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2013年9月16日 (月)

気になるニュース 216

 

小浜市すげー・・・
引用書き起こし開始。

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*再び原発ゼロ~大飯原発の地元 中島哲演住職の思い


関西電力大飯原発(福井県おおい町)4号機が15日、定期検査入りしたことで、国内で稼働する原発が再び消えた。昨年暮れに原発推進の安倍政権が発足し、脱原発世論は巻き返しの嵐に直面している。福島原発事故後、2回目の原発ゼロの行方はどうなるのか。大飯原発から20キロ圏内の同県小浜市で、半世紀近く原発にノーを突きつけてきた明通(みょうつう)寺住職の中島哲演(てつえん)さん(71)に話を聞いた。(荒井六貴)


◆「消費地元」からNOを 稼働の逆風流されぬ

15日午後。台風の影響で雨が時折降る中、中島さんは福井市中央公園で、再稼働に反対する集会に参加していた。

「天気が悪い中、800人もの人たちが参加してくれた。国は再稼働するため、原発事故を風化させたがっているかもしれないが、その推進勢力に対し、危機感を感じている人も多い。福島の過酷事故と、被災者の様子は頭に焼きついている」

あの福島事故の発生から2年半。人びとの思いは変わったのか。

「まだ、潜在的に原発に反対している人は多数派だ。参院選直後の世論調査でさえ、再稼働反対の声が半数を超えた。悲観はしていないし、楽観もしていない。潜在意識をどれだけ顕在化できるかが、勝負だと思う」

この数日前、中島さんを明通寺に訪ねた。境内を秋風が静かに吹き抜ける。「稼働している間は明日にでも、事故は起こるかもしれない。福島で起きたことはひとごとではない」。」中島さんは歩きながら、そう語った。

汚染水問題など福島事故の収束が見通せないのに、安倍首相は国際社会の舞台で「状況はコントロールされている」と言い放った。東京五輪の開催で、福島事故を小さく見せかけたり、忘れ去られる懸念も高まる。

中島さんは「国民は現政権に多数を与えたが、稼働を託したわけではない」と言う。「また声を上げ、運動を盛り上げ、どう形にしていくか。機は熟しつつある。のんきに構えていられない」

昨夏、政府、関西電力は大飯原発の再稼働を強行した。止められなかった反省から、中島さんは「立地地元」や「被害地元」を超え、「消費地元」という新たな視点を提唱している。

大飯原発の場合、「立地地元」は、福井県おおい町だけになる。「この考え方では、10キロ圏内に含まれる小浜市は人口が多いのに同意が必要ないことになる。公平さを欠く」(中島さん)

「被害地元」は30キロ圏外であっても、事故が起きれば、放射能の被害を受ける地域を指す。昨年、関西の水がめの琵琶湖を抱える滋賀県の嘉田由紀子知事や京都府の山田啓二知事が提言した。

だが、昨夏、知事らは経済界から電力不足や計画停電をちらつかされ、「臨時的な再稼働はやむを得ない」と再稼働に同調してしまった。

中島さんは「どう喝に屈服し、食い止められなかった。原発の恩恵を受けてきた消費地元の意識を高めることができなかった」と振り返る。

では、この二つを乗り越える「消費地元」とはどこを指すのか。

「ここなら、近畿24県が消費地元になる。若狭湾に林立する原発の電力消費地だ。ここに住む住民たちに訴えたい。若狭湾周辺の犠牲によって成り立つ豊かさを享受するのはやめようと」

福島原発事故を目の当たりにして、その原発の電気を消費していた人たちは今後も福島を犠牲にしてまで、電気の恩恵を受けようと思うだろうか─。そうした疑問を中島さんは自問してきた。

「電力不足を原発再稼働の根拠にするなら、消費地が消費文明のありようを振り返り、省エネや節電の努力をすべきだ」

ただ、原発推進を掲げる自民党政権は当面、続きそうだ。逆風にあらがうことはできるのか。

「あのときも四面楚歌(しめんそか)だった」。中島さんは40年以上前からの体験を語り始めた。


◆四面楚歌でも半世紀闘った 原発食い止めた小浜

小浜市内で1968年、原発建設計画が浮上した。「市長、市議会、県議、知事らが賛成。住民たちの反対がなければ、『小浜原発』は建設されてしまっていた」

市内の労働組合や宗教者ら大小のグループが、意見の食い違いを超え協力し、「美しい若狭を守ろう」の合言葉で団結した。市内にポスターを張り巡らせ、過半数に達する有権者の署名13000人分余りを集めた。

保守系が多数派の市議会は原発誘致を進めようとしたが、当時の鳥居史郎市長は72年、「一人でも反対があるなら誘致しない」と断念した。

さらに75年、再び市議会の保守系会派が原発誘致を持ち出し、立地調査促進の決議まで可決したが、後任の浦谷音次郎市長も「原発からの財源よりも市民の豊かな心を選ぶ」と、誘致しない考えを表明した。

その後も、小浜市では2000年代まで、原発や使用済み核燃料の中間貯蔵施設の誘致話が出ては、反対運動が阻止するという緊張が続いた。

「国レベルと小浜市という小さな自治体では、運動の方法は異なるだろう。ただ、小浜の反対運動でも、最初は声を出さない人が大半だった。それが次第にうねりになった。再稼働反対の世論が潜在的にあるならば、それは必ず実現できる」

原発の廃炉費用を電力会社が電気料金に上乗せできるようになる経済産業省の会計制度見直し案について、中島さんはパブリックコメントに次のような意見を寄せた。

「原発の電力を享受してきた消費者、国民として、原発の後始末に責任を負うことは後世代のためにも当然の義務だ」「電力会社と国の責任も検討すべきで、電気料金に丸投げすることは疑義がある。ガラス張りの議論により、痛みの分かち合いが受け入れられる」

一貫しているのは、自分の責任を問う倫理観と人を信じる心だ。

昨年3月、大飯原発の再稼働反対の意思を示すため、県庁で一週間、断食して座り込んだ。

「少しひもじい思いをしてみませんか、一食分のお金を反対運動に使いませんかと。『少欲知足(欲を小さくし、わずかな喜びに満足する)』の精神を示したかった」

明通寺はかつて「棡(ゆずり)寺」とも呼ばれた。古い棡の葉が新しい芽吹きに譲り、散って土に返る、命を後世に継承していくシンボルともいう。中島さんはこう言い切った。

「目先の利益に屈服して、原発建設を許し、後の世代にツケを残してしまった。倫理的な責任を痛切に感じなければならない。第二、第三の福島をつくってはいけない」


[デスクメモ]
昨夏。大きなデモをやり、自民党より少しは脱原発を考えた民主党政権下でも再稼働は強行された。だから無力感が漂う。ただ、再稼働の前提だった事故収束や電力不足のウソがよりハッキリした。意思表示しても徒労かもしれない。それでも声を上げる。大切なのは物言う私たちであり続けることだ。(牧)


2013916日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013091602000139.html


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