のプロ集団によって公文書管理の運用に目を光らせる体制を提案する。NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長も「公文書には作成義務から、適切に記録管理をし、廃棄や保存をするという一貫したサイクルが不可欠だ」と訴えている。


[デスクメモ]
秘密保全法制の本質を示唆する話がある。首相ファンの元自衛隊幹部は現役時代、部内誌に「味方でないと考えられる人やある種の思想を持った人に十分な誠意を尽くして説明(中略)することは基本的に間違い」と記した。ここでの「思想」とは東京裁判史観なのだとか。国民主権が通じないはずだ。(牧)


Tokuhou

20131115日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013111502000161.html

 

 

 

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