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2013年10月17日 (木)

気になるニュース 261

 

神奈川新聞はわりとがんばってる・・・てか地方紙はがんばってる。
引用開始。 

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*特定秘密保護法案を問う(2) 軍事ジャーナリスト・前田哲男さん「国民見下した考え方」


安倍晋三政権が特定秘密保護法の成立を目指す臨時国会が幕を開けた。

 
「秘密保護法が出てくる時勢というのは、いつもキナ臭い」

 
軍事ジャーナリストの前田哲男さんは席に着くなり、切り出した。

 
日清戦争と日露戦争の間、1899年に制定された軍機保護法。日中戦争が激化した1938年に制定された国家総動員法。日米開戦と同じ年の41年に制定された国防保安法-。

 
歴史をさかのぼれば、情報統制に動く国家が向かう先の危うさが浮かび上がってくる。「戦争と情報統制は表と裏の関係にある」。危機感はだから、情報を統制することを是とする国のありように向かう。

 
「法案が成立すれば、公務員だけでなく、情報を得ようとする国民さえも取り締まりの対象となる。新しい例は前例となって定着していく。見せしめ的な例を作ることだってあり得る。息苦しい世の中になることは間違いない」


■背景に軍事一体化

 
同じ「キナ臭ささ」を感じたのは東西冷戦さなかの1980年代。当時の中曽根康弘首相は最高刑を死刑とする国家秘密法(スパイ防止法)の成立を目指した。

 
戦後政治の総決算を掲げ、憲法改正を主張し、トップダウンの政治姿勢から「大統領型首相」とも称された中曽根氏。同じ改憲派で、「戦後レジーム(体制)の脱却」を唱え、官邸主導の手法をとる安倍晋三首相がダブってみえる。

 
では冷戦も終結をみたいま、秘密保護のために罰則を強化し、処罰対象を広げようとしている背景には、何があるのか。

 
真っ先に指摘するのが、日米の軍事一体化の流れだ。自衛隊と米軍は共同演習を重ね、協力関係を深めており、情報を共有する上で管理強化は欠かせない。

 
3日には、日米の外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が開かれ、日米同盟の強化へ向け、自衛隊と米軍の役割を定めた日米防衛協力指針(ガイドライン)を再改定することで一致。「より密接な防衛協力を考えたときに、情報の管理方法について米国から同じレベルの措置を求められるのは当然だ」

 
安倍政権が設置を目指す国家安全保障会議(NSC)でも他国との機密情報のやりとりが想定され、菅義偉官房長官は「諸外国との情報共有には、わが国の情報保全体制への信頼が不可欠になる」と強調している。

 
さらに安倍首相が意欲を見せる集団的自衛権の行使容認とも連動しているとみる。「行使容認へ憲法解釈を変更し、自衛隊を使った他国の防衛という方針転換を見越した法律だ。つまり予防的な措置とみることができる」


■公開の原則なく

 
情報の漏えいに関して米国には懲役10年以下とする罰則が存在する。2007年の日米軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の発効が契機となり、米国と同等の措置が日本にも求められてきた。その答えが今回の法案というわけだ。

 「しかし、秘密情報の管理方法は、米国とは大きく異なるだろう」と指摘する。「秘密は保護しなければならないから違反者は処罰する。米国には、それがどういう情報で、なぜ秘匿(ひとく)されなくてはならなかったかという理由は時間がたてば明らかにするという公開の原則がある。そこでバランスをとっている」

 
日本の場合はどうか。法案の原案によれば、特定秘密は指定期間を5年とするが、更新が可能で、チェック機能はない。指定期間が終了しても、情報の保存というルールもないため、「秘密が秘密のまま廃棄される恐れがある。そうなると処罰された本人も、その理由を知る手だてがなくなってしまう。これはどう考えても独裁政治だ」。

 
沖縄県・尖閣諸島をめぐる中国との領土問題や北朝鮮の核開発など、東アジア情勢の緊迫化が喧伝(けんでん)され、日米の共同歩調の必要性が叫ばれるなかで浮上した特定秘密保護法案。しかし、情報の扱いで浮き彫りになる米国との差は何を意味するのか。

 
「記録に関する国民の認識の違いが表れている。欧米では公権力によってなされたものは保管するという考え方がある」。歴史的に見ても旧日本軍の記録はほとんど残っていない。「戦時中は軍部しか知らないことがほとんどだった。それは国民とは別の問題、知らなくていいだろうという為政者の考え方から来る。国民を見下し、知らせる必要もないという考え方だ。軍事領域を聖域化した。そこから続く根深い問題だと思う。ある意味では民主主義が遅れているともいえる」


■特定秘密保護法案の背景

 
安倍政権は外交・安全保障政策の司令塔となる日本版「国家安全保障会議(NSC)」設立と特定秘密保護法成立を“車の両輪”と位置づける。

 
省庁の壁を越えて情報を集約する首相主導の危機管理体制づくりと、米国との緊密な情報共有を狙うNSC。その設立のためには秘密保全の強化が必要、としている。背景には、米国から秘密保全の徹底を繰り返し求められている事情がある。

 
ただ、近年の漏えい事件で公務員が実刑になったのは、2000年の「ポガチョンコフ事件」の1件だけ=表=で、新たな法整備の必要性に疑問の声も上がっている。

 
特定秘密保護法案の原案によると、国家の安全保障に大きな支障を与える恐れがあり、特に秘匿が必要な情報を「特定秘密」に指定して漏えいを防ぐ。

 
具体的には防衛相や外相、警察庁長官といった行政機関の長が(1)防衛(2)外交(3)外国の利益を目的とする特定有害活動の防止(4)テロ活動防止-の分野から指定。有効期間は上限5年で、必要がなくなれば指定は解除されるが、何度でも更新して期間を延長できる。

 
漏えいしたときの罰則は、国家公務員法と地方公務員法(守秘義務)の最高1年の懲役刑や自衛隊法の最高5年の懲役刑よりも重くなる。特定秘密を扱う公務員らが故意に漏えいした場合は最高10年の懲役刑、過失の場合も最高2年の禁錮刑に。国会議員ら提供された側が故意に漏らすと最高5年の懲役刑。

 
人を欺く行為や暴行、脅迫、窃取、施設侵入、不正アクセスのほか「特定秘密の保有者の管理を侵害する行為」などの手段で取得した場合も最高10年の懲役刑が科される。未遂、共謀、教唆、扇動も処罰の対象になる。


20131017日 神奈川新聞
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1310170022/


 

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