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2013年10月26日 (土)

気になるニュース 280

 

リアル1984年・・・
引用書き起こし開始。

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*秘密保護法案 有識者会議のまやかし


「優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない」。特定秘密保護法案で、統一的な運用の基準づくりについて定めた一文だ。まるで、独立した第三者によるチェックが働くかのように装っているが、まやかしでしかない。この法案では、恣意(しい)的な運用に歯止めをかけることはできず、国民の知る権利は、確実に侵害されることになる。(荒井六貴、上田千秋)


◆チェック機能なく 意見は聴くが反映されず

「秘密の指定が恣意的にならないよう、有識者など、さまざまなハードルをつくって、しっかりやっていきたい」

菅義偉官房長官は25日、秘密保護法案を閣議決定した後の記者会見で、こう強調した。

秘密保護法案の大きな題点として指摘されているのは、時の政権の意向で「特定秘密」が勝手に決められてしまうことだ。法案では、閣僚ら行政機関の長が、どの情報を「特定秘密」とするかを決めるとしている。「特定秘密」は際限なく広がる恐れがあるのだ。

法案では、特定秘密の指定と解除などについて、統一的な運用基準を定めるとしている。そして、この基準を定めたり、変更したりするときは、「優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない」と規定。安全保障情報や情報公開、公文書管理などの専門家でつくる有識者会議を置くという。

だが、有識者会議が意見を言うことができるのは、統一的なおおまかな運用基準であって、個々の「特定秘密」の指定の妥当性ではない。

しかも、政府は「意見を聴かなければならない」と定めているだけで、意見を基準づくりに反映させることは義務付けられていない。

「特定秘密」の指定期間は5年とされているが、実際には何度でも更新できる。30年を超えた場合は、内閣の承認が必要だが、それも認められれば半永久的に国民には知らされないことになる。この間、有識者会議のような第三者機関が関与することは一切ない仕組みになっている。

「秘密大国」といわれる米国でさえ、秘密をチェックし、開示するための一応の仕組みがある。

米国では原則として、秘密が指定されてから25年を上限に解除される。スパイ活動や核関連など25年たっても開示できない例外的な秘密であっても、国立公文書館長である公文書管理官が、解除するかどうかを審査する。

また、大統領に任命される国立公文書館の情報保全監察局長が、適切な秘密指定かどうかをチェック。違反と判断すれば、行政機関に秘密の解除を求める。ほかにも、機密解除が遅れていないか調べる国家機密解除センターや、機密指定する行政機関の代表者でつくる省庁間機密指定審査委員会も設置されている。

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「米国は秘密を守る機関も多く、問題はある。しかし、政府の説明責任や民主主義を支えるために、記録を管理し、公開していくための仕組みがある」と解説する。


◆結論ありき 人選も思いのまま 透明性見せかけ

「第三者機関」と言えば聞こえはいいが、審議会や有識者会議のような機関は、「官僚の隠れみの」 「政府の意見をなぞっているだけ」といった批判が絶えない。誰を委員にするかは各省庁が決めるため、極端な反対意見を持っている人物が選ばれることはあまりないからだ。

複数の政府の審議会で委員を務めた経験を持つ東京大の醍醐聡名誉教授(財務会計)は、「委員が選ばれる前から、すでに結論は出ている。簡単に言えば出来レースです」と話す。

醍醐氏によると、論点を整理したり、報告書の原案をつくったりするのは、各省庁の官僚が担う事務局の仕事。委員は原案に目を通し、結論に影響しないような細かい部分だけを修正する。

「形の上では『先生のご意見を承りました』ということにする。審議会の委員委になると知名度がアップするなど、学者にとってもメリットが大きいので、その立場を棒に振ってまで反対意見を通そうという人はいない」(醍醐氏)

今年9月まで消費者委員会の委員だった日本女子大の細川幸一教授(消費者行政)は「法改正すべきだと思う事案があっても、官僚が一度だめだと言い出すとてこでも動かない。結局、問題点を指摘する程度で、お茶を濁したような感じで終わってしまう」と話す。

日本消費者連盟の山浦康明共同代表も同様の意見を唱える。「官僚に人選を任せると、彼らの思惑通りに進んでしまう。結論が最初から出ているようなもので、民主的ではない」

しかも、特定秘密保護法案の有識者会議は、法に基づいた審議会などではなく、首相や官房長官の私的諮問機関が想定されているという。

有識者会議の具体的内容について、法案を所管する内閣情報調査室の橋場健参事官は「これから詰めていく。まだ意思決定していない」と説明する。人選については、「答えを持っていない」とだけ話した。

ジャーナリストの丸山重威(しげたけ)氏は「有識者会議の委員は政権のお友達を指名できる。思いのままだ。抽象的な運用基準を論じるだけで、一つ一つの秘密をチェックできるわけでもない。透明性を高めたように見せかけるための道具でしかない。何の役にも立たない」とあきれる。

前出の三木氏も「秘密を解除する責任や権限を誰が持つのか、はっきりしていない。有識者会議の権限も法で担保されていないので、第三者機関の体もなしていない」と批判する。

秘密保護の法制化について議論した2011年設置の「秘密保全のための法制のあり方に関する有識者会議」は、ごく簡単な議事概要しか残していない。議事録は作成していないと主張し、職員のメモは破棄していた。内閣情報調査室が事前に詳細な「事務局案」を作成するなど、官僚主導で議論は進められた。

厚生労働省の元官僚で兵庫県立大の中野雅至教授(行政学)は「『有識者会議』 『知る権利』といった個々の単語に目を奪われがちだが、法案そのものが抱える問題について議論しないといけない」と訴える。

「秘密保護法案と国家安全保障会議設置法案は、集団的自衛権を行使するための地ならし。実際にそうなれば米国が起こした戦争に巻き込まれる恐れがあり、国民の命にも関わる。本来なら政府が率先して国民に説明する必要があるのに、ほとんど行われていない」

前出の醍醐氏もこう主張する。「一般市民にまで広く影響が及ぶ法案なのに、何を秘密の対象にするかは国民に知らされず、行政の手のひらで行われる。法案の成立を止めないと大変なことになる。有識者会議など、まったく当てにならない」


【特定秘密の指定等の運用基準】
18 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。

2 政府は、前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を聴かなければならない


[デスクメモ]
一般市民には関係ないと思われがちだが、それは違う。官僚や自衛官、警察官、それに政府と取引関係のある業者も、親族・知人にいたら注意した方がよい。雑談であっても聞いてしまえば、そそのかしたとして罪に問われるかもしれない。まさに暗黒社会。秘密警察が監視する世の中がやってくる。(国)


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20131026日 東京新聞:こちら特報部 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013102602000172.html


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