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2013年11月12日 (火)

気になるニュース 307

 

合理的合理的って・・・除染不可能となったら20ミリシーベルトでもOKとかマジ鬼畜だし・・・
引用書き起こし開始。

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*福島被災地・慰謝料打ち切り方針の波紋


文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は先月下旬、福島原発事故による避難指示区域の住民への月10万円の慰謝料について、指示の解除後、1年を目安に打ち切る方針を決めた。事故は収束しておらず、被災住民の多くは帰還に不安を抱いている。だが、対象外の住民からは慰謝料の長期支払いに批判の声も上がる。解除の第1号になりそうな福島県田村市都路(みやこじ)地区と周辺を歩いた。(荒井六貴、篠ケ瀬祐司)


◆避難指示区域 解除ありき反発

「今の放射線量では、自宅に子どもを連れて帰れない。まだ仕事も見つからない。慰謝料がなくなったら、どうやって生活すればいいのか」

田村市都路地区の避難指示解除準備区域に自宅がある坪井秀幸さん(36)はそう不安がった。現在は両親と妻、09歳までの子ども3人と地区外の仮設住宅で暮らす。

除染済みの自宅周辺では、いまも除染目標の毎時0.23マイクロシーベルト(年間積算1ミリシーベルト)の45倍の線量を計測する。「子どもを外で遊ばせる際は神経質になる。役所は年20ミリシーベルト以下なら大丈夫と言うが、住民の気持ちを分かっているのか」

田村市は農業や建設業が主産業で、面積の6割が森林。都路地区は福島第一原発がある大熊町の西隣にある。事故後、地区の3分の1が旧警戒区域(約120世帯380人)に指定され、その後、避難指示解除準備区域に再編された。住民は避難している。

国、行政は来春にも準備区域の指定を解除し、住民の帰還を促す。審査会の方針に従えば、解除から1年後には、慰謝料の支払いも止まる。

同地区を訪れると、震災で破壊された屋根がブルーシートで覆われたままの家が点在していた。路肩には除染で出た廃棄物が並べられている。放射線量は高く、地区内の国道288号では毎時0.7マイクロシーベルトを超えた。

屋根の瓦の修理に来ていた男性(55)は「家の中も毎時0.23マイクロシーベルトを超える。これでは若い人は住めない」と話した。

国や田村市は先月、避難住民向けに説明会を開いた。市によると、住民たちから「線量が落ちてない」 「再除染や森林除染をしてほしい」といった被ばくについての懸念が多く出され、行政の「解除ありき」方針に対し反発があったという。

震災による住宅の破損の修理を終えておらず、解除後、1年間で生活が取り戻せるかに不安も漏れた。さらに都路地区は事故前、大熊町へ買い物に行っていた人が多かったが、同町は避難指示区域で店は閉鎖。その影響を心配する声も出た。

だが、市はあくまで解除に突き進みそうだ。同地区の市立の小中学校も来春再開される予定。市長公室の秋元忠雄室長は「よほどのことがない限り、来春に解除する。国や県には、被ばく線量が年間20ミリシーベルトでも大丈夫だと、大いにPRしてもらいたい」と語った。


◆事故収束まだ 「理解できない」

福島原発事故の賠償責任は、汚染者負担の原則で東京電力が負う。慰謝料(精神的苦痛に伴う賠償)も、住民避難に伴う損害の一部だ。

原子力損害賠償紛争審査会は20118月の中間指針で、地域共同体の喪失や帰宅の見通しがたたない不安感などの慰謝料額を「自動車損害賠償責任保険の慰謝料(日額4200円)を参考に、1人当たり月額10万円を目安にするのが合理的だ」と判断した。

それから2年余。今年1025日の会合で、避難指示解除後は慰謝料を1年をめどに打ち切る方針で合意した。「1年間あれば学校や仕事の生活の節目を迎え、避難者は帰還時期を合理的に選択できる。住宅修繕も1年間あれば可能」(審査会への提出資料)というのが、その理由だ。

しかし、地元自治体は「1年打ち切り」に悲鳴を上げる。楢葉町生活支援課の担当者は「ネズミの被害や雨漏りなど、家屋の傷みが激しい。1年間で家が住めるようになるのはほとんど無理だ」と窮状を訴える。

町全域が居住制限区域や避難指示解除準備区域の富岡町の産業振興課担当者も「わが町は電気や水道など社会資本整備の被害も大きい。自治体ごとに事情が異なるのに、一律の基準なのはいかがなものか」と困惑。近く県を通じ、現状を政府に伝える方針だという。


◆対象外住民にねたむ声も

慰謝料は避難住民にとって生活費の一部になっているため、打ち切りは生活困難に直結しかねない。ただ、ある自治体の関係者は「慰謝料をもらっていない自治体の住民からは、よく『もう十分慰謝料をもらったではないか』とのお話をいただく」と、福島県内で住民同士の葛藤が起きていることを打ち明ける。

田村市都路地区に自宅がある建設業の男性(62)は「中学と高校に通う子ども2人と妻を都内に避難させている。二重生活で生計は厳しい。それでも線量を見れば、家族を戻せない。ただ、慰謝料をねたむ人もいるから、目立たないようにしている」と漏らした。

同地区の住民で、仮設住宅に一人暮らしの斉藤トシ子さん(79)は「避難の疲れで入院した。事故は汚染水が漏れたり、まだ終わってない。安心できない」と、避難指示の解除に反対した。

被災者を支援する市民団体「とすねっと」代表の森川清弁護士は「福島原発事故は、現実には収束していない。4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しもこれから。避難住民は戻れるのか、これからどうしたらいいのかと不安を感じている。この時期に慰謝料の期限を区切るのは理解できない」と憤る。

森川弁護士は「永久に慰謝料を切るなとは言わない」と前置きした上で「避難生活は2年数カ月に及んでいる。生活を立て直すには時間がかかる。慰謝料の支払いは、きちんとした生活が送れるようになるまで続けるべきだ」と指摘する。


◆他の地域への「前例」を懸念

審査会は年内をめどに、賠償の追加指針をまとめる。森川弁護士は「それまでに、住民の声や実態を(政府や審査会委員に)再認識させることが大事だ」と訴える。

冒頭の坪井さんは解除が決まれば、子どもと妻を連れ、アパートで暮らすつもりだという。

「望みは事故前の生活に戻ること。部屋を借りるにも、お金はかかる。国や市の言いなりに解除が進めば、他地区の避難者たちにとっても、それが前例になってしまう」


【避難指示区域】
政府は20114月、東京電力福島第一原発から20キロ圏内を「警戒区域」に、その外側を「計画的避難区域」に指定。1112月に、放射線量に応じ「帰還困難区域」(年間50ミリシーベルト超、区域内人口約25000人)、「居住制限区域」(20超~50ミリシーベルト、同約23000人)、「避難指示解除準備区域」(20ミリシーベルト以下、同約33000人)に再編することを決めた。

【原子力損害賠償紛争審査会】
原発事故の被害者救済のため、損害賠償の対象や範囲などの指針をまとめる。医療や法律、原子力専門家らで構成。原子力損害賠償法に基づき、文科省内に設けられた。審査会内には原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)があり、弁護士の仲介委員が和解手続きを進めている。


[デスクメモ]
カネがかかるから手抜き除染に、移住もさせない。これが事故後の政府、東電の姿勢だった。だが、東電の財務状況はいよいよ火の車。政府は同社の責任を問わず、税金投入に踏み切った。住民の命より東電の利益。たしかに住民間には感情のもつれもある。でもそれで事の本質を見失ってはならない。(牧)


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20131112日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013111202000138.html

 

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