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2013年10月25日 (金)

気になるニュース 277

 

最後のピース・・・
引用書き起こし開始。

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*脱原発デモもテロ!? 秘密保護法案


微妙な表現一つで法律などを骨抜きにする官僚の手練手管は「霞が関文学」と揶揄(やゆ)される。きょう二十五日に閣議決定される特定秘密保護法案でも、その道の「達人」が腕を振るっていた。脱原発デモもテロリズムと解釈することが可能な一文を滑り込ませたのだ。「迷文学」の真意を見抜き、廃案に追い込まなければならない。(小倉貞俊、林啓太、佐藤圭)


◆「又は」 「その他」 「関する」で… 処罰対象 無制限に

国家公務員らが特定秘密を取り扱うには、役所側が身辺調査などで適格性の有無を確認する「適性評価」をクリアしなければならない。この際、脱原発やTPP(環太平洋連携協定)反対、それこそ秘密保護法案反対のような運動がテロリズムとみなされかねない。

調査事項には、飲酒の程度や薬物の影響、経済状況が並ぶが、問題なのは「特定有害活動及びテロリズムとの関係」だ。

条文では、テロリズムについて「政治上その他の主義主張に基づき、国家若(も)しくは他人にこれを強要し、又(また)は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」と定義する。

原発の再稼働や輸出に熱心な安倍政権から見れば、脱原発運動は「政治上の主義主張に基づき、国家に強要」することにほかならない。その後の「人を殺傷」などの条件が、「かつ」や「同時に」でつながっていれば、デモ行進などは入らない。

しかし、条文は「又は」である。「政治上…」の部分は単独で成立している。

特定有害活動とは難解な役所言葉だが、要はスパイ・破壊活動だ。一見すると、その定義は、核兵器やロケット、無人航空機の開発・製造とものものしいが、最後に「その他の活動」が加わっている。全くの無限定だ。

霞が関文学は「処罰行為」や「秘密の範囲」でも駆使されている。

特定秘密の取得は最長10年の懲役が科せられる。人を欺く行為、暴行、脅迫、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセスを列挙した後、「その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為」が挿入されている。これでは、取得自体で罰せられてしまう。

秘密の範囲も際限がない。防衛、外交、スパイ活動、テロの4分野で、特に秘匿すべき情報を各大臣が「特定秘密」に指定する。「適用範囲があいまい」などの批判に対し、政府は「別表で具体的に列挙している」と主張する。

ところが、それぞれの分野が広範囲にカバーされ、「限定列挙」とは言い難い。しかも、実際の条文には「別表に該当する事項に関する情報」とある。「関する」となれば何でもアリだ。

日弁連の秘密保全法制対策本部事務局長を務める清水勉弁護士はこう解説する。

「法案は、穴の開いたバケツのようなものだ。絞り込んでいるように見せ掛けて『その他』で一気に広げる。脱原発デモもテロリズムの定義の中に入ってしまう。官僚が一般市民やマスメディアはもちろん、国会議員さえも情報にアクセスさせないようにするための仕掛けだ」


◆「迷文学」見過ごせぬ

「霞が関文学」という言葉がメディアで取り上げられるようになるのは、バブル崩壊後の1990年代初頭以降のことである。もっぱら皮肉られたのは、政府の景気判断を示す旧経済企画庁の「月例経済報告」だった。各省庁間の利害関係が複雑に絡むことから「景気は緩やかに減速しながら引き続き拡大」といった難解な言い回しが多用されていた。

ほどなく、法案や公文書、政治家の答弁まで幅広くやり玉に挙がるようになる。「てにをは」や句読点を操ったり、ただし書きを加えたりして趣旨をねじ曲げる手法が横行したのだ。

経済産業省の元官僚で政策コンサルタントの原英史氏は「法案は官僚が作り、内閣法制局が前例や文章の整合性を厳密にするためにこねくり回す。国民が読んでも分からないどころか、立法府の国会議員ですら理解できない。官僚にしか分からないために、官僚に都合よく解釈できる余地を与えてしまう面がある」と分析する。

五十嵐敬喜・法政大教授(公共事業論)は「法律は国民を厳しいルールで縛ることになるため、解釈にある程度の幅を持たせてきた。明治時代にできた民法や刑法が今に受け継がれているのはそのためだ」と指摘する一方で、現代の霞ヶ関文学を「それを逆手にとり官僚が恣意(しい)的に運用するケースは多い」と問題視する。

最近の例を挙げると、消費税増税が決まった昨年の「社会保障と税の一体改革関連法案」では「成長戦略、事前防災、減災などに資金を重点配分する」との付則を根拠に、増税分を公共事業に「流用」する余地を残した。

東日本大震災の復興予算が被災地以外で流用された問題も、同じ構図で起きた。本来は被災地復興が目的だったはずの復興基本法(20116月施行)に「活力ある日本の再生を図る」との文言が盛り込まれ、支援の対照が全国に拡大。同法に基づいて策定された復興基本方針では「全国的に緊急に実施する必要性が高い防災、減災などの施策を実施する」との項目が「被災地外でもさまざまな用途に予算が使えることになり、各省庁の便乗を許す根拠になってしまった」(五十嵐教授)。

耳当たりのよいフレーズで本質を隠したい政治家の声明にも、霞が関文学は影響している。野田佳彦前首相の「原発事故収束宣言」や、安倍晋三首相の「汚染水の影響は完全にブロックされている」などが典型だ。

東大OBの官僚や原子力ムラの欺瞞(ぎまん)的な言い回しを「東大話法」と名付けたことで知られる安冨歩・東大東洋文化研究所教授は、霞が関文学について「無意味で空疎な言葉の羅列でしかないのは、各省庁や政治などの立場に折り合いを付ける妥協の産物だからだ。そこには、国民に何かを伝えようという配慮がない」と切り捨てる。

そして秘密保護法案こそが「霞が関文学の集大成」とみる。

「たとえ意味のある言葉を発する人がいたとしても、秘密保護法案が成立してしまえば逮捕されてしまう。保護法は『暴走していく日本』というパズルを完成させてしまう最後のピースだ。絶対に成立させてはならない」


[デスクメモ]
「ゴルゴ13」にこんな話がある。米国防総省の副長官が、イスラエルの核兵器不所持宣言を核ミサイル配備計画に変えようとたくらむ。たった一つのコンマを加えればいい。だが、ゴルゴが調印式の場でコンマを撃ち、陰謀はついえる。ゴルゴは実在しない。秘密保護法案を葬り去るのは私たちだ。(圭)


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20131025日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013102502000137.html


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