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2013年10月22日 (火)

気になるニュース 272

 

安倍政権がゴリ押しする教科書がどんなものか想像はつく・・・
引用書き起こし開始。

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*文科省、竹富教科書に是正要求 「恫喝、見せしめ」


沖縄県竹富町で使用している中学公民教科書をめぐり、文部科学省が最も強い措置である是正要求をした。2年間で50冊ほど。地域の自主性が重んじられるはずの教科書選定に、国が介入した。小さな町に対する異例の強硬姿勢には、識者らから「まるで恫喝(どうかつ)」「いじめのよう」との声も上がる。安倍政権の狙う教育の中央統制化の一環にみえる。(小倉貞俊、荒井六貴)


◆「戦争伝える」地元選定

「世間では『竹富町の一方的なわがまま』と受け止められているのでは。とても悔しい」。文科省が地方自治法に基づく是正要求を出したことに、竹富町の教育関係者や保護者らは、こう口をそろえた。

教科書をめぐる混乱は、20118月、沖縄県石垣市、竹富町、与那国町でつくる八重山採択地区協議会が、「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬(いくほう)社版公民教科書を多数決で選んだのが始まりだった。

協議会から答申を受けた12町教委のうち、竹富町だけは、保守色が強い育鵬社版に反発。独自に東京書籍版を採択した。

3市町の教育委員は9月、県の仲介で全体会議を開いて再協議した。石垣、与那国両市町の教育長が「再協議するのは不服だ」として退席するなどし、多数決で今度は東京書籍版が選ばれた。ところが、文科省は採択地区協議会の結果に従うよう通知。竹富町はこれに従わず、東京書籍版を使うことにした。

竹富町は「選定の過程がおかしい」と主張した。従来は、教員らの調査員が推薦した教科書の中から採択する仕組みだった。ところが、採択地区協議会は、推薦リストにはなかった育鵬社版を選んだからだ。

文科省は教科書の無償供与をしないことを決定。このため、竹富町では、保護者や教員OBら有志からの寄付金で教科書を購入し、1213年度で中学3年生に計約50冊(4万円弱)を配布してきた。

中学3年生の長女(15)をはじめ3人の子供がいる民宿経営野田緑さん(42)は「竹富は正しい手順を踏んできたのに、今になって国が強引に口を挟んできたのはおかしい」と憤る。来春、中学に入学する長男(11)を持つ主婦村田美樹さん(46)は「沖縄の子供たちにとってどういう教科書がいいか、が一番大事なこと。育鵬社版は沖縄戦や米軍基地の記述が薄い一方で、尖閣問題をあおっているようにも見える。子供たちが、戦争の怖さ、過去の過ちを十分に知らないまま育ってしまわないでしょうか」と戸惑う。

八重山地方では戦争末期、住民が旧日本軍の命令でマラリアの汚染地帯に強制疎開させられ、多くの死者を出した。竹富町の西表(いりおもて)島にあるマラリア犠牲者を追悼する「忘勿石(わすれないし)の碑」を守り続ける保存会会長の平田一雄さん(80)は、「弱い者が被害に遭う、という戦争の本質を、末代まで伝えなければいけない。イデオロギー対立にこだわったり、教科書を押しつけることがあってはいけない」と危惧する。

問題の背景には、石垣市、与那国町で保守色が強い首長が就いたことがある。強硬派で知られる中山義隆石垣市長は尖閣諸島をめぐる日中関係の緊張の中、尖閣の「実効支配の確立」を政府に要求。外間守吉(ほかましゅきち)与那国町長は自衛隊を島内に誘致している。


