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2013年9月23日 (月)

気になるニュース 221

このシリーズ、写真・図解入りでわかりやすいのでぜひ本紙で。
引用書き起こし開始。 

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*福島第一原発と地下水


東京電力福島第一原発事故から2年半。大量の汚染水に足を取られ収束作業はなかなか進まない。実は、汚染水を増やしている地下水に、福島第一は建設当初から悩まされていた。安倍晋三首相は汚染水はコントロールできていると国際社会に明言したが、今後も地下水との宿命的な戦いは続く。(原発取材班・志村彰太、清水祐樹)


【現状は?】 日量800トン 大半が汚染

福島第一の敷地は、もともと地下水の豊富な海抜35メートルの台地だった。いくつもの沢が海に注ぎ、地面を少し掘れば水がしみ出すほどだった。

46年前、東電は地盤の弱い上の層を削って造り始めた。当時の東電幹部の工事報告には「わき水でトラックや大型重機の走行に支障を来した」など地下水と格闘した様子がある。

工事車両が走る道の両脇に、約300本も地下水をくみ上げる井戸を掘り、水を抜いて海に流した。水が減らないときは、地面に鉄板などを敷き車が通れるようにしたという。

原発完成後も地下水は減らない。水は流れやすいところへ行くため、建屋の地下周辺に押し寄せる。地下階には隣接の建屋から配管やケーブルを引き込む貫通部があり、どうしても水が入ってくる。周りが地下水だらけになると巨大な建屋が船のように浮き上がる恐れもある。

このため東電は、建屋の周囲にサブドレンピットと呼ばれる地下水を抜くための立て坑を60本近くも掘り、1800トンを超える地下水をくみ上げ、水位を下げていた。人工的に水をコントロールしていたが、原発事故後、これらの立て坑は、放射性物質が付着したがれきで埋まり、現在も復旧していない。

福島第一に押し寄せる1日約800トンの地下水は、行き場を探すことになる。半分の400トンは建屋地下に流入し、溶け落ちた核燃料を冷やした後の高濃度汚染水と混じり、汚染水の量を増やしている。残りの400トンは護岸周辺から海へ抜けている。海に達する前、海側敷地に埋設されている配管やケーブルを収めるトレンチ(トンネル)にたまる高濃度汚染水と混じり専用港に漏出しているとみられる。

23号機の周辺は沢の跡で、水が集まりやすい。東電が両号機の周辺で海への漏出防止に追われているのもこのためだ。汚染水は、敷地の条件から生まれた不可避の問題といえる。


【対策は?】 国費470億円で遮水壁

除染装置、ボルト締め型タンク群、地下貯水池、遮水壁、地下水くみ上げ井戸…。事故発生から2年半、福島第一で進めてきた対策の多くは水がらみだ。

闘いは厳しい。予定通りといえるのは建屋地下にたまった高濃度汚染水から放射性セシウムを除去し、原子炉冷却に再利用することくらいだ。

当初、建屋地下の汚染水は処理が進むと1年ほどでほぼなくなる計画だった。ところが、建屋地下への地下水流入で水かさが増え、抜いては処理、抜いては処理の繰り返しに陥った。

「一日も早く復旧させたい」と東電担当者が言う地下水を抜く立て坑も、高線量がれきに阻まれ、進んでいない。

14号機の山側には、建屋に流入する前に地下水を抜いて海に放出する井戸が掘られたが、漁協の理解が得られず足踏みしている間に、8月の処理水タンクからの水漏れが起きた。

タンク周辺の地下水は放射性ストロンチウムの濃度が上昇。汚染が広がれば、この井戸も使えなくなる可能性が高い。

ようやく政府も国費約470億円を投入して汚染水対策に乗り出す方針を打ち出した。14号機周辺に配管を埋め、超低温の液体を流して土を凍らせて遮水壁を造り建屋地下への地下水流入を遮断する作戦だ。

うまく進めば2年ほどで壁が完成し、それ以降は汚染水の増加は最小限に抑えられる。それまでは、タンクを造り続け、処理水をためていくしかない。

主力のボルト締め型は、水漏れで信頼できなくなり、政府・東電は耐久性のある溶接型に置き換えていくという。増設だけでも大変なのに、同時に置き換えも進められるのか。

もう一つの新たな対策は、処理水から高濃度ストロンチウムなどを除去する装置の導入。これが動き出せば、計30万トン超に及ぶ処理水のリスクは大幅に減る。作業員の被ばくも小さくなるが、成否はこれからだ。


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2013923日 東京新聞:ニュースがわかるAtoZより


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