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2013年11月14日 (木)

気になるニュース 313

 

現職に票を入れない気持ちは分かる・・・
引用書き起こし開始。

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*原発事故後初福島市長選 現職逆風 不満直撃


原発事故後、初めてとなる福島市長選が17日に投開票される。今年に入り、福島県内で行われた郡山市、いわき市、富岡町の首長選では、いずれも現職が落選した。除染作業は遅れ、復興はままならない。選挙戦真っ最中の福島市内を歩くと、市民の不満がくすぶっていた。(榊原崇仁、上田千秋)


◆進まぬ除染、風評被害…

「ここら辺は市内で一番、放射線量が高いぐらいなのに除染が全然進んでない。野菜作っても孫たちに食べさせるのはためらわれる」

JR福島駅から北西に5キロほど離れた住宅と田畑が混在する福島市笹木野地区。13日の朝、畑作業をしていた無職土田義興さん(69)がため息を漏らした。

畑の傍らにぽつんとモニタリングポストが立つ。数値は毎時0.634マイクロシーベルトだった。国が現在、除染目標として設定している毎時0.23マイクロシーベルト(年間1ミリシーベルト)の3倍近い。

真っ白に雪化粧した山々が見える。福島第一原発事故から3度目の冬を迎えようとしているのに、放射能に対する不安は高まりこそすれ低下することはない。

市長選には、無所属で元環境省東北地方環境事務所長の小林香氏(54)、共産党公認の山田裕氏(58)の新人2人と、無所属で現職の瀬戸孝則氏(66)が立候補している。土田さんは「誰が当選するかはともかく、除染を早くやってほしい」。

市内で除染対象とされる住宅9万戸のうち、作業を終えたのは2万戸余にすぎない。地元紙の世論調査で、市長選で有権者が最も重視するのが「除染などの放射能対策」というのもうなずける。

来月から自宅の除染が始まるという女性(62)は、除染で出た汚染土をどこに運ぶのか心配している。市の仮置き場は2つしかなく、自宅の敷地内に置くことを強いられる可能性があると聞いた。「うちに置くのは嫌。市長になる人は、早く仮置き場を増やして」

リンゴや梨などの果樹園が広がる市西部でも不安の種が潜む。60代の女性は「除染のためにはいだ木の皮って、どう処分しているのか。情報がないのが一番困る。ここに残っているとしたらあまりいい気はしない」と話す。

駅近くの繁華街にある精肉店の男性(53)が、候補者に言いたいのは風評被害だという。「福島産の牛肉や豚肉はお中元やお歳暮の人気商品だったが、事故後は買い控えが目立つ」

男性の店では、販売する肉の放射性物質の検査をしているが、検査証は示さない。風評を助長する可能性があるので、「わざわざ放射能を連想させるものは出さない。早いところ、変な気を使わないでよい状況にしてほしい」と話した。


◆県庁所在地 寂れる駅前

眼鏡店に勤務する後藤研一さん(46)は「事故があってからは、駅前の商店街の人出は3割程度減った」と言う。原発事故の被災者が市郊外の仮設住宅に避難し、周囲に大型店が進出した。結果、市中心部の空洞化を加速させたという。「これも原発事故の影響。駅前の活性化も考えてもらいたい。県庁所在地の駅前がこれじゃ寂しい」


◆実績や手腕、争点にならず

福島市によると、先月末現在、約9300人が市内の仮設住宅やみなし仮設で暮らす。市中心部に近い笹谷地区の仮設住宅の周囲では、市民の思いが交錯していた。

女性(65)は「息子夫婦は新潟に自主避難している。でも、仮設にいる人たちほど賠償金をもらえない。不公平を感じない手当があるといいのに」と不満を口にした。

「仮設のせいで地価が下がる」という意見の一方、自営業の法井博文さん(41)は「仮設の人たちが最も大変。新市長は市町村の枠にとらわれず、彼らに優先的に対応してほしい」。2人の子どもがいる女性(42)は「幼子の健康を考えるだけで精いっぱい。被災者を受け止める余裕なんてない」。

ともかく、市長選は17日に投開票される。しばしば多選の批判が出るほど、首長選では知名度の高い現職が再選するケースが多いが、今回は少々事情が異なるようだ。今年、福島県内で行われた首長選で、相次いで現職が新人に敗れる波乱が起きているからだ。

人口で県庁所在地の福島市を上回る郡山市長選は4月にあった。原正夫氏(69)が3期目を目指したが、元郵政省審議官の品川万里(まさと)氏(68)に苦杯を喫した。いわき市長選は9月にあり、再選を狙った渡辺敬夫氏(67)が元県議の清水敏男氏(50)に屈した。

16年ぶりとなった福島第二原発が立地する富岡町の町長選は7月。5選に挑んだ遠藤勝也氏(73)が元町議会議長の宮本皓一氏(66)に57票差で涙をのんだ。ちなみに、3選挙とも前回の投票率を下回った。

新人が以前から一定の支持を得ていたという側面はあるにせよ、原発事故の選挙への影響は否めないだろう。さらに、大内嘉明市議によると、郡山市長選では、原氏が「市民を見捨てて逃げた」といううわさが蒸し返されたという。「原氏は逃げていないと否定した。相手陣営が掲げた『逃げない』というキャッチコピーで切り崩された」と振り返る。

同じく原氏を支援した佐藤憲保県議は「市民の間にくすぶる不満や不平の受け皿になってしまった」と分析する。「原氏は子どもの被ばく対策をいち早く表明し、国や県が方針を決める前から学校除染などに取り組んだ。脱原発の姿勢も鮮明だった。しかし実績や行政手腕はほとんど争点にならなかった」

いわき市長だった渡辺氏にも「逃げた」といううわさが立った。渡辺博之市議は「震災直後はあちこちに顔を出せなかっただけ。国や県の仕事の遅れまで市長のせいにされた」と語る。

実は、福島市長選でも、現職の瀬戸氏が「逃げた」といううわさがまことしやかに流れている。市民の男性(46)は「デマかどうかは問題じゃない。そう思われることが問題だ」と話した。

県内では、今月に二本松市、12月に相馬市、来年1月には伊達市、南相馬市で市長選がある。現職が劣勢の流れは変わらないのか。

福島大の今井照(あきら)教授(自治体政策)は「除染が進まないなど、住民の間には原発事故に関する行政の対応に不満がある。誰がやっても同じ結果かもしれないが、やり場のない思いや批判が現職に向けられている」と推測する。


◆「新人の政策 見極め必要」

だが、「新人の当選が住民のためになるとは限らない。新人はどうしても風呂敷を広げて政策を述べがち。そこは見極める必要がある」と訴える。その上で、「国や東電に対して、市長がやれることはまだまだある。金銭的な要求だけでなく、健康管理に関する法整備などを国に求めれば市民の見方も変わる」と話した。


[デスクメモ]
友人は金融関係の会社の福島支店の課長だが、「後任が来ない」と嘆く。子どもの健康を心配し転勤希望者がいないという。かくして息子のいる彼の勤務は5年目に入った。除染は進まない。帰還の目安を年間20ミリシーベルトに緩和する。会社にも不満だが、「市長選では行政への不満を表明する」そうだ。


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20131114日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013111402000182.html

 

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