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2013年10月21日 (月)

気になるニュース 268

 

わかりやすすぎてぎゃーヤバイ!と腰が浮いた動画→ 『山本太郎参議:特定秘密保護法案阻止の訴え2013.10.14
引用書き起こし開始。

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*国家権力はウソ隠す手段を選ばない 秘密保護法案と西山事件


特定秘密保護法案をめぐる議論で頻繁に登場するのが「西山事件」だ。日米の沖縄密約に関する情報を外務省から得た元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)が逮捕、起訴され、有罪になった。密約や報道の自由の問題は男女の問題にすり替えられたが、後に米国側の文書開示で密約が明らかになる。国家がなりふり構わずウソを覆い隠した事件の教訓を生かそうとすれば、秘密保護法案の成立を許していいはずがない。当事者の西山さんに聞いた。(荒井六貴)


◆沖縄返還の密約をめぐる主な動き
Tokuhou


◆自民 「密約」直視せず

「民主主義の大前提は情報公開だ。秘密保護法案が成立すれば、政権にとって都合の悪い情報は永遠に隠される。国民主権の根幹が揺らぐ」

自宅のある北九州市内のホテルで取材に応じた西山さんは、時折指で机をたたきながら語気を強めた。

自民党は公明党の修正要求を受け入れ、取材の自由や知る権利への配慮を法案の最終案に盛り込んだ。しかし、西山さんは「抽象的な言葉を入れても、なんの助けにもならない」と切り捨てる。

「そもそも自民党政権は、沖縄密約の時から国民にウソをつき続けている。沖縄密約は、国家機密をどう考えるかという原点だ。その検証もないまま、機密に関する法案を提出する資格はない。法案の中身の前に、自民党の隠蔽(いんぺい)体質を追及すべきだ」

国家権力は機密、ましてや「政権のウソ」を“保護”するためには手段を選ばない。それが「西山事件」だった。先に亡くなった作家の山崎豊子さんの小説「運命の人」のモデルでもある。

沖縄返還が決まったのが1969年。当時の佐藤栄作首相とニクソン米大統領が共同声明を発表した。キャッチフレーズは「核抜き本土並み」。佐藤政権は「沖縄から核を撤去し、二度と持ち込ませない」と宣伝した。

716月の返還協定では、▷米国が接収した土地を戻す原状回復費用は、米国が「所有者に自発的に支払う」▷日本は、米国資産買い取りや核撤去のため、米国に32000万ドル(当時の約1200億円)を支払う▷米国の海外向けラジオ放送施設の運営を今後、協議する─などが記された。「核抜き」とともに、「沖縄を金で買い戻す」印象も払拭(ふっしょく)した佐藤首相は725月、悲願の沖縄返還を成し遂げた。

ところが、裏では、まったく異なる事実が隠されていた。ニクソン大統領は返還合意直後、佐藤首相と「緊急事態の際は、核を持ち込む権利が認められる」との秘密文書を交わしていたのだ。

財政面でも、米国は日本に32000万ドル以上の負担を要求していた。

柏木雄介大蔵財務官と、ジュ―リック米財務長官特別補佐官が、基地移転費用なども、日本が負担する密約に合意。米軍への思いやり予算の原型となった。

さらに米国が「自発的に支払う」原状回復費用の400万ドルと、ラジオ施設の移転費用を32000万ドルの中に組み込み、日本側が肩代わりする密約も結んだ。716月、吉野文六外務省アメリカ局長とスナイダー駐日公使の間で決めた。


◆法案提出の資格ない

西山さんは715月ごろ、原状回復費用を日本が肩代わりすることを示す極秘電文を外務省の女性事務官から入手した。記事化とともに、社会党議員に電文を提供、国会で密約が暴露された。「佐藤政権がウソをついていた。憲法にも反する秘密だ。情報操作というよりも政治的犯罪だった」(西山さん)

怒った佐藤政権は密約を否定した上で、電文を漏らした犯人捜しに走る。724月、女性事務官は国家公務員法の秘密漏えい容疑、事務官をそそのかしたとして西山さんも、警視庁に逮捕されてしまった。

逮捕の裏に、政権の恣意(しい)的な判断はなかったのか。毎日や他紙は連日、「密約追及」 「知る権利」のキャンペーンを展開した。

だが、起訴状が流れを変える。東京地裁は「『ひそかに情を通じ』電文を持ち出させた」と異例の表現を用いた。週刊誌は男女のスキャンダルとして報じた。毎日新聞の不買運動にも発展、経営危機にも陥った。

女性事務官は一審で有罪判決を受けた。西山さんは無罪だったが、二審で逆転有罪となり、確定した。裁判では吉野さんが証言し、密約の存在を最後まで否定した。

西山さんは「私をつぶそうと、起訴状で異常な情景描写をされ、世論の目をそらすことに成功した」と振り返る。

しかし、再び潮目が変わる。我部政明・琉球大教授(国際関係論)が2000年までに、沖縄密約を裏付ける文書を米国立公文書館で見つけたのだ。退職した吉野さんも06年、密約を認めた。

自民党政権は、吉野さんの証言直後もウソの上塗りを重ねた。官房長官時代の安倍晋三首相も「密約は一切、存在しないというのが政府の立場だ」と言い張っていた。

その後、密約文書の開示を求める裁判で、東京地裁も東京高裁も密約の存在を認定。民主党政権時の外務省有識者委員会も密約を認めたものの、民主、自民両政権を通じて政府の公式見解は明らかにされていない。

西山さんは「政権は安全保障の美名の下、存立基盤を脅かしたり、国民の批判を招いたりする事実を隠す傾向がある。密約問題は、それをはっきりさせた」と指摘する。


◆新聞社にも不当な圧力

西山事件当時、毎日新聞の大阪社会部にいたジャーナリストの鳥越俊太郎さん(73)は「起訴状をつくった佐藤道夫元検事は、自慢して『情を通じ』を入れたと言っていた。密約を追及されると困る佐藤政権が、記者だけでなく、毎日新聞をつぶそうというムードをつくった」と解説する。

秘密保護法案の最終案では、取材活動について「法令違反または著しく不当な方法によるものと認められない限りは、正当な業務による行為とする」と明記した。この条文は、西山さんの有罪判決が確定した最高裁判断(78年)をほぼ踏襲している。西山さんの取材活動は「著しく不当」とされているわけだ。

西山さんは「取材は公務員への教唆だ。極端に言えば、刑務所の堀の上まで行かないと、国が隠したい秘密に迫れない」と反論。鳥越さんは「西山事件の構図が引き継がれ、さらに重罰化するだけだ。不当な取材方法か否かを誰が判断するのか。意味のない規定だ」と指摘する。

西山さんは、法案に反対する講演を全国各地で続ける。

「自民が、ウソをつき続けるからだ。このままでは、どんどん秘密が増やされ、秘密国家になっていく。外交の実態を正確に伝達し、国民の審判を仰ぐのが民主主義だ。政権にウソをつかれたままでいいのかが問われている」


[デスクメモ]
外務省が密約報告書を公表する直前、吉野さんにインタビューした。当時91歳、記憶は確かだった。06年のことを「私のイニシャルのサインが米国の国立公文書館の中に出てきた。自分のものだと言わざるを得なかった」と語った。西山さんとは、恩讐(おんしゅう)を越えて友となった。(圭)


Photo

20131021日 東京新聞:こちら特報部 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013102102000140.html

 

 

 

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