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2013年9月24日 (火)

気になるニュース 222

 

研究用の血がほしいだけなのか?・・・厚労省マジこわい・・・
引用書き起こし開始。

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*被害者の切り捨てを進める検診システム カネミ油症事件


カネミ油症事件。45年前に発生し、約14000人が被害届を出した空前の食中毒事件だ。食用油に混入した猛毒のダイオキシンが体内に取り込まれ、直接の被害者のみならず、子や孫をも苦しめている。患者として認定されるには油症検診を受ける必要があるが、実施は1年に1回だけで、会場もわずか。遠出が難しい重症の人ほど検診が受けられず、結果として認定されないという事態が続いている。(出田阿生)


【カネミ油症事件】 

カネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油が原因の大規模な食中毒事件。油の製造過程で、猛毒のダイオキシンが混入したことが後に判明した。吹き出物や内臓疾患、骨や歯の異常など症状はさまざま。本人だけではなく、母体を通じて次世代に健康被害が起きている。2012年成立の被害者救済法により、認定患者にはカネミ倉庫が医療費の負担と年5万円、国は年19万円を支給している。認定患者は2210人(5月末現在、生存者は約1600人)にとどまる。


◆「排除」のための検診か 

東京都内の病院に入院している被害者の女性(48)は、油症検診の通知を手に「いったい、どうやって検診を受けろというのでしょう」と、つぶやいた。今年の油症検診は全国12地区で実施される。関東では910月、神奈川と千葉の2カ所の病院が会場となる。

女性は特殊な白血病を患い、無菌室で抗がん剤を投与されている。副作用で全身が痛み、最近はトイレに立つのもやっとだ。それなのに「1023日、相模原市の北里大学東病院に時間厳守で午前8時半集合」という通知が来た。

「出張検診をお願いできないか」と、相談窓口に問い合わせたが断られた。主治医は「入院証明書を出す」と言ったが、それで事態が改善されたわけでもなかった。

西日本出身のこの女性が「自分はカネミ油症ではないか」と疑うようになったのは、ここ数年のこと。幼いころから異様に疲れやすく、発熱や体の痛みに苦しんだ。学校を出て念願の営業職に就いたが、39度の熱が連日続き、2年で辞めざるを得なくなった。

その後結婚し、出産したが、体調不良が続いた。2年前に「なんでこんな体なんだろう」とため息をつくと、父親が「ライスオイル(カネミ油)のせいだ」と言った。がくぜんとした。

3歳のころ、母親が健康のために、とカネミ油を牛乳に混ぜて飲ませていたという。両親は被害届を出していた。

長崎県五島市出身の油症認定患者、宿輪(しゅくわ)敏子さん(51)の体験談をネットで見つけた。自分とほぼ同じ症状だった。

油症では骨や歯に異常が出やすい。この女性も過去に側彎(そくわん)症と診断され、乳歯が生え替わらずに何度も抜歯していた。

入院の昨年、検診を受けたが、認定されなかった。会場まで満員電車とバスを乗り継いで2時間半かかった。指定日を逃せば、次は1年後だ。交通費や宿泊費は認定患者にしか支給されない。多くの患者が「つらい」とこぼしていた。

女性の下の子は、まだ小学生だ。「補償がほしいのではなく、自分の体に起きていることを解明し、油症の治療法を見つけてほしい」という一心で、今も検診を受けたいと思っている。しかし、そんな当たり前のことがかなわない。

「重症で動けない患者は救済しない制度って、何なのでしょうか」


◆全被害者に患者認定を 厚労省「治療法研究が目的」 

検診は九州大の医師らを中心に構成され、厚生労働省が所管する研究団体「油症治療研究班」が年間2億円の研究費の中から、約7000万円を使って実施している。

古江増隆班長は「新たに患者認定されるには、検診を受ける必要があるが、私たちの健診の目的は本来、認定患者さんのためだ。未認定の人を拒むわけにもいかないので受け入れているが…」と、検診の趣旨が未認定患者の救済とはほど遠い現実を説明する。

厚労省の担当者に至っては「検診の目的は認定患者の健康状態を把握して、治療方法の研究につなげること。未認定の人たちを新たに認定する目的の検診ではない」とはっきりと線を引く。

こうした研究班や国の姿勢は、認定数に反映されている。1968年の事件発生のころこそ、一定の認定をした。それでも被害届を出した人の2割に満たない。その後は「狭き門」になる。

昨年度は250人の未認定患者が検診を受けたが、認定はわずか16人だった。体調不良や差別・偏見への恐れなどさまざまな理由で検診を受けられず、放置されてきた人が圧倒的多数だ。

認定は油症治療研究班の医師らが診定会議で決めるが、その判断に疑問を抱く声も根強い。15歳で発症し、3年前に認定された福岡県大牟田市の森田安子さん(59)は「全く信用できない。もう娘には検診を受けさせたくない」と憤る。

森田さんの長女(34)は皮膚症状や子宮筋腫などの症状があり、検診では基準を上回る高濃度の血中ダイオキシンが検出されたが、認定されなかった。「娘は体調が悪いなか、会社を休んで、熊本から福岡まで来て受診した。13本も試験管に血液を採取されて倒れた。そのうえ、数値が高くても認めない。到底、科学的とは思えない」

カネミ油症関東連絡会共同代表で、認定患者の前島太さん(46)は「自分の血中ダイオキシン値は一般人並みに下がった。もし、自分がこれから検診を受けたとしても認定されないだろう。油症研究はいまだに途上だ。科学的解明が不十分なのだから、本来は被害届を出した全員を認定するべきではないか」と話す。

台湾では79年、カネミ油症と似た油症事件が発生した。「油症学フォーラム」を主宰する元九州大大学病院准教授(環境分子疫学)の長山淳哉氏は「台湾では体調が悪い油症患者のもとに医師が検診に出向いている。これが当然あるべき姿だろう。日本の油症治療研究班の動きは、被害者の救済につながっていない」と指摘する。

カネミ油症の場合、司法判断では国の責任が明確に認められていない。だが本当に国や行政に責任はないのか。

医師の津田敏秀・岡山大大学院教授(疫学)は「国や自治体が食品衛生法に違反したことが、カネミ油症の被害拡大の根本的な原因。重大な責任がある」と力説する。

食中毒では通常、原因食品を調べて健康被害が出れば、自動的に患者として認定される。都道府県には患者把握の調査が義務づけられ、大規模になれば、国にも調査義務が生じる。

ところがカネミ油症事件では、行政が具体的な対策に動いたのは発生から約半年後。さらに油症治療研究班に被害調査を一任し、国が前面に出ることはなかった。

「本人だけでなく、いまや子や孫にも被害が出続けている。現在からでも、カネミ油症を摂取して健康被害が出た人全員を患者認定するべきだ」


[デスクメモ]
カネミ油症でも水俣病でも、子々孫々の代まで災禍が続く。世間の忘却が苦しみを膨らます。公害事件の最新かつ最大の案件が福島原発事故だ。他の事件よりひどいのは、国どころか、加害企業の責任すらごまかされている点だ。責任のうやむやは将来の救済を直撃する。逃げ切りを許してはならない。(牧)


2013924日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013092402000153.html


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