◆「抵抗に恫喝、見せしめ」

そもそも今回の問題は、地方教育行政法(地教行法)と教科書無償措置法という2つの矛盾する法律があることに根本原因がある。

地教行法では、教育委員会の職務権限に「教科書や教材の取り扱いに関すること」と規定し、市町村それぞれの判断で教科書の選定ができるとしている。

一方、教科書無償措置法では「教科書採択地区が、2つ以上の市町村の場合、地区内の市町村教委は協議して、同一の教科書を採択しなければならない」と規定している。この規定によれば、竹富町と石垣市、与那国町の3市町でつくる八重山採択地区で、同一の教科書を使わなければならないことになる。

多くの採択地区が、複数の自治体で構成されているのは、教科書を供給する行政上のコストを抑え、教科書を調査する教員を確保しやすいこと、教員が指導法を研修しやすいことなどが理由だ。教科書を統一することが主目的ではない。

竹富町のように一自治体が反対した場合の手続きは、具体的に定まっているわけではない。下村博文文科相は制度に矛盾があることを事実上認め、教科書の統一を優先するために「地教行法を改正することが国の責務だ」と述べた。

下村文科相は県教委に対し、竹富町に是正要求するよう指示している。県教委は今後、対応を協議するが、指示に不服があれば、国地方係争処理委員会に申し立てができる。是正要求に対し、竹富町も自治紛争処理委員会に不服申し立てができる。是正要求に法的な強制力はない。だが、従わない場合、下村文科相は違法確認訴訟も辞さない考えを示している。

教科書問題に詳しい「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文事務局長は「安倍政権は、教育行政を中央集権的にしようとしている。今後、抵抗する自治体が出てこないようにする見せしめだ」と批判する。

1997年以来、学校の自主性、多様性の観点から「将来の学校単位の教科書採択に向けて、法整備を検討する」という閣議決定が何度もなされている。浪本勝年・立正大元教授(教育法学)は、「理想は、自治体単位より小さい学校単位だが、その検討はほったらかしのままだ。法治国家ならぬ放置国家だ」と指弾する。

高嶋伸欣・琉球大名誉教授(社会科教育学)は「国の説明に説得力はない」と断じる。「保護者らが教科書を購入し寄付している時点で教科書の無償は実現していないことになる。文科省が怠慢で違法状態になっているのに、それを隠して竹富町だけを悪者にしている。地方を軽んじる安倍政権の体質がよく分かる」



【政権代われば「違法」おかしい  慶田盛・教育長】

「強権的な政治介入ではないか」。竹富町の慶田盛安三(けだもりあんぞう)教育長は21日、本紙のインタビューに答えた。「民主党政権は町教委の採択を無効でないと判断し、町側が教科書を購入し配ることも認めていた。政権が代わったからといって、急にそれが『違法』とされるのはおかしい」と憤る。

「皆で内容を吟味して『これが良い』と採択した教科書で、学校現場でもスムーズに教えている。教育の根っこは信頼関係で、子供たちに2年も使わせておいて『間違いだった』とは言えない」

教科書選定について「個人的には、教科書選びは地区単位よりも教委単位、教委単位よりも学校単位で行えば、地域の特色や事情をより詳しく学べて適切ではないか」と提案する。

育鵬社は、脱原発にあまり積極的でなく、沖縄の米軍基地問題についての記述が薄いことをマイナス面と捉えている。「国内で唯一、地上戦が行われた沖縄だからこそ、戦争を『過ぎ去った悪夢』にしてはいけない。憲法9条があったからこそ、戦後の『米国の戦争』で日本人が一人も亡くならずにすんだ」と訴える。

「政治的、経済的な均衡のもとでの平和はいつか崩れる。恒久的な平和は武力を捨てることでしか実現できない。それを子供たちに与えるのは、われわれ大人たちの責務だ」


[デスクメモ]
地方自治法に基づく是正要求は過去に2例。住民基本台帳ネットワークへの接続を拒否した東京都国立市と福島県矢祭町だけだ。50冊ほどの教科書の問題に、ここまで強硬に出るのは、異常としか言いようがない。いずれも検定を通った教科書だ。地元の使いたい教科書を使用して何が悪いのだろう。


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20131022日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013102202000150.html


